File No.39-9 ビル・エヴァンス-『WALTZ FOR DEBBY』CDの研究  -ディジタル-

『WALTZ FOR DEBBY』の CDについて考えることと廉価盤CDに望むことについて解説しています。

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File No.39 / 09

『WALTZ FOR DEBBY』のCDについて考えること(音質以外)

ビル・エヴァンスの『WALTZ FOR DEBBY』のCDをいろいろ視聴してきて思ったことは、CDの時代になり70分以上収録できるようになったことで、オリジナルアルバムに収録できなかった曲も収録できるようになりました。

これは1枚のCDでオリジナルアルバムよりも多くの曲が聴けるので嬉しいことでもあるのですが、編集の仕方によればオリジナルアルバムと印象が全く違うものになってしまいます。

アルバムの2曲目の『WALTZ FOR DEBBY』の後にもう一度同じ曲の『WALTZ FOR DEBBY』が登場してしまうと、アルバムではなく音源資料のような感じになり、アルバムからくる感動が薄れてしまうように思います。

オリジナルアルバムは、当時のアルバムが製作されたときの限られた時間内での曲の選定や曲順の選定などよく考えられて作品が製作されています。

オリジナルアルバムの曲順を安易に変えてすことは、作品自体が全く違うものになってします。

オリジナルアルバムに新しく追加される曲は、オリジナルアルバムの曲が終了した後にボーナストラックとして追加してほしいものです。

今回、視聴したCDのなかで『Complete Village Vanguard Recordings 1961』は、特殊な意味合いを持つものです。

この音源からビル・エヴァンスの傑作の『WALTZ FOR DEBBY』の名盤が製作されたと考えながら当時のビル・エヴァンスのライヴの雰囲気を楽しめます。

『Complete Village Vanguard Recordings 1961』の音源から『WALTZ FOR DEBBY』の曲を選びアルバムに仕上げていったのかが理解でき嬉しくなってきます。

アルバム『WALTZ FOR DEBBY』の曲の選曲がなければ、決してビル・エヴァンスの名盤『WALTZ FOR DEBBY』は誕生しなかったと思います。

私は『Complete Village Vanguard Recordings 1961』は、歴史的な貴重なビル・エヴァンスの記録として最高の楽しむことができて、『WALTZ FOR DEBBY』というアルバムがより好きになってしまいました。

『Complete Village Vanguard Recordings 1961』は、万人向きではないと思いますがビル・エヴァンスのファン、『WALTZ FOR DEBBY』ファンの方たちに絶対にオススメのCDですので、是非視聴されることをオススメいたします。

廉価盤CDに望むこと

最近ではオリジナルアルバムを複数収録した廉価盤のCDが発売されるようになりました。

これらの廉価盤のCDは、音質も良く(普通のCDの音で特に音質が良いという意味ではありません。)オリジナルアルバムの多数を聴くことができて価格の1枚ずつ購入するよりも遥かに安価に購入することができるので、初心者の方には大変便利なCDをいえます。

今回、音を視聴して感じたことですが、廉価盤の複数のアルバムが一気に聴けるCDは安価で良いのは理解できますが、音に特徴を感じることが出来なく面白くありませんでした。

廉価盤のCDは、正規のメーカーのCDからマスターを製作してコンピュータで編集した感じがしてなりません。

決して音が悪いということはありませんが、廉価盤CDの音を聴いて、このCDを絶対手に入れなければならないというような気持ちには全くなりませんでした。

音にメーカーのポリシーや個性が感じられなく、多くのアルバムが一気に聴ける廉価盤CDぐらいにしか感じることができませんでした。

それ以上に廉価盤のCDの音を視聴して感じられたことは、製品に製作するときの気持ちというか、作品に対しての愛情が感じられないことです。

ただ販売目的の為でけに多くのアルバムをまとめている感じがしてなりません。

廉価盤CDもメーカーは、偉大な作品にもっと愛情をこめて製作して欲しいものです。 作品に対する愛情や気持ちは、必ず音として現れてくるものだと思います。

私は、廉価盤CDもメーカーが正規のメーカーの音源を利用して全く個性のないCDをだすぐらいなら、いっそうのことアナログレコードからCDを製作してくれた方が良いように思いました。

特にオリジナルの高価なアナログレコードや貴重なモノラルのアナログレコードから直接CDにした方が遥かに個性のある音質で楽しめるように思います。

CDやダウンロードのディジタル化された音しか聴いたことのない人には、アナログレコードのスクラッチノイズやチリチリノイズに驚かれ最初は音が悪く感じかも知れませんが、何度も視聴していくうちに必ずアナログのレコードに入っていいる音の出方の方が好きになるだろうと思います。

音楽は、音のクオリティ以上に必要な要素があると理解できるようになるのではないかと考えております。

廉価盤CDメーカーは、廉価盤CDある自由度を利用して、もっと正規のメーカーにない個性のある音のCDを販売してもらいたいと考えています。

あくまでも私の個人的な希望・願望になりますが、今後の廉価盤CDに期待していきたいと思います。

『WALTZ FOR DEBBY』のCDを視聴した結果(結論) つづく


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