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DSD(Direct Stream Digital)レコーディング
DSDレコーディングについて今回は、CDをリマスターするにあたりDSD録音からCDのスペックへ変換することのみ掲載させていただきます。
DSDレコーディングについては、ハイレゾ音源の問題についてのところで、何れ掲載したいと考えています。
CDの音源をリマスターするにあたり、CDより遥かに優れたフォーマットのDSD録音してからCDのスペックに変換(ダウンコンバート)した方が音が良いのかということについて考えてみようと思います。
DSDのスペックがいくら良くても、一度変換してしまうと音は確実に劣化します。
これは、DSD録音でも例外ではなく、他のファーマットへ変換することでの音の劣化は、24BitレコーディングでもDSDレコーディングでも劣化の差はあっても必ず発生します。 これは、間違いありません。
DSDレコーディングでも、DSD録音した音源を変換しないで出力することが、音のクオリティが最も良いということになります。
私は、S社の同じ音源CDで初期の何もしていないCDとSBMのCD、DSD録音のCDを聴き比べたことはありますが、音が一番自然に聴こえたのは初期の何もしていない普通のCDでした。
結論からいうとDSD録音したからといって、CDの音は良くならないということです。

24BitやDSDマスタリングだから音が良いわけではない
音楽CD販売メーカーから、昔のCDを新しくリマスターして高音質化されて発売されますが、24BitやDSDマスタリングだから音が良くなるわけではありません。
24BitやDSDにしたからといって簡単に音質を上げること不可能です。
音質の良いCDを製作するには、鮮度の高いマスターテープを探し出し、それを最良な形ででディジタル変換する地道な努力が必要だと思います。
現在ではCDの製造メーカーが24Bitマスタリングをすることはあたりまえになっており、逆に16Bitマスタリングする方がたいへん難しくなってきていると思います。
16Bitマスタリングの方が音質的に優れていても、一般のオーディオファンが盲目的に24BitやDSDマスタリングを求めれば、商業的に16BitマスタリングでCDを製作することはできません。
本質的な音のクオリティを求めるマスタリング・エンジニアが16Bitマスタリングの方が音質的に優れていると認めても、現実的に16BitマスタリングでCDを製作することはできないでしょう。
これらのことが理解できる少しでも良い音を求めるオーディオファンには、音の良いCDがなかなか手に入らない状況だと思います。
私は、いろいろな高音質といわれるCDやハイレゾ音源を多数聴き比べた結果、24BitやDSDでレコーディングしたから音がリアルというプロのエンジニアがいたら、そのエンジニアを信用することができません。
リマスターより必要なこと
1980年になりコンパクトディスクが本格的の普及し始めコンパクトディスク(CD)は、ディジタルをいうオーディオに革命を起こしました。
CDは、2~20kHの音がノイズをともなわずフラットに再生できる夢のオーディオとしてもてはやされました。
初期のCDは、アナログマスターをAD変換しるだけのシンプルなものでした。
初期のCDは、元のアナログマスターの品質が統一されていなく、CDによりクオリティの差が大きかったように思います。
CD製作メーカーのアナログマスター管理の差があり、製作メーカーでもかなり差があったと思います。
各CDメーカーが、CDの特性を活かした高音質のCDを発売する為に最初にした行動は、良いアナログマスターを探し出すことでした。
最も良いアナログマスターテープをSONYのADコンバーターを通してUマチックというビデオデッキに収録したのものが、CDの元にになるディジタルマスターとして使用されていました。
この時代は、アナログで収録されたマスターテープで最も元に近い良い品質のものを探し出し、それをディジタル化していくのが最も高音質のCDを作成する方法でした。
この時のCDの音は、音が素直な感じがしました。
高音質のリマスターというデジタルの高音質派生技術を駆使するよりも、元になるアナログ・マスターテープの最良なものを探しだし、それを最終のフォーマットと同じ規格で変換無しにCDを製作する方が、音の鮮度やクオリティが最も保てる方法だと思います。
また24BitやDSDにこだわることなく、本質的に音質の良いADコンバーターを選定することも重要な課題だと思います。