File No.38-1(全4ページ)  ブラインドテストについて考える(1) -コラム-

ブラインドテストについて解説しています。

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ブラインドテストについて考える

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ブラインドテストとは

ブラインドテストとは、試験・実験の対象となる人に実験する製品を知らせずに実験を行い結果を調べる方法です。

オーディオでは、視聴するオーディオ製品が何か知らせずに視聴してから結果を評価する方法です。

ブラインドテストには、製品の思い込みによるプラセボ効果がでないという理由で最も優れた方法であると考えられています。

そのブラインドテストの方法の中でも、より優れた方法として二重盲検法(にじゅうもうけんほう)というものもあります。

二重盲検法(にじゅうもうけんほう)

実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行うことで、プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防いで効果を調べる方法です。

二重盲検法は、観察者と被験者の両方が検査の対象の情報を得ない状態で検査する方法なので、ブラインドテストとして現時点で優れた方法だといえます。

ブラインドテストについて考える

オーディオにおいてブラインドテストは、度々実施されていたようですがオーディオでブラインドテストが話題になったのは、あるオーディオ雑誌にによる高級オーディオアンプから低価格なオーディオアンプのブラインドテストによる視聴テストの結果を掲載したことからです。

そのオーディオ雑誌の結果が衝撃的だったことが、オーディオでブラインドテストという評価の方法が騒がれるようになりました。

オーディオ雑誌のブラインドテストでは、300万円もする高級オーディオアンプが1万円のディジタル・アンプの音にに劣る結果に至り、その中でも評価が最も悪かったのは300万円の高級オーディオアンプだったという通常では考えられない結果になりました。

このオーディオ雑誌の記事を元にして、

 

『300万円のオーディオアンプが1万円のオーディオアンプに音に負けた』

ということが話題になり、音が良いといって高価なオーディオ製品を求めるオーディオファンやオーディオマニアといわれる人に対して、オカルト信者ように侮辱する記事を多く見かけるようになりました。

理系や技術系の方は、この記事を根拠に高価なオーディオやアクセサリー類を求めるオーディオファンの人の首根を押さえる勢いで、心理効果(プラシーボ)に騙されているという、科学を知らない文系馬鹿や信者というように罵倒します。

この雑誌のブラインドテストの結果に対して、たまたま今回のブラインドテストが上手くいかなかったからだろうととは思いません。 ブラインドテストの結果は結果として、高価なオーディオの方が悪い評価であっても認める必要があると思います。

しかし、このオーディオ雑誌のブラインドテスト記事だけで、オーディオというものをイメージしていまうと、これからオーディオを求める人に、

  

『異常な人だけが高価なオーディオを求める』

     

『高価なオーディオには何の価値がない』

  

高級なオーディオを購入することなく、全く意味のないものというような印象を持ちかねなく、大変な誤解を生じてしまう可能性があります。

オーディオの音を検証するにあたりブラインドテストの結果が、どれぐらい有効であるかを考えていきたいと思います。

ブラインドテストのメリット

評価する人が先に視聴するオーディオ製品の説明を受けたり見てしまうと、どうしてもそのオーディオ機器に先入観が入ってしまいます。 高級そうなオーディオ機器であればあるほど音質が良いという先入観が入ってしまい、逆に安っぽいオーディオ機器を見ると音もチープという先入観が入ってしまいます。

各オーディオ機器の音を評価するにあたり、先入観があると正確な評価が難しくなってしまいます。

ブラインドテストは、オーディオの機器の見ないで視聴する方法なので、視聴する人の先入観をなくして再生される音だけに集中して視聴できるというメリットがあります。

ある意味、オーディオの評価として公正な方法といえます。

ブラインドテストの問題点  つづく



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