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イコライザーをかけるとオリジナルの音が変わってしまう。
現在のアーティストのアルバムのやわらかく心地良い音が好まれている理由で、昔のアナログ音源にイコライザーをかけてCDを製作してしまうと、元のオリジナルの音とは全く異なるもになってしまいます。
しかし昔のアナログ音源にイコライザーをかけてCDを製作すると、間違いなくオリジナルの音とは変り、その効果は絶大で、多数のオーディオファンから、
『以前のアナログやCDに比べ新しいリマスターCDやSACDは、音質が良い!』
『やはりSACDは、音質が最高!』
と評価されます。
しかし、以前と音が変化したと感じれるほどオリジナルアルバムで表現しようとした音から離れてきているように思います。
これは、じっくり考えれば理解できることですが、新しく発売されたリマスターCDやSACDなどで劇的に音質が向上するということは、オリジナルのマスターテープの音を超えるということを意味することになり原理的に普通では考えらないことです。
それでもアナログマスターテープからディジタル変換して、音質が以前のCDなどより劇的に変化しているということは、元の音源に何らかの操作をしているしか考えられません。
アナログをディジタルに変換するADコンバータが以前に比べて性能が劇的に向上した結果にう音が良くなったといえないこともいえませんが、実際の音を視聴した限りでは、CD発売されたときのものと比べ音の鮮度が向上したとは思えないのが正直な感想です。
海外のオーディオ関連サイトでも、昔のDATの音と最新のハイレゾの音を聴き比べた結果が、昔のDATの音より音質が良くなっているということが確認することはできなかったという報告もありました。 それで、昔のDATの音の良さを再評価したという結論になったそうです。
私の経験上、これらの意見に全く同感に思います。
古いアナログマスターをイコライジングなどを使用して、音を変えてしまうと音が良くなると感じても、アルバム製作した当時のオリジナルの音から大きく外れてしまいます。
これは、その時代にアーティストが表現しようとした芸術作品を音が良くなると理由で新しく変更されてしまうと、アーティストが表現しようとした芸術作品ではなくなるということを意味するものだと思います。
現在のアーティストの好む流行の音にするためにイコライジングを施して低音を増強すれば聴く側から見れば現在風の耳あたりの良い音になりますが、オリジナルの音とは違ってしまいます。
現在要求される音よりも、アーティストが当時製作したアルバムの表現したい芸術を再現させることが、アーティストの考える芸術を本当に意味で楽しめると思います。
これは音を良くする以上に、重要なことだと考えております。
オーディオでオリジナルの音を再現することが、もっとも重要な課題だと思います。
アナログマスターの音質向上する方法
アナログマスターをディジタル的にイコライジングやノイズリダクションを施す方法では、本質的な音質の向上を期待することはできません。
音質向上するには、アナログマスターを再生する機器やテープヘッドの改良するなど、アナログマスターの周りの音質を良くするしか方法はありません。
アナログマスターの周りのアナログ機器の音質を改善しない限りは、どのような高性能なディジタル変換機器を使用しても音質を改善をすることに期待できません。
アナログの出口から改善していくことが、アナログの音を最も良く再現する方法だと思います。
補足!音の良し悪しの判断は、音の鮮度の良さが重要
リマスターなどの音質を考えるときに、音が重厚になったとか、奇麗になったとか、滑らかになったとか、低音が迫力がでたなどということで高音質になったとかいう前に、音の鮮度があるかどうかを考える必要があります。
音の鮮度は、スペック良い媒体だけで解決できるものではなく、高スペックのSACDやハイレゾ音源でも同じことだといえます。
昔のアナログマスターテープにノイズフィルター・ノイズリダクションを施せば、現在録音された音のようになりますが、音の鮮度が著しく失われます。
新しいリマスターされたCDやSACD、ハイレゾ音源が、昔の発売されたCDより音の鮮度が上がっていれば、そのCDは間違いなくマスターテープに近い音で高音質になっといえます。
『音の良し悪しは、音の鮮度の良さが重要です。』
音の鮮度を重視して音を視聴すると、本質的にリアルで良い音のものの判断ができるようになると思います。
おわり