File No.43-5 SACD・ハイレゾ音源は、本当なのだろうか?(6) -ディジタル-

SACDの謎とハイレゾをPCM録音で製作では、SACDよりDVDオーディオの方が有利なことについて解説しています。

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File No.43 / 06

SACDの謎

SACDにおける謎は、DSDのデータの状態でを最終工程まで維持することが大変難しいということです。

DSD、SACDの規格は、かつての日本の大手のオーディオメーカーのS社が規格したフォーマットで、編集やマスタリングを含むすべての製作工程をDSDで維持しいて最終のSACDに仕上げることのできる企業がほとんど存在しないということです。

確かに大手の音楽メーカーであれば、DSDのフォーマット変換しないでSACDまで製作は可能ですが、普通の音楽製作企業はすべての工程をDSDのフォーマットを維持することは難しい状況だと思います。

なぜ、普通の音楽製作企業が、すべての工程をDSDのフォーマットを維持することは難しいのかといいますと、DSDで録音する機材は多く存在してるのに対して、DSD音源データの状態で編集やミックスダウンするオーディオ機器やオーディオソフトウェアがほとんどないからです。

DSDで録音することは、機材が多く存在するのでそれほど難しいことではないのですが、録音したDSD音源データを裸のままで編集やミックスダウンすることは大変難しいということです。

普通の音楽製作会社は、DSD録音データを一度24bitのPCM音源データにフォーマット変換してから編集・ミックスダウンしていると思います。

ほとんどのプロ使用のオーディオ機器は、24bitのPCM音源データが扱える仕様になっているので、エンジニアからすれば24bitのPCM音源データに変換していると大変都合が良いと考えられます。

一度、24bitのPCM音源データに変換しているとダイナミックレンジに余裕ができるのであらゆる編集が可能になるからです。

DSD方式が音質的に優れた方式だあったとしても、プロのエンジニアにとって扱いにくいものだといえます。

実際のプロのエンジニアにとっては、DSDは録音ぐらい利用するだけであって、音源データを維持することなどは考えていないと思います。

音源データを維持を考えられるプロのエンジニアは、DSD録音のデータを維持できる大手のDSD開発メーカーのスタジオくらいだと思われます。

DSD音源データがどんなに音質に優位であっても、扱いにくいデータであれば、普通のプロのエンジニアは敬遠してしまいます。

また、最終の形態がDSDの状態であれば、途中の経過はどのようなものでもかまいません。

もしかするとプロのエンジニア自体がDSDの音質の良さなど信じていないのかも知れません。

ただそこにあるのは

 

『DSDは音が良い』

 

というイメージが先行しているので、製品の売りとしてDSDというものが存在があるだけかもしれません。

SACDの開発メーカーも発表当初はDSD方式に大変情熱がありSACDを推進するために優れたオーディオ機器を製作していたのですが、グローバル化が忙しいのか、いつのまにか情熱がなくなってしまったように思います。

ハイレゾをPCM録音で製作では、SACDよりDVDオーディオの方が有利

PCMで24ビットレコーディングするなら、最終工程まで24bitPCMを維持できるDVDオーディオの方がDSDレコーディングよりも音質が有利だと思います。

以前にオーディオショウで、CD、SACD、DVD-AUDIOを聴き比べを実施しているのを聴いたとき、SACDよりもDVD-AUDIOの音質の方が素直な感じがしました。

視聴した後に、一緒にいた友人に音のことをいうと全く同じ感想でした。

24ビットPCM録音でのでの最終メディアのSACDやDVD-AUDIOの製作は、DVDオーディオの方がフォーマット変換が必要がないDVD-AUDIOの方が音質的に有利だと考えられます。

また24bitPCM方式は、ほとんどの工程を仕上げるオーディオ機器が24bitオーディオに対応しているので24ビットを維持できる最も安価な方法であるともいえます。

しかし現在のオーディオではDVD-AUDIOは、なくなりつつある存在であり、今後のオーディオでの普及は期待できない存在です。

SACDの不思議

SACDが登場したときは、スーパーオーディオCDではA/D変換の際に、ΔΣ変調1bit2.8224MHzのデータをそのままスーパーオーディオCD盤上に記録している高速1bit信号データを再生時にも間引きせずそのままD/A変換することができるので、PCM音源にはない間引きのない音源を再生できるということで、PCM音源より情報量の多い原音に近い音が再生できるということが優れているといわれていました。

SACDが登場してきた当初は、高速1bit信号データを再生時にも間引きせずそのままD/A変換できるオーディオ機器も存在していましたが、現在では全くと言ってよいほどDSDデータを直接再生できるオーディオ機器は存在しません。

高級オーディオメーカーのSACDプレーヤーのほとんどが、SACDを再生するのに一度PCMデータに変換してからSACDを再生するようになっています。

ただ一部の超高級SACDプレーヤー製作しているメーカーは、SACDを高音質で再生することに大変工夫していると思いますが、これはSACDの量子化ノイズをより少なくする方法なので、当初のDSDの音楽データをシンプルに再生できるというSACDの優れた部分から少し乖離してきているように思われます。 (この超高級SACDプレーヤーのSACDの再生方法を否定しているのではありません。 SACDの開発メーカー自体が、高級SACDプレーヤーというものを発表してSACDの音質の良さを示さないなか、SACDを少しでも良い音で再生する方法として、優れた技術的な工夫されている優れたオーディオ・メーカーだと思います。)

SACDには音質的に問題が存在したのかも知れない。 つづく


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