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スピーカー選びは簡単ではない
今回、いろいろなスピーカーのタイプの特徴やメリット、デメリットについて掲載してきましたが、スピーカー選びは各スピーカーの特徴だけで選べるものではありません。
例えば超ワイドレンジ再生を望んで4Wayスピーカーを選んだとしても、自身が望んでいたような音が再生されるとは限らず満足できる保障は何処にもありません。
4Wayスピーカーが良いと考えていても、2Wayスピーカーやフルレンジスピーカーの音の方に魅力を感じたりすることも多々あります。
オーディオショップやオーディオショウなどに出かけて、好みのスピーカーの音を実際に視聴して好みの音を選んぶのが良い方法だと思います。
1つのスピーカーで完全は望めない
オーディオ好きの者にとって、良い音に対しての情熱は大変大きいものです。
自己にとって素晴らしいスピーカーを手に入れたとしても、他のスピーカーの音もたいへん気になるものです。
なぜなら同じ音源のソースでもスピーカーの種類によって、いろいろな印象が異なり、いろいろと楽しみたいという欲求がでるからです。
例えば自分の理想とした4Wayスピーカーの再生音で満足していても、音楽ソースによっては位相特性の良いフルレンジ・スピーカーや繊細な音質のコンデンサー・スピーカー、ボーカルのリアルなホーン・スピーカーで視聴してみたくなったりします。
実際に同じソースをいろいろなスピーカーで視聴すると新たな発見の驚かされたりして嬉しくなります。
長くフルレンジ・スピーカーの音を好んだオーディオファンが、優秀な4Wayスピーカーの音で同じ音楽を視聴したときに今まで気にならなかった音を発見したりします。
自分が愛用している1つのスピーカーでは全く気づかなかった新たな音の発見があったりして大変楽しめます。
自己のスピーカーで聴く音が、最高だと思っていた音楽を他のスピーカーで聴くともっと良かった場合もよくあります。
同じタイプのスピーカーであれば、音の質の差が歴然として音の良い方のスピーカーしか聴かなくなったりするのですが、全く違うタイプのスピーカーであれば事情が異なってくることでしょう。
他のタイプのスピーカーで音楽を聴くことは、自己のスピーカーの欠けている部分の発見につながり大変勉強になります。
いろいろなタイプのスピーカーを視聴することはオーディオの楽しみが、一層広がることだと思います。
たくさんの種類の異なったスピーカーを購入することを勧めているのではありません。
そんなことをすれば、家の中がスピーカーだらけになってしまいまい家族に迷惑をかけてしまいます。(オーディオに何でも興味のある私にとって反省素材です。)
オーディオは、1つのスピーカーで完全は望めないということをいっております。
たまには友人のスピーカーの音を聴かせてもらったりすることは、オーディオ新しい発見があり、いっそうオーディオが楽しみが倍増することでしょう。
オーディオマニアのスピーカーへの情熱
昔、四畳半の部屋に馬鹿でかいJBLのスピーカーを入れて楽しんでいるオーディオファンを雑誌とかで見て、凄いオーディオマニアだなと思っていました。
当時は、そのような超オーディオマニアを少し軽蔑して見ていたかも知れません。
しかし、今考えて見ると現在のような何処かすました感じがするオーディオよりも、オーディオに求める情熱か感じられ好感が持てるように思うようになりました。

良い音を求めるオーディオファンは、他人がどのように思われようが自信のオーディオに情熱を求め良い音を追求する姿は、平和で誰よりも幸福に見えます。
現在のどこか冷静で冷めたようなオーディオは、人の情熱という温度が感じられなく楽しくありません。
最近の日本は、すました顔で不正をして利益を求めるのが普通になりつつなる中、かつての純粋にオーディオを求めるオーディオマニアの姿が健全に見えてしまいます。
かつては極端にオーディオを追求するオーディオマニアの人が異常なように見えたのですが、現在のように表面的に正義を主張して、裏では悪事を働く社会が正当化されるような日本の社会の常識になったことにより、かつてのオーディオマニアと言われる人たちの方が遥かに純真な心をもっていたように思えてきました。
このことは私自身が、現在の日本の社会を直視させられるまで、全く気づくことが出来ませんでした。
昔、オーディオが流行っていた時代は、現在と異なり物事を追及する心が素直で純真だったと思います。
あの時代が、懐かしく思えて少し寂しく感じられます。
現在の日本は、経済・お金を求める個別の追求以上に、未来に向けた全体の豊かさや幸福を見直さなければならないときがきているのではないかと思います。

おわり