File No.38-2  ブラインドテストについて考える(2) -コラム-

ブラインドテストの問題点について解説しています。

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ブラインドテストの問題点

オーディオの音の評価の方法として公正な方法と思えるブラインドテストであっても大きな問題点を抱えています。

この問題点はオーディオでは大変重要な問題でありブラインドテストの課題でもあります。

ブラインドテストでは複数のオーディオ製品を同時に視聴することは不可能なので、音を視聴するときに被験者が何らかの心理的な影響をもって視聴しなければなりません。

つまり、一つの製品の視聴が終ったあとに次の製品を視聴するという方法なので、時間の経過したことによる心理的な影響を考慮することが出来ません。

このことは、大変重要なことでオーディオ製品を視聴した心理的な環境を同じに統一することができなく、最初に視聴した音の心理的な影響を全く受けなく、次の製品を視聴することは出来ないとということです。

これは、高度なブラインドテストの方法である二重盲検法(にじゅうもうけんほう)でも同じことが言えます。

ブラインドテストでオーディオの音を正確に聞き分けるのは難しい

理系や技術系の方は、オーディオの公正なオーディオの評価としてブラインドテストでの判断を重視する方が多いかと思われます。

ブラインドテストでオーディオ機器の音を判断すれば、先入観なくしてオーディオ機器の音を判断できるからです。

しかしオーディオにおいては、公正な判断ができる考えられるブラインドテストという方法では、音を正確に評価することはたいへん難しいように思います。

確かにオーディオの音を評価するにブラインドテストを利用することは、先入観をなくして音を視聴して評価できるので、一見理想的な方法に見えますが、どのようなブラインドテストの方法でも、先に述べたようにオーディオ製品を時系列順に視聴していく必要があるために、前に視聴した製品の音の心理的な影響を残して視聴しなければなりません。

この前に視聴した音の心理的な影響を完全に排除して、次の音を視聴することは不可能です。

前に視聴した音の心理的な要因を完全に排除できない理由から、ブラインドテストで各オーディオ機器の音を正確に判断することは難しいと考えられます。

そのような心理的な影響を考える必要があるので、オーディオの音の評価をブラインドテストの結果だけを重視して評価して判断することは大変難しいように思います。

オーディオにおけるブラインドテスト

ブラインドテストについて、オーディオでは心理的な影響がでるので、

 

『ブラインドテストは、全く意味のないテストである』

 

という結論に至ることはできません。

ブラインドテストは、心理的な影響がでるものの先入観がなく、オーディオを視聴して評価する方法であることは間違いことだと思います。

しかし、ブラインドテストの結果だけがオーディオの良し悪しを判断することは、たいへん難しいと先にも述べました。

ブラインドテストは、オーディオを先入観なしに評価する方法としては大切な方法だと思いますが、決して絶対的な方法ではなく、数あるオーディオを評価する方法の1つの方法であるぐらいに考える必要があると思います。

では、オーディオの音を評価をする方法として

  

『どのようなテストの方法が最も良い方法』

なのでしょうか?

オーディオの音質評価は、ブラインドテストを含め総合的に考える必要がある。 つづく


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