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コンデンサー・スピーカー(ElectroStatic Loudspeaker)
静電型スピーカーといわれるコンデンサー・スピーカーは、他のスピーカーと異なり大変特殊なスピーカーの一つになります。

コンデンサー・スピーカーは、他のダイナミック型スピーカーのコーン型やドーム型とは異なり、コンデンサー・スピーカーを駆動するには、オーディオアンプのスピーカー出力とは別に直流の高電圧の付加する必要があります。
オーディオアンプとは別にコンデンサ・スピーカー専用の電源が必要になるのが、他のスピーカーと異なるところです。
コンデンサースピーカーは 振動板が全面に均一に駆動するので癖が少ない大変繊細でさわやかな音が特長です。
繊細でさわやかな音質は、他のスピーカーではなかなか再現できないのがコンデンサースピーカーの魅力です。
音質的に非常に魅力のある音を再生できるコンデンサー・スピーカーですが、振動板の動作を安定させる必要があるので、動作を大きくして駆動力を大きく上げることができません。
それ故にコンデンサー・スピーカーは、音の変換能率が他のスピーカーより悪くなり、大きな音のでの再生は苦手で真のある重低音の再生には向いていません。
コンデンサー・スピーカーを再生するには能率が低いのでオーディオアンプの駆動力が求められ、低インピーダンス駆動に耐える高級オーディオアンプが必要になります。
また、振動板を大きくしすぎると音像が大きくなるという欠点もあるようです。

小さな音で癖のない繊細でさわやかな音質を求めるオーディオファンにはコンデンサー・スピーカーは良い選択かも知れません。
コンデンサー・スピーカーは、オランダの大手の電気機器メーカーの正式モニター・スピーカーに採用されたこともあり、コンデンサー・スピーカーの繊細な音質はプロの世界でも認められています。

ダイナミック型スピーカーにない良さがあるコンデンサー・スピーカーは、オーディオ的にも大変魅力のあるスピーカーだと思います。
しかし、困ったことに長年コンデンサー・スピーカーを製作してきた伝統のあるイギリスのオーディオ・メーカーが、コンデンサー・スピーカーの生産を終了してしまっているので、大変入手のしにくいスピーカーになりました。
○メリット
癖のない繊細でさわやかな音で再生できる
ダイナミック型の再生音とは明らかに違う音が楽しめる
再生音の品質が高い
●デメリット大音量再生には向かない
重低音再生は期待できない
高電圧の直流電源が必要の為、専用の電源が必要になる
音像が大きくなる時がある
能率が低い
大変デリケートなスピーカーである
ほとんど製作されていない
