File No.42-4 ボジョレーヌーボーとマスターテープ(4) -コラム-

ボジョレーヌーボーとマスターテープについて解説しています。

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ボジョレーヌーボーとマスターテープ

ボジョレーヌーボーというただのテーブルワインに、マスコミをはじめ日本中でおおはしゃぎしている日本人を見れば、所詮日本人にはワインの味が判らないので、高級なワインの味など判るはずがないとレッテルを貼りかねません。

このようなことが音楽やオーディオでも発生しているように思います。

米国のFantasy社からすれば日本のCD製作会社の人が、ゼネレーションの若い最高の状態のマスターテープを求めても

  

『どうせ日本人にジャズなんかわかるはずがない!』

  

と考え適当なマスターテープあるいはわざと痛んでいる良くないマスターテープを送りつけた可能性がないともいえません。 これは、最高の状態のマスターテープは自社のみが持っていたいというFantacy社のプライドにも起因するでしょう。

本当に良いマスターテープを借りうけることができるのは、Fantasyの音源管理担当者の誠意にかかってきますが、その期待は薄いように思います。

もし今回のように痛んでいたマスターテープがを送られてきたら、Fantasy社の音源管理する担当者にしつこいくらいに新しく良い状態のマスターテープを送るように催促すれば、少しは状況が変わっていたかもしれません。

いくらFantacy社に交渉しても、一番良いマスターテープは自社だけにに所有していたい気持ちがあると思うのので、交渉はなかなか上手くいかないと思います。

このことを打開するには、マスターテープの管理している場所までXRCD製作用の機材を持って出向いていって、その現場で一番良いマスターテープを探し出してアナログからディジタルに変換するしかありません。

そこまで真剣にしなければ本当に良いマスターテープというものは、得ることは出来ないと思います。

今回の『Waltz For Debby』のXRCDに使用された元のマスターテープに関して考えると、少なからずj状態の良くないマスターテープが使用された可能性もがあります。

日本で日常的にボジョレーヌーボーのようなことがおこっていると、『Waltz For Debby』のXRCDの元のマスターテープの良くないマスターテープが送られてきた可能性は十分に考えられます。

オーディオに関してもボジョレーヌーボーのような製品を、ありがたがく歓迎していると、本当に良いもや心がこもったオーディオ製品を手に入れることが難しくなってきます。

はじめは良くないオーディオに不信に思えたオーディオ製品でも、段々とそれらのオーディオ製品になれてきて、それが当たり前になってくると普通になり何も感じなくなってしまいます。

最近の音楽などを視聴していると少なからず、何か物足りなさを感じてしまうのも関係があるように思います。

知らず知らずの内に人の感性が低下していくことが、非常に残念で危険なことだと感じてしまいます。

オーディオでもボジョレーヌーボーのような製品に対して、褒め称えるようなことがないことを望みたいと思います。

日本盤のレコードのマスターテープ

多数の日本盤のレコードを視聴していると、盤質のクオリティは最高に良いのに音質がドイツ盤やUSA盤に比べて冴えないものがあります。 (すべての日本盤レコードの音が良くないと言っているのではありません。 日本盤で素晴らしい音質のレコードも多く存在します。)

日本は、世界最高のレコードのプレス技術をもっているのに音が冴えないのは大変残念なことです。

冴えない音の日本盤レコードがある理由は、ジェネレーションの低い本当に良いマスターテープを入手してこなかったことだと考えられます。

日本のレコードのプレスは、最高まで突き詰めていったのですが、プレス用に使用されるマスターテープは、海外のマスターテープを管理する会社に任せてきたように思います。

このことが、日本盤のレコードとドイツ盤やUSA盤のレコードの音の差となって出てきているように感じます。

ドイツ盤のレコードが鮮度の高いものが多いのは、プレス技術にもよることもあるかも知れませんが、エンジニアが音の良いマスターテープに拘り続けたからではないかと考えています。

ドイツのエンジニアは、良くないマスターテープが送られてきたら、何度も催促した可能性があります。

常に良いマスターテープを催促していると、マスターテープを所有している会社が無視でなくなり、常に良いマスターテープを送ることが習慣になり、それが普通になっていきます。

このことがドイツ盤レコードにあるように思います。

日本のレコードのプレスする会社は、国内のレコードのプレスを最高の品質の製造技術まで突き詰めてきたと思いますが、肝心な元となるマスターテープの追求は出遅れた否めません。

日本盤のレコード製作会社は、マスターテープを管理する会社へ、音への情熱や高音質への拘りをもっともっとアピールしていくことが必要だったと思います。

これらの要因が、最高品質の『Waltz For Debby』のXRCDの音に出てきたのではないかと考えています。

XRCD(Extended Resolution Compact Disc)の音質ついてもう一つの考え つづく


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