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高音質リマスターCDとは
CDが発売されてから、同じタイトルのCDが新しく高音質にリマスターされて何度も発売されています。
好きなアーティストのCDであれば、少しでも音が良くなることは嬉しいことで、新しくリメイクされたリマスターCDが以前のCDより高音質であれば、少々出費が必要でも買い換えたいのがオーディオファンというものでしょう。
これらの新しく発売されるさまざまな高音質リマスターCDは、以前のCDに比べて本当に音が良くなっているのでしょうか?

新しく発売されたリマスターCDというものが、以前のCDより音が良くなっているのであれば、オーディオファンには歓迎することで何の問題もありません。
もし、
『新しく発売されたリマスターCDの音質が以前と全く変わらない』
あるいは、
『新しく発売されたリマスターCDの音質がか悪くなっている』
のでは、オーディオでは大変な問題です。
新しく発売されるCDで高音質にリマスターされるというものは、いろいろな高音質の技術を使用しており、CDが発売されて以来いろいろなディジタルの高音質技術が登場してきました。
そこでいろいろな高音質リマスターCDについて考えていきたいと思います。
最初に高音質リマスターといわれる高音質CDが、オーディオファンに披露されたのはS社の提案するスーパー・ビット・マッピング(SBM)だったと記憶しております。
まずは、スーパー・ビット・マッピング(SBM)から考察していきたいと思います。
スーパー・ビット・マッピング(Super Bit Mapping)
最初にCDの音を良くする方法を考えたのは、恐らくCD開発メーカーのS社が提案したSBMといわれるスーパー・ビット・マッピングというものだったと思います。
16ビットのサンプリングビットのギザギザを滑らかにして、20ビット相当の音を再現させるというデータ補完技術の一種で高音質技術の始まりでもあります。
非常に素晴らしい発想で良いこと尽くめのようなスーパー・ビット・マッピング方式ですが、見せ掛け上の高音質にしているように思います。
私は何度も初期のS社のSBMでないCDとSBMのCDを聴き比べましたが、SBMでないCDの音の方が自然に聴こえました。
またSBMで録音できるDATで何度か実験しましたが、結果はSBMで録音しない方が音が自然に感じました。
SBMで録音されたものを聴くとSBMで録音されていないものより音が滑らかになり音の安定度が上がっているのですが、どうしても音が沈んでしまう感じがします。
この音が沈んでしまう感じが、音抜けに影響して少し鮮度が落ちたように聴こえるために全体に音が不自然に聴こえ不満になってしまいます。
これらの理由から市販のCDでも私は、なるべくSBMのないCDを好んで選んでいます。
説明の中のSBMの厳密な技術的なことは少し異なると思いますが、SBMの実際の視聴上の音・音質を考え記載しております。
最近、このスーパー・ビット・マッピング(SBM)技術をBDレコーダーの映像にも応用しているようです。
どのような録画形態でもオリジナルを忠実に再現するのが正攻法だと思いますが、SBMを映像に使用するということは、BDの元データの中にはオリジナル画像のすべてのデータが存在しないのだろうと思います。 節約したデータの部分を補完して奇麗に見せかける(誤魔化す方法)にオーディオのSBMの技術が参考になったものだと思います。
SBM技術は見た目上の画質をアップする補完技術なので、技術が進むほどオリジナルの画像から外れてしまうのではないかと思っています。

いろいろな高音質リマスターCDの方式
スーパー・ビット・マッピング(SBM)以降、CD製造メーカーによるいろいろな高音質技術(HDCD、アポジーUV22、24Bitイメージビットマッピング、K2マスタリング、XRCD、DSDレコーディング)などのさまざま高音質リマスター技術を展開していきました。
これらは、スーパー・ビット・マッピング(SBM)から派生していったものだと考えられます。
いろいろな方法でりマスターされたCDを多数聴き比べたのですが、どの方法もSBMにあるような音の癖ののうなものあり、私自信はSBMと同じく何もしないCDの方が音が自然に聴こえ良いと思いました。
24BitレコーディングとDSDレコーディングに関しては、現在で最も高音質リマスターCDに使用されている方法などでオーディオ・ファンには気になるところだと思うので次に掲載しています。