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小型のJBLの音を聴く
その後、他の友人と大阪の電器屋街の日本橋にオーディオを見に行くことになりました。
現在とは随分異なり当時の日本橋は、関西の大手の電気屋さんから小さい電気屋までびっしりとビルの中に入った電器屋街で、オーディオ専門ショップも含め多くの家電製品がにぎやかで展示されておりました。 関西方面の人は電気製品を安く買うのは日本橋へ行くのが常識になっており、電器屋街にはお客さんも多くたいへん活気があったものです。
最近の日本橋は電器製品が大幅に縮小されて、パソコンや携帯電話、アニメーションの街にすっかり変貌してしまいました。 オーディオ好きの私にとって時代だから仕方がないと言われればそれまでですが、複雑な気分です。
日本橋の電器屋街で、ちょうど当時人気のあった日本の59800円のスピーカーがずらっと並んで展示されており、スピーカーから音楽が流されていました。
その時、たまたまJBLのスピーカーから音楽が流れていたの聴きました。
JBLのスピーカーのタイプは、白いウーハーで上にツイーターとミットレンジが並んでついている業務用の10万円クラスのスピーカーだったと思います。
私にとってこのJBLのスピーカーの見た目は、決して美しいと思えるものではありませんでした。 当時は日本のスピーカーがダントツに物量を投入しており、木目のエンクロージャーでラウンドバッフル(ボックスの過度を丸めて音の反射を抑える)になっており仕上げが美しく感じていたので当時はそう思っていました。 (今は、このJBLのデザインに魅力を感じます。)

この小さなJBLのスピーカーから流れてくる音楽の音を聴いて、音の良さに驚かされました。
『音楽がスカット前面に抜けてきて、低音が大変歯切れの良い音です。』
このスピーカーでロックなどの音楽を聴くと、
『音楽が前面に飛び出てくる音は、とても気持ちの良い音がでてきます』
JBLのスピーカーの音は、日本のスピーカーに比べ、細部のスペックが良いとはいえないですが、
『前面に飛び出てくるスカットした音は、魅力がありました。』
これが、
『JBLサウンドか!』
と感動させられました。
このJBLのスピーカーの音は、BOSEのスピーカーの音と音の出方の感じは良く似ていますが、音がよりダイナミックなった感じです。
BOSEよりJBLのスピーカーの方が大きく、スピーカー本体がしっかり出来ているので、それが音にも出てきているものだと思います。
JBLサウンドもBOSEサウンドも、
『これがアメリカン・サウンドか!』
とも思いました。
音作りは、まだまだ海外のスピーカーに学ぶ必要がある
当時の日本のスピーカーは大変真面目な作りで丁寧に製作されていましたが、
『音作りは、まだまだ海外のスピーカーに学ぶ必要がある』
と思いました。
このJBLスピーカーでは、たいへん安価な部類で小さい方のスピーカーになりますが、JBLのスピーカーの音に本当に感動させられました。
この小さなJBLの音を聴いてから、私はJBLのスピーカーに興味をもつようになり、すべてのJBLではないですがJBLのサウンドが好きになりました。
私の『JBLの思いで』は以外かも知れませんが、JBLでオーディオファンに最も人気のあるスタジオ・モニターシリーズではなく、JBLの小型の業務用スピーカーでした。
1980年ぐらいにオーディオファンには、私のお話がなんとなく理解できるのではないかと思います。
オーディオ・ファンに人気のあるスタジオモニター・シリーズについては、何れ記事に掲載したいと思います。
おわり