File No.14-2 オーディオの音は、生演奏にはかなわない? -コラム-

オーディオと生演奏の賛否(2)

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File No.14 / 02

ショー・ビジネスの発展が、芸術を再現しにくくなった。

現在のショー・ビジネスは、大手のスポンサーが付き大きなお金が動くというのが当たり前になり、人気アーティストがコンサートをして稼ぐのが当たり前のビジネスとして成立しております。

ショービジネスで収益を最大限にする為には、少しでも大きなコンサートホールなどを使いコンサートの回数を多くこなすことになります。

数十年前のショー・ビジネスでは、まだ未開の部分が多く試行錯誤の段階で、コンサート1つ開くのも分からないことが多くあり、それが逆に芸術にとって良かったのかもしれません。

コンサートライヴという音楽のビジネスモデルが定着していくと、コンサートの売上や集客数を獲得することがメインになってきます。

ビジネスなので売上げを上げることは、音楽ビジネス会社やアーティストにとって良いことですが、音楽ビジネスというものがこなれてくると、コンサートをして利益を上げるいうことが普通になり、コンサートで最高の芸術を披露することが目的ではなくなってしまいます。

初期のコンサートでは全力を尽くしていたアーティストたちも、人気がでてきてコンサートの回を重ねているうちに、いつの間にかコンサートを流してしまっているということが良くあります。

現在ではマイクの集音性能の向上やPAスピーカーの性能向上、スピーカーの多数の配置が可能になったことで音量が足りないということはなくなり、アーティストが音楽を表現するのに全力を尽くす必要もなくなったという理由も十分考えられます。

アーティストの方でもコンサートは、お祭りのような感じになってきているのように思います。

歌とダンスをメインにしているグループなどは、完全なお祭りで歌はあらかじめ録音されたものを再生し、曲と曲の台詞のみマイクでしゃべるということもあります。 いわゆる口パクというものです。 音楽という芸術を披露するというより、ダンスなどの楽しさを披露している感じがあります。

芸術性を売りにしているクラッシックのコンサートでも、生演奏では音が届かないくらいの巨大なホールで、楽器の音をマイクを通して増幅しているコンサートもあります。

昔のクラッシック演奏家は、演奏音にこだわっていた。

世界的な偉大なピアニストの話ですが、海外から自分のコンサート用グランドピアノを運んできて、ピアノの調整や上手くいかない時や、湿気などで音が良くないと判断した時にはコンサートをキャンセルすることもありました。 もちろんコンサートは、録音以外にはマイクを使用することなどはありません。

コンサートのキャンセルは観客には辛いことですが、芸術家が魂を込めて観客に最高の状態で芸術を披露したいという姿勢は大変評価に値することだと思います。

そのようなコンサートを鑑賞できた観客は、最高の芸術が堪能でき幸福だったのではないでしょうか。

現在では最高の音を披露することより収益性が重要で、観客動員数が最も重量になってきます。 その為には大きなコンサートホールで開催して、クラッシックの楽器の音をマイクで拾い 、スピーカーで増幅して聴かせています。

これでは、クラッシックの芸術が最高の状態で披露されているとはいえません。

そのような理由から、現在ではコンサートの生演奏よりも録音された音の方が芸術を堪能できるということも十分考えられます。

現在では、オーディオの方が芸術を味わえる つづく


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