File No.63-7 サウンドフェスタ2017 レポート(7)  -その他-

サウンドフェスタ2017 小型(PA/SR)プロ仕様スピーカー視聴会(4)のレポート。

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小型(PA/SR)プロ仕様スピーカー視聴会(4)

■ Pioneer PROFESSIONAL AUDIO

サウンドフェスタ2017のPioneer PROFESSIONAL AUDIOのスピーカーの写真
サウンドフェスタ2017 -Pioneer PROFESSIONAL AUDIO-

youtubeで全ての国で音声がブロックされたので公開できませんでした。

■ BOSE(1)

ホームオーディオで人気のある小型スピーカーを、数々発売している BOSE社のプロ仕様SR/PAスピーカーの視聴会です。

■ BOSE(2)

プロ仕様の小型スピーカーとは何か?

プロ仕様の小型スピーカー視聴会で、あらためて様々なスピーカーを視聴することで、プロ仕様のスピーカーの狙いは何であるかを理解することが出来ました。

大勢に音を届ける必要のあるプロの世界では、まず音を遠くに飛ばすことで多くの人(会場の人たち)に音を届けることをクリアーしなければなりません。

アナウンスでの使用も、重要なファクターなのでスピーチの明瞭度も必要です。

もうひとつ重要な要素は、プロのアーティストが演奏した音を説得力のある音で多くの観客に届けることです。

これは、人体に響くような低音を、観客に届けることで音に説得力が増します。

今回のプロ仕様の小型スピーカーでは、低音ドライブを別に設けることで、全て人体に響く低音は全てクリアーしていました。

今回の視聴会で小型のプロ仕様スピーカーは、以前より明らかに性能が良くなっているように感じられました。

PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーを一般家庭でも使用して楽しむことは可能ですが、プロ仕様のスピーカーはホーム・スピーカーとは設計思想が全く異なるので、実際に部屋に入れて視聴すると音の荒さが目立つだろうと思われます。

視聴会の動画の音声あるいはハンディ・レコーダーの音声から感じられると思いますが、プロ仕様のスピーカーは、スピーチの帯域の明瞭度が大変重要であるため中音域が充実している音で、さらに体感的な低音を持っています。

つまりプロ仕様のスピーカーというのは、自然な音を求め周波数帯域を限りなくフラットに再生する目的のハイエンド・コンシューマー・スピーカーとは設計思想が異なるということです。

確かにPA/SRなどのプロ仕様のスピーカーを家庭で使用すると、大音量での視聴に限られますがコンシューマー・スピーカーにないようなレコードやCDの再生音に迫力を感じることが出来るだろうと思われます。

しかし、高音の繊細な領域や、歌手の微妙な息遣いなど繊細さを求められる部分が、プロ仕様のスピーカーの中音域の明瞭を重視した設計の上に伝わりにくくなります。

これは、PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーの音が良くないと言うのではありません。

PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーには、再生周波数帯域を限りなくフラットにして自然な音を求めるのが目的でなく、大多数の観客に良い音で説得力のある音を伝えるのが目的で設計されています。

プロ仕様のスピーカーには繊細な音を再現するよりも、観客に説得力のある音を届けることが最大の目的なので、ホーム・オーディオのような限りなく再生周波数特性を平坦にする必要はありません。

むしろPA/SRなどのプロ仕様のスピーカーで再生周波数特性を平坦にすると、不意に高音に異常なエネルギーが集中した時にスピーカーユニットを壊してしまう可能性があります。

したがって、PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーの再生周波数特性を平坦になっているものは皆無です。

PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーは、家庭用のハイエンド・スピーカーのように再生周波数特性を平坦にする必要がないからです。

プロ仕様のスピーカーで再生周波数特性を平坦にする必要があるのは、スタジオモニター・スピーカーという別のプロ仕様のスピーカーが存在します。

ご家庭でのプロ仕様のスピーカーを使用する場合は、スタジオモニター・スピーカーをオススメします。(本物のスタジオモニター・スピーカーは、大変高価なスピーカーになります。最近では普通のニアフィールドをスタジオモニター・スピーカーといって販売しているメーカーも多くあるので注意が必要です。)

PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーを実際に家庭で視聴すると、高音の繊細な音が足りなく、音が荒っぽく感じられるのではないかと思います。

最初は、PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーの迫力と明瞭度に圧倒されて感動するかも知れませんが、長く使用するとその音自体のバランスが崩れていることが気になり落ち着かなくなっていくでしょう。

特殊な音を求める以外は、PA/SRなどのプロ仕様のスピーカーは、ホームオーディオ・ファンにはあまりオススメできません。

今回の視聴会で思ったことは、小型のプロ仕様のスピーカーでありながら、歪みも少なく大変大きな音を出力できるのは、30年前なら考えられなかったものです。

昔ならホーンを使用して遠く音を飛ばすことが普通でしたが、最近ではアレイ型スピーカー(数個のスピーカーを縦に並べる方法)も登場するようになりました。

今回、小型プロ仕様スピーカーで気づいたことは、かつてならプロ仕様のスピーカーの大きな音で音楽を聴くと耳がキンキンするのが普通でしたが、最近のプロ仕様のスピーカーは、大きな音でありながら耳がキンキンしない感じがしました。

上手に耳に付く周波数の部分にエネルギーが、集中しないように工夫されているものだと思います。

プロ仕様の小型スピーカーは、家庭用スピーカーよりも、プロの人たちが使用する立場からの要求から大きく進化・発展することができたものだと思います。

コマーシャルサウンド向け小型スピーカー展示・視聴 つづく


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