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1社製造の問題
かつてCD-Rが各社で開発が盛んな時は、本当に性能の良いものしか生き残れなかったので、どこどこのメーカーのCD-Rが性能が良いなどと、オーディオファンからいろいろ評価される状況でした。
多数のメディアメーカーから、このメーカー音が良いから選ぶなど、自分の好きなものを選ぶ自由がありました。
しかし現在は、好きなメーカーから選ぶのではなくて
『性能の良いメディア』 = 『日本製』
だから選ぶというようになってしまっています。
日本製が良いということはたいへん良いことですが、1社の製造したメディアしか選ぶことしかできないということは、その1社だけの品質に左右されてしまいます。
現在、ネットの日本製メディアの評価を見ても分かるように、必ずしも日本製メディアが高評価されていません。
高評価の日本製メディアの中にも、かなり製造ロッドによって差が大きくあるように感じます。
これは、日本製のCD-RやDVD-Rを1社しか製造していなく、数々の海外勢の低品質の実情から『日本製 = 高性能』が定着してしまっているので、メディアは日本製と記載していれば売れるという状況になっています。
これでは日本製のメディアを供給するメーカーは、より良い品質のものを開発する努力をあまりしなくなります。
現に日本の各社がCD-Rを製造しなくなってから10年以経過していますが、10年前製品より性能の良いCD-Rが登場したことは一度もありません。
ハードコートなどの保護層は良くなったと反論がありそうですが、それは保護層だけのことであって、記録層の長期安定性が数段良くなったということ聞かれません。
現在の各メディアメーカーは、長期安定性などの基本的に重要な部分について、お茶を濁して販売しているように思えます。
信頼できるそうなメーカー1社しかなく、そのメーカーのものしか選べない場合は、発展が大幅に遅れるということを実証しているようです。1社だけ製造の問題は、消費者に利益になる高品質の製品が入手しなくくなるということです。
長期保存ができる品質の良いメディアがほしい
もし、あなたが大切な結婚式の映像や大切な音楽会な録音などを長期残しておきたいと思えば、どのメディアを選ぶでしょうか?Z
仮に互換性を考えDVD-Rを選んだとしたら、恐らく日本製のメディアを購入すると思います。 少し高級なハードコートのDVD-Rを選ぶかもしれません。
しかし、高級なハードコートのDVD-Rでも低価格のものと記録層の同じ可能性はあります。
高級なハードコートのDVD-Rのパッケージを見ても盤面の傷が付きにくいなどの品質の向上には触れていますが、記録層の耐久性の向上には一切触れていません。
ということは高級なハードコートのDVD-Rでも記録層の性能は、良くても良い製造ロッドを使用しているぐらいだろうと容易に予想できます。
普段使用するには分には1枚30円ぐらいで安い方が良いと思いますが、大切なものを保存したいときには1枚300円以上支払って良いと思います。
プレミア価格を支払っても『大切な思いで』などの長期保存したいときは、信頼性のあるメディアで記録したいと思います。
200年以上の長期保持ができるなら、1枚1000円支払っても良いかも知れません。
しかし現在選択できるDVD-Rは、のはせいぜい盤面にハードコートされているDVD-Rぐらいで、実質的にどれくらい記録が保持できるかわかりません。
『信頼性のある長期保存ができる品質の良いメディアがほしい』
と思いました。
広告に200年以上の長期保持が可能と書いていても信用できない。
私は、かつて海外のメーカーのプロフェッショナル用のCD-R(フタロシアニン系)を盤面の色合い好きで音も良かったので愛用していました。 (製造はリコー、その他)
そのプロフェッショナル用のCD-Rは、広告には200年以上の長期保持が可能と書いていましが、実際は記録してから半年もたたない内にCDプレーヤーで再生するとノイズが出るようになり、その後は再生不能になりました。
このCDーRは200年どころか半年も記録保持ができないことがわかり、誇大広告あるいは詐欺商品と思いましたが記録したものは永久に戻らないので後の祭りです。
その後は、そのCD-Rを購入したことは有りませんが、音の良いメディアだっただけに、惜しまれます。
このとき、広告の解説だけでは信頼できないと思うようになりました。
余談
ずいぶん前のお話ですが、良いBD-Rを探していたときです。
日本のメーカーバルクで販売しているBD-Rに、すごい多くのクレームが付いていたので見ることにしました。
そのクレームには、記録して1年したら半分ぐらいが再生不能になり、1年半ぐらいしたら全滅状態になると書いてありました。
『不良品を販売するな!』
『信頼していたのに裏切られた。!』
『記録にかけた時間返せ!』
『不良品なんか交換してもらってもな・・・』
『金返せ!』
『大切なデータは、そのデータが大切なのであって新しく新品のBD-Rに交換してもらっても意味ないよ!』
というきついクレームを多く記載されていました。
BD-Rで記録するのに短い記録保持なんてあるのでしょうか?
私がこのことで一番驚かれたことは、BD-Rを販売しているメーカーが海外の怪しいメーカーでなく『日本のメーカー』だったことです。
そのメーカーは一部上場の超一流会社で、かつて数々の優秀なカセットテープをリリースしてきた超有名ブランドです。
恐らくこのメーカーの販売したBD-Rを選んだ人の理由は、他と比べ安価だったこともあるとは思いますが、以前の製品の実績から信頼して購入されたものだと思います。
販売されたBD-Rは、自社開発製品ではなく海外メーカーのOEM製品でした。 海外メーカーのOEM製品だからといって、粗悪品のBD-Rを販売したこのメーカーは、かつて良質な製品を販売していたプライドはなくなってしまったのでしょうか?
私は、自社開発をしなくなったメーカーは、良質な製品を販売するプライドまで失ってしまうと考えています。
他社(海外の怪しい会社)が開発したものは、クオリティをコントロールなどできないので初めからプライドなんて存在しないのかもしれません。
自社開発をする実力があるメーカーでも自社で開発しないようになると、何れ信用を失い会社は駄目になると思います。
また自社品質に対しての他社と変わらないなどの言い訳はうまくなるかもしれません。これらのことは現在の日本の大手の家電メーカーの惨状からして、良く理解できると思います。