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パソコンでは満足のできる複製を制作することが大変難しい。
パソコンの音が良いと考えている人に是非、実験して欲しいことがあります。
パソコンに市販のCDのデータを取り込んでCD-Rを制作して、全く市販のCDと同じ音のCD-Rを制作できるかどうかを実験して欲しいと思います。
24bitデータで取り込んでCD-Rを制作するのも、ディプリケータのようにパソコンを使用することでも、どのような方法でCD-Rを制作してもかまいません。
もし、完全な複製(この際、音が全く同じであればデータ上での正確さは問題ありません。)が可能であれば、本当に凄いことだと思います。
パソコンで市販のCDと全く同じ音のCD-Rが制作できるなら、他のCD-Rの制作方法は必要が薄くなるでしょう。
しかし、どのようなパソコンのソフトウエア操作をしても、市販のCDのような音に制作することが出来ないことに驚かれることでしょう。
良く出来たCD-Rでも、音の少し重心が上がっていたり、位相の異なる感じがありオリジナルCDとは少し劣る感じは否めません。
悪いものなら、あきらかに音は痩せたり、高音が五月蝿くなってりして、直ぐに音が悪くなっていることが理解出来るでしょう。
パソコンで複製して全く問題がないといえる人は、小さなスピーカーで聴いているので、詳細な音の違いが聞き取れないからかも知れません。
もし、単体のオーディオ機器と大きなスピーカーを繋いでも、全くオリジナルのCDとパソコンで複製したCD-Rの音と比べて全く同じ音がするというなら、私から何も申し上げることはありません。
このようにパソコンによってCD-R複製の制作の実験をしても、全く分からない人、パソコンで完全にCDの複製が出来ており、音質も完全であるといえる人は、ある意味幸せな人かも知れません。
なぜなら、オーディオの些細な音の違いを追求する必要はなく、評判の良いオーディオだけを求めれば十分に満足できると思われるからです。
わざわざ、オーディオで良い音の追求するという深い道う乗りに入る必要のなく、音の追求で苦労をする必要がないでしょう。 (無駄と苦労するから、達成した時に感動する。 だからオーディオは本当に楽しい。)
インターネットなどの情報で、パソコンの音に全く疑問を持たなかったオーディオファンには、是非、パソコンで同じ音の複製のCD-Rが出来るかを実験してみてください。
パソコンを使って良い音のCD-Rを制作することが、どれほど難しいということが理解できると思います。
パソコンでは苦労が多いわりに良い結果が、なかなか得られない。
パソコンで音の良いものを制作するのは、非常に苦労が多いわりに良い結果がなかなか得られない。
確かに音楽にエフェクトをかけたり、ミックスダウンなどの編集を考えると、他の方法に比べようがないぐらいパソコンは優れたツールだと思います。
また、かつてのような音楽の編集する大掛かりな機材など考えると、パソコンは遥かに簡単で、大変安価であることも間違いありません。
プロの音楽製作でもパソコンを使用することは常識で、現在ではパソコンがなくて音楽製作は考えられない時代になりました。
音楽製作にパソコンが使われるのが当たり前だからといって、パソコンで音楽を制作することが最も音質が良い制作方法であるという保証は、どこにもありません。
私は、むしろパソコンを介さない方が、簡単に音が良いものが制作出来るのではないかと考えています。
プロの人が、音楽編集の事情からパソコンを使用することは致し方ないことかも知れませんが、一般のオーディオファンには音・音質が最重要で音楽編集は二の次だと思います。
最高の音質でアナログレコードのCD-Rを製作することこそが、オーディオファンの目的になることが多いのではないかと考えています。
少なくてもオーディオファンの私には、アナログレコードの音の雰囲気そのままにCD-Rに落して楽しみたいという気持ちがありました。
そのような理由から録音ソフトウエアが高価だった初期のころからパソコンでの録音を実践してきました。
また、最初のころのもうひとつの目的として、パソコンを駆使することで古い音源の音質を良くする方法を模索していました。
しかし、様々な方法を試したのですが、ことごとく上手くいきませんでした。
ソフトウエアの起因する音の問題もありますが、パソコン自体の個体差で音質の違いがあることに気づきました。
それだけでなく、マザーボード基盤にサウンドカードを刺すバスにより、音が変わります。
パソコンでは、その他に外部に繋ぐ機器やCD-Rドライヴの音の問題など、音を悪くする要因が無数に存在します。
それらの音を悪くする要因を一つ一つ解決していくことが必要で、完全に解決するには、様々な機材を一つ一つ試していく根気と膨大な資金が必要になります。
決して高級な外部機器(制御のみパソコンを使用するような、パソコンの内部を介さないで音楽データを扱う機種は覗く)をを導入しても、パソコン内部に容認がある音の問題を解決することは出来ません。
パソコンを使用してオーディオのような良い音の追求は、苦労が多いわりには、なかなか良い結果が得ることが出来ません。
パソコンに多くのお金をつぎ込んでも、良い結果が得るのが難しいなら最初から別の方法を検討した方が良いのではないかと思います。