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Y社の新しいスピーカー
総合楽器メーカーとして有名なY社ですが、20年以上前のY社は日本を代表とする優秀なスピーカーの製作メーカーでした。
Y社はスピーカー以外に、アンプやレコードプレイヤー、CDプレイヤーなど総合的に優秀なオーディオを製作していましたが、特にY社のスピーカーの製作では日本を郡を向いて優秀なスピーカーを数々を登場させています。
Y社のスピーカーが40年前に発売したNS-1000Mというスピーカーは、海外でも高い評価され、日本製のスピーカーでは珍しく、スウェーデン国営放送やフィンランド国営放送でモニタースピーカーとして選ばれた実績があります。
30年前の日本には大変優秀なスピーカーが多く存在していましたが、海外に輸出されたスピーカーはY社ぐらいだったと思います。 (日本のメーカーの安価なスピーカーや現地生産のスピーカーはなどは海外に多くありましたが、日本のハイエンド・スピーカーはあまり輸出されていませんでした。)
海外のオーディオファンの中には、日本のY社のスピーカーの優秀さを知っているユーザーも多く存在します。
しかし、Y社も他のオーディオメーカーと同じグローバル至高主義に取り付かれたのか、高品位なスピーカーを製作していたY社の20年以上前に高品位なスピーカーの製造から撤退してしまいました。
Y社は、高品位なスピーカーの製造から撤退した後もスピーカーの発売はしていましたが、以前のように、NS-1000シリーズのような高品質なスピーカーは製造はしていません。
Y社が本格的な高品位なスピーカーの製造の終了してから約20年が経過した今日、再びY社は高品位な本格的なスピーカーをのNS-5000を登場させてきました。
20年前のY社のスピーカーの実力を知っているオーディオファンにとっては、今回のY社の復活といえるスピーカーに興味が涌くないわけがありません。
Y社の新しく登場されたNS-5000というスピーカーの音が大変気になます。
新しく発売されたNS-5000が、以前のY社の高品位なスピーカー以上の性能を披露できるのであるのか、Y社の高品位なスピーカー製作が完全に復活するに至っているのかが大変興味を注ぎます。

今回、Y社の新作のスピーカーのNS-5000を実際のオーディオショウで視聴することができましたので、素直な感想を記載したいと思います。
Y社のスピーカーの感想については、あくまでも個人的な感想になりますので、オーディオファンの中には意見がかなり相違する場合がございますが、参考程度としてお考えください。
新しく発売されたY社のNS-5000というスピーカー
新しく発売されたY社のスピーカーのNS-5000は、標準的な3Wayスピーカー仕様でブックシェルフ型スピーカーで、外観の仕様は大変美しいピアノフィニッシュで仕上げになっております。

Y社はピアノのメーカーだけあり、外観の仕上げは美しく素晴らしい出来栄えです。
NS-5000には新しくZYLON(ザイロン)という繊維が採用され、100% ZYLON® 8cm口径ソフトドーム型ミッドレンジ JA-08B5型と100% ZYLON® 30cm口径コンケーブ型ウーファー JA-3132型が採用されています。

ZYLON(ザイロン)とは、世界一の強度と驚異の難燃性を持非常に優れた性能の繊維です。

ツィーターやミッドレンジの中高域の不要共振を打ち消す新開発R.S.バックチャンバーというユニークな形の金属が搭載され、効率よく背面の振動を吸収しているそうです。
ウーファーは、30cmのセンターキャップのないコンケーブ型のコーン・ウーファーを採用しています。
全てのユニットの素材(ZYLON®)に揃えることで、中高音と低音との音色に違和感のない統一された音を実現しています。

ウーファーは、750Hzという高めのローパス側クロスオーバー周波数で、ワイドレンジの再生ができるウーファーになっているようです。
スピーカー内部にJ型のアコースティックアブソーバーというものを配置して、スピーカー内部で発生する定在波をコントロールしています。

このアコースティックアブソーバーをスピーカーに入れることで、今までスピーカー内部で発生する定在波を抑えるために必要な吸音材が必要なくなったそうです。
スピーカー内部に全く吸音材を入れないのは、大変珍しいように思います。
NS-1000シリーズは、密閉型スピーカーが伝統でしたが、NS-5000は背面にバスレフポートを設けたバスレフ・スピーカー仕様になっています。

背面のバスレフポートは丸ではなく波打っているようなデザインで、音質をコントロールする役目に貢献しているものだと思われます。