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オーディオの音質評価は、ブラインドテストを含め総合的に考える必要がある。
オーディオの音の良し悪しを評価するには、ブラインドテスト的な方法も良い方法ですが、 それだけでなく様々な方法で総合的に考えていく必要があると考えています。
例えば
① 何も考えずに音だけ評価する(ブラインドテスト)
② オーディオ理論を考慮する
③ 技術的なことを考える
④ 他人の素直な考えを聞く
⑤ 製品ポリシーを知る
⑥ 長期的に音を聴き・考える
という感じで総合的に考えて結論に至ることが良い方法だと思います。
これらの例も絶対的な方法ではありません。
オーディオの音の評価の方法は、決して1つの方法だけで評価するのではなく、多角的なアプローチにより総合的に考えていく必要があります。
それぞれの評価の良い部分を引き出して評価していく方が良い方法です。①の『何も考えずに音だけ評価する』は、ブライドテスト的な要因があります。
他の人から影響されずに、オーディオを自分の感性だけで音を素直に聴いて評価する方法です。 何も考えずに音だけで音質が良いと評価することが出来ると、自分自身の音に求めている良い音が分るようになり、他のオーディオ機器の音も評価しやすくなります。
② オーディオ理論を考慮する
オーディオメーカーが提唱する高音質のオーディオ理論を検討して考えて視聴すると、先入観を持ってしまうもののメーカーの改善した部分に注目することが出来ます。
音の改善部分を先に知ることになるので先入観を持って視聴することになりますが、音の改善部分が理解しやすくなります。
その改善された部分を理解できると、他のオーディオを視聴するときに大変参考になり、自分なりの音の良し悪しの基準ができるようになると思います。
③ 技術的なことを考える
技術的なことを考えるというとメーカーのカタログや技術者の説明を受けると良いと思われますが、ある程度は自分で技術的なことを考える必要があります。
オーディオの技術的なことを考えることは、文系や理系のオーディオファンに関係なく道理を考えていくことが重要です。
大手の一流オーディオメーカーの技術者の説明であっても、全てを鵜呑みにせずに自分で原理を考える必要があります。 これは決してオーディオの技術者の方を疑うのではなく、音質改善の効果が実際に自分で視聴して、どれだけ感じられるかが重要だと思います。
④ 他人の素直な考えを聞く
これは、オーディオ好きの友人などに素直にオーディオの音について聞いて見ると良いでしょう。 他の人が求める音や考え方が理解できるチャンスでもあり、思わぬ発見や自分の求める音の修正に役立ちます。
例えば、友人が
『このオーディオ機器は少し低音がゆるい』
などというと、今まで自分では気づかなかったオーディオの音の発見が出来ます。
『なるほど少し低音がゆるいな』
と感じることが出来るようになり、より自分の考える良い音の基準を上げることが出来るようになります。
⑤ 製品ポリシーを知る
オーディオ・メーカーやオーディオ製品のポリシーを知ることで、オーディオメーカーの求めるオーディオの音が理解できるようになります。
『Aメーカーは、上品で柔らかい音質を求めている』
『Bメーカーは、クッキリとした音で繊細さを大切にしている』
など、ある程度メーカーで自分の好みの音が分るようになります。
⑥ 長期的に音を聴き・考える
ブラインドテストなどの視聴で音が良く感じたオーディオ機器でも、時間をかけてじっくりと視聴していると最初に気が付かなかった音の癖などを気づくことがあります。
長い時間をかけてオーディオを視聴することは、一回のブラインドテストで音を評価するよりも遥かに正確に評価することができ、条件さえ揃えば理想的な方法かも知れません。
自分のオーディオ機器を長く聴き続けると音の良い部分、もう少し欲しい音の部分などが明確に分るようになり、他のオーディオ機器の音を評価するコツをつかめるようになります。
長い間同じオーディオ機器を聴き続けると、自分自身が求める良いオーディオの音の基準が出来るので、他のオーディオ機器の音を視聴したときに良い部分と悪い部分がすぐに理解することが出来ます。