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なぜ300万円するA社のアンプが、ブラインドテストで一番劣っていたのか?
オーディオ雑誌によるブラインドテストがおこなわれたときのA社の300万円するオーディオアンプの音は、大変クオリティが高かったのですが、全体に音がすっきりしすぎている感じがありました。
水水しく美しい音なのですが、肉好きが薄い感じの音で歴代のA社のアンプの中でもオーディオファンの評価が分かれる製品で、かなり個性的な出来栄えだったように思います。
私も、この時のA社の300万円するアンプの音が好きにはなれませんでした。
このこともあり総合的に考えると、このA社の高級アンプは駄作とはいえないものの音の出来栄えは最高ではなかったように思います。
そのこともあったので300万円するA社のアンプが、ブラインドテストで一番劣っていた原因でなかったのでは考えています。
オーディオアンプの音を評価するはスピーカー選びが重要
A社の300万円するオーディオアンプの音質の評価が、1万円のディジタル・アンプの音に劣ったという結果はさておき、オーディオアンプの音質を評価するのにはスピーカーの選定が大変重要になってきます。
選定するスピーカーによっては、オーディオアンプの音質の差が分りにくくなることがあります。
例えばオーディオアンプの評価にスピーカーをワイドレンジの再生できる4WaYスピーカーを使用した場合には、オーディオアンプの違いによる音質の差がはっきりと出ることがあっても、普通の2Wayスピーカーを使用した場合は、音質の差がほとんど分らない場合が多いと思います。
以前に私が経験したことですが、オーディオ雑誌で好評だったS社のオーディオアンプをD社の4Wayスピーカーで再生したとき、低音が甘い感じでゆるくボーカルの声が広がる感じ音に不満をもっていたオーディオアンプを、D社の普及クラス3Wayスピーカーで視聴したとき、D社の4Wayスピーカーで再生させたときのような不満がでませんでした。
もちろんS社のオーディオアンプには低音が甘くゆるくボーカルの声が広がる感じはあったのだと思いますが、3Wayスピーカーで再生するとほとんど気になりませんでした。
このことからオーディオアンプの音を評価するときに使われるスピーカーが2Wayや3Wayスピーカーであれば、オーディオアンプの音をスピーカーの方で上手く奇麗にまとめてしまうことが考えられます。
ワイドレンジ再生の4Wayスピーカーで再生した音質に不満がでていても、2Wayスピーカーで再生すると全くその不満が気にならなくなることを意味しています。
これらは、特にスピーカーユニットが少ないスピーカーなどに顕著に現れるように思います。
つまりオーディオアンプの音を評価するときに使われるモニタースピーカーのタイプよっては、ほとんど差がつかないことがあるということです。
音質を評価するモニタースピーカー選定は、オーディオアンプの最終的な音を決める上でもたいへん重要な役割があり、最近のオーディオアンプの製作に問題があるように思います。 このオーディオ機器の最終の音決めのモニタースピーカーの問題については、後日詳しく掲載していきたいと考えていますので今回はここまでにいたします。
ブラインドテストでA社の300万円するアンプの音質が最下位だった理由といして、ブラインドテストに選定したモニタースピーカーが原因である可能性が十分にあると思います。
オーディオ雑誌によるブラインドテストの結果の覆すつもりは毛頭ございませんが、一応ブラインドテストの結果について考えられる可能性を参考までに掲載いたしました。
ブラインドテストとオーディオ(結論)
ブラインドテストでオーディオの音を検証することは、先入観なくしてオーディオの音を評価する方法としては、優れた方法だと思います。
しかしブラインドテストの結果がオーディオの音の評価の全てであるという考えは、完全な音に対しての心理的影響を排除することが不可能なので同意できません。
オーディオにおいてブラインドテストは、優れた評価方法でありますがオーディオの音の評価方法1つとしてあるぐらいに考えるのが妥当だと思います。
オーディオの音の評価は、決して1つの音の評価方法だけを重視するのではなくブラインドテストを初め多数の方法を利用して総合的に考えていくのが最良な方法だと考えられます。
それらのことを踏まえてオーディオの評価にブラインドテストを活用していくことが、最も良い方法ではないかと思います。
おわり