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はじめに
平成生まれの人には恐らく、日本のオーディオが世界一であった時代を知らないと思います。 また、オーディオ製品でなく家電製品等の品質も良く、このまま進めば日本の電化製品は、世界が追いつけない状態でした。
1980年代大手の家電量販店に行けば、ほぼ全ての家電製品がmade in Japn(日本製造品)で、海外の家電製品を見つけることは難しい時代でした。
残念ながら現在は、逆にmade in Japnの製品を見つけるのが難しい時代になってしまいました。
1980年代当時、オーディオの世界では、79,800(ナナキュパ)戦争や59,800(ゴーキュウパ)戦争というのが盛んな時代でした。
79,800(ナナキュパ)戦争とは、今では信じられないくらいの高品位なオーディオアンプが79,800円で、各社からリリースされ争っていたことをいいます。 59,800(ゴーキュウパ)戦争は、この価格帯では考えられないぐらいの高品質なスピーカーが59,800円で各社から販売されて争っていたことをいいます。
ちょうどディジタルオーディオ(コンパクト・ディスク)いわゆるCDが、一般に普及してきた時代です。
日本のオーディオ界に79,800(ナナキュパ)戦争や59,800(ゴーキュウパ)戦争が発生したことで、オーディオ全体の品質が底上げされるようになりました。
日本のオーディオメーカーが真剣にオーディオを追求していた時代ですから、その時の海外のオーディオメーカーは、この価格帯のオーディオにほとんど参入できませんでした。
高級オーディオ(高級品)は、高級品なりの品質で消費者に納得してもらえないと消費者から見放される為、高級オーディオはより高精度・高品質に向かっていきました。
この発展は最新のディジタル・オーディオだけでなく、レコードプレーヤーやテープレコーダーなどのアナログ・オーディオにもおよび、音質の徹底的に見直しがおこなわれ以前のものより品質・音質が大幅に向上していったのを記憶しています。
低品質なオーディオなどは存在できない時代になってしまったので、この時代のオーディオを製品を購入した消費者はたいへん幸せだったと思います。
その後、バブルが崩壊して日本のオーディオが衰退していくことになりました。 (私は、日本の工業の衰退をバブルが崩壊の一言で語るのは好きではありません。)
よく経済学者がバブリー時代の製品といって、当時の高価な日本製品はオーバークオリティの為、価格が高く世界に通用しないと批判しているのをききますが、昔の日本の家電製品の品質を知っている私にとっては、現在のオーディオの方が品質と価格を比べると遥かにバブリーな製品に感じてしまいます。
どう見ても製品に対するオーディオメーカーの姿勢、製作する技術者の努力や品質に対して価格など全てを考慮して考えると、現在のオーディオ製品の方が遥かにバブリーな製品ではないでしょうか?
私は、当時の日本のオーディオが最高だったという懐古論を主張のでありません。 音は、まだまだ海外から学ぶことは多かったと思いますが、オーディオに対するメーカーの姿勢、消費者の追及が真剣だったことは間違いない事実です。
当時の日本オーディオの事実を踏まえて、これからオーディオを考えていきたいと思っています。
オーディオ愛好家は、オーディオを楽しむ上で厳しい目を持った方か良いのではないでしょうか?
オーディオの業界は消費者の厳しい目に触れることで、利益追求以上に真剣にオーディオに取り込む姿勢が必要になり、それがオーディオ業界をより発展させると確信しています。
オーディオ・マスターファイルの記事は、オーディオメーカーには大変厳しい記事になるかも知れませんが、悪意は全くなく今後のオーディオのより発展を考えた上で掲載させていただいております。
全ての人にオーディオライフをより楽しんでいただき、今後のオーディオの発展を心より願っています。
さあ! 楽しく素晴らしいオーディオライフを堪能しようではありませんか!