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昔のミニコンポのスピーカーの音の実力
昔のミニコンポのスピーカーは、オーディオ通の人からいうと、ハリボテのおもちゃレベルのスピーカーです。
このおもちゃレベルのミニコンポのスピーカーの実力はどれくらいあるでしょうか?
このスピーカーの音・音質を、実際に視聴してどれくらいのものか確認しようと思います。
安物のミニコンポのススピーカーなので、あまり期待しすぎるのはやめておいた方がよさそうです。
サンプル音の作成は、いつもどうり直接スピーカーから流した音をTascamのハンディレコーダーのDR-40を使用して録音したものをアップしています。

1980年代のミニコンポ用の小型3Way型スピーカーの音は、現在の小型オーディオでは考えられないぐらいの優れた音が出ているように感じました。
このサイズから考えらないぐらいのスケール感があり音に厚みがあります。
低音は、少し膨らんだ感じはありますが、今のコンパクトスピーカーにあるようなブースト気味ではなく、程よく引き締まった感じの低音で好感がもてます。
20年前のミニコンポのスピーカーの音/1(Pops Sample1)《Tascam DR-40使用》
どのような音楽を再生しても不自然にならず、音楽の中のある雰囲気も十分に楽しめるのでないかと思います。
もちろん全てにおいて満足できる音ではありませんが、ハリボテのスピーカーからすれば考えられないぐらい素晴らしく高音質といえるのではないでしょうか。
20年前のミニコンポのスピーカーの音/2(Pops Sample2)《Tascam DR-40使用》
このスピーカーの音に足りないものは、ハイエンドの伸びと中高域の解像度がもう少し欲しいように思いました。
その中高域の解像度の足りなさからバックコーラスの声が少し薄く感じられるように思いますが、このクラスのスピーカーにこれ以上のものは望めないでしょう。
また、エンクロージャーが安価な普通の密度のパーチクルボードなので、ピアノなどの楽器のの音が少し曇って聞こえる感じがあります。
20年前のミニコンポのスピーカーの音/3(Hard Rock Sample)《Tascam DR-40使用》
この音の曇りは、安物のパーチクルボードだけで製作したスピーカーの特徴といえるもので、このクラスにのスピーカーに最高級スピーカーと同様な美しい響きを望むべきではないのかも知れません。 (このクラスのスピーカーで最高級スピーカーと同様の美しい響きがあれば、高級スピーカーの存在意義がなくなってしまうでしょう。)
このスピーカーの中高域の解像度の不満のことをよくよく考えてみると、私自身が長年、ハードドーム型スコーカーで中高音を聴いておりハードドームの音の解像度と鮮やかさを好んでいるからかだと思います。
普通のオーディオファンの方が、このスピーカーで中高域の解像度の足りさを感じることは少ないのではないかと思いました。
20年前のミニコンポのスピーカーの音/4(Classic Sample)《Tascam DR-40使用》
トータル的に小型スピーカーの性能を考えると20年前のこのスピーカーは、想像以上の音にクオリティがあり、現在でも十分以上に通用するのではないかと思います。
私自身、現在の家電量販店などで、小型のオーディオシステムからこのスピーカーと同じぐらいの音が流されていれば、今のオーディオの音に不満など感じなかったのではないかと考えられます。 それぐらい、このミニコンポ用のスピーカーの音は、安物のスピーカーでは考えられないくらいのクオリティを持っていると思います。
オーディオの初心者で、このスピーカーから再生される音に満足しない人は少ないでしょう。
20年前のミニコンポのスピーカーの音/5(Jazz Sample)《Tascam DR-40使用》