File No.65-10 ディジタル・レコーディングの音質管理は難しい(10)  -ディジタル-

アナログレコードのCD-Rを制作することについて考えるについて解説しています。

Home >digital >File No.65-10

010 / 010
digital_tag
File No.65 / 10

アナログレコードのCD-Rを制作することについて考える

アナログレコードには、CDにはないヒスノイズ、スクラッチノイズが多く入っています。

ヒスノイズは、高音のシャーという音で、スクラッチノイズは、プチ・パチといレコードの傷や静電気から発生したノイズです。

また、何度も再生を繰り返された古くなったレコードの中には、チリチリという音のノイズが入っていたりします。

CDの音に馴染んでいる人たちにとって、これらのアナログレコードに入っているノイズは非常に耳障りに聴こえるでしょう。

オーディオファンにとって、アナログレコードに入っているノイズを除去してCDを制作できれば良いとだろうと考えるのは自然の成り行きだと思います。

私自身も、現在のようにパソコンで音楽を編集することが普通におこなわれるようになる以前から、パソコンで様々な方法を試しながら、アナログレコードに入っているノイズを除去したCD-Rを沢山制作してきました。

しかし、どのようにアナログレコードのノイズを除去してみても、私自身が求めているアナログレコードの音には程遠く、音・音質に満足できるCD-Rは制作することは出来ませんでした。

パソコンで録音をしているうちに、パソコンの個体差による音質の違い、CD-Rドライブによる音質の違い、録音ソフトウエアによる音質の違い、ライティングソフトの音質の違い、 CDを制作だけなら24bitレコーディングは、音を劣化させるだけで必要ないとか、と様々なことが判明してきました。

また、アナログレコードのノイズ除去などの操作をすると、本来アナログレコードの魅力である鮮度が失われることも、繰り返しているうちに徐々に分かってきた限りです。

アナログレコードをパソコンを使用して、録音しCD-Rを制作しても、1枚として音に満足できるCD-Rを制作することはできません。

パソコンでアナログレコードのCD-Rを制作すればするほど、失敗したCD-Rが大量に出来上がり、結局ゴミを大量に制作していたという結果になります。

本当に困り果てました。袋小路に入って抜け出せなくなっている状況です。

ある時、どのような目的からかは覚えていませんが、所有していたDATレコーダーを外部ADコンバータとして利用することを考えつきました。

実験としてDATレコーダーを外部ADコンバータとして、単体のCD-Rレコーダー機器に繋いでアナログレコードのCD-Rを製作することにしました。

その方法で出来上がったCD-Rを視聴すると、パソコンでは実現できなかった音・音質の良さに驚かされました。

単体CDレコーダーで制作したCD-Rは、100%完全にアナログレコードの音を再現できたとはいえませんが、アナログレコードの音の雰囲気をCD-Rで十分に再現できています。

この時、『今まで自分はパソコンで苦労して何をしてきたのだろう!』と考えさせられました。

今までパソコンでアナログレコードのスクラッチノイズやヒスノイズを上手く除去することに必至になっていたのですが、肝心なことを忘れていることに気づきました。

自身が求めているのは、アナログレコードの持っている鮮度の良い音をCD-Rで再現したいというのが目的だったのが、アナログレコードのスクラッチノイズやヒスノイズを除去することが目的になっていたことに気づかされました。

単体のCDレコーダーで制作したCD-Rにはパソコンで編集したCD-Rとは違い、アナログレコードのスクラッチノイズもヒスノイズもしっかりと入っており、CDに馴染んだオーディオファンからすれば耳障りな音かも知れません。

しかし、私自身にとってアナログレコードの音質こそが全てなので、アナログレコードの音の鮮度を失うぐらいなら、どのような編集も必要ないと思いました。

最近では古い貴重なアナログレコード盤からCDを制作したような輸入盤のCDが発売されていますが、それらのほとんどがパソコンによってノイズ除去が施されています。

ノイズのないCDを求められているのは分かりますが、ノイズ除去しないアナログレコード盤から落した、そのままの音を聴いて見たいと思うのは私だけでしょうか?

私自信は、アナログレコードの鮮度こそが重要であり、ノイズのないアナログレコードの音は魅力ですが、鮮度を失ってまでノイズを除去する必要はないと考えています。

オーディオには様々な考えがあるので、私の考えが全てとは言いませんが、私のようなアナログレコードの音についての考えもあることも参考になるのではないかと思います。

そのようなことから、私自身のアナログレコードのCD-Rを制作することについての考えを述べさせていただきました。

CDディプリケーター(おまけ)

市販のCDや自信で制作したCD-Rの複製を制作するのに、パソコンを使用しない製品があります。

CDディプリケーターという製品です。

現在では誰でもパソコンを所有している状況なので、一般にCDや制作したCD-Rをパソコンで複製することは当たり前になっています。

大量複製が必要な業者でもないのに、複製を作るのにわざわざパソコンとは別に単体のCDディプリケーターなど必要がないと考えるかも知れません。

しかし、単体のCDディプリケーターという機器は、CDやCD-Rを複製するのに大きなメリットがあります。

一気に大量のCDやCD-Rが複製できるということではありません。

単体のCDディプリケーターで複製を制作すると、パソコンで複製したものよりも音質が良いのです。

単体のCDディプリケーターにも、大変音が良いCD-Rを複製できる製品とパソコンで制作するCD-Rよりも音が良いぐらいの製品があり様々です。

CDレコーダーとCDディプリケーターが付いているダブルトレイ型のCDレコーダーで複製したCD-Rの音質は、大変良かったと記憶しています。

HDD付きの高級なCDレコーダーで複製する方法もありますが、音質はCDを再生しながら複製るタイプのCDレコーダーが優れていると思います。

CDディプリケーターの写真
CDディプリケーター

その他のDVDを一気に大量に複製するタイプのディプリケーターでも、単体のCDレコーダー型ディプリケーターよりも音質は劣りますが、パソコンで複製するよりも遥かに音質が良いのが普通です。

最後に、おまけとしてCDディプリケーターについてお話いたしました。

                          おわり

                         



digital_tag
 
Site Search
全てのオーディオ・マスターファイルへ
▲このページのトップへ

Home >digital >File No.65-10