File No.47-8 サウンドフェスタ 2016 レポート(8)  -その他-

プロオーディオショウのサウンドフェスタで感じたことについて掲載しています。

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プロオーディオショウのサウンドフェスタで感じたこと

毎年サウンドフェスタへいくと多くのミキサーや業務用のさまざまなオーディオ機器が機材が展示されています。

プロオーディオショウのサウンドフェスタにいって思ったことですが、いろいろなディジタルミキサーなどの装置が多数の企業から毎年競うように発表されています。

CDなどの音楽メディアの売り上げが下がっているなか、プロ仕様のオーディオ機器がこんなにもたくさん存在することに感心させられます。

何百トラックの音源を簡単にミキシングしてミックスダウンすることができるようになりました。 20年前のアナログコンソールの時代には考えられない発展たど思います。

しかし、多くのディジタルコンソールを素人の私から見ても、何が優れているのか分かりようがありませんし、どのコンソールが良いのか1台づつ調べていくことも大変なことです。

自身のスタジオにコンソールなどを機能や性能を調べて選定し導入することは、たいへんなことだと思います。

新しく導入したコンソールが、数年で業界の標準から外れて使用できなくなることを考慮すると選定してから導入することが、より難しくするのではないでしょうか。

プロの人たちは、これだけ多数あるコンソールをどのように選定して導入しているのが知ってみたいものです。

多数あるプロ仕様のコンソールを見て考えさせられたこと

非常に多く種類のプロ仕様のコンソールが展示されているのを見て、深く考えさせられることがありました。

最新のコンソールを使用して1000以上の音源をクオリティ落とさずに完全にミックスできたとしても、どのような芸術作品ができるというのだろうか?疑問に感じてしまいます。

マルチトラックのミックスダウンできる数を増やしたり、コンプレッサーなどのあらゆることをDSP処理が非常に簡単できたとしても、素晴らしい作品が出来る保障はありません。

コンソールで、いろいろな処理が出来れば出来るほど、さまざまな操作が覚えることが重要になっていき、作品にかける手間よりも操作にかける手間の方が大きくなってきているように思います。

芸術を作品を仕上げる上でコンソールの操作がより複雑になりすぎて、本来の意図する芸術というものから離れてきているように思えてきてなりません。

もし私が資金のあるプロオーディオの企業であれば、新しいコンセプトとしてクオリティの高いアナログレコーディングシステムと完全なアナログミキシング・コンソールを開発することを望むことでしょう。

なぜならクオリティの高いアナログコンソールであれば他社と圧倒的な差別化することができるからです。

自身の芸術作品の向上を考えているプロの音楽家も他のアーティストとは作品に音の違いを出したいと考えているのではないかと思います。

ディジタルオーディオが全盛期の中に、あえて高級アナログコンソールで勝負することが、企業の独自性と信頼を売り込めるのではないかと考えています。

プロ仕様のオーディオを開発する企業は、もう一度、アナログというものを見直して欲しいと思います。

プロオーディオの動向

ディジタルオーディオが登場してから当初のプロのオーディオの動向は、ミキシングコンソールなど全てをソフトウエアに集約してコンピューターひとつで完結できるように進んでいきました。

しかし、コンピュータでソフトウエアを使用してオーディオ編集を全てを完結させる方法は、場所もコンパクトで良いのですが、ソフトウエア自体のバグやコンピュータとの相性などの問題があります。

恐らくコンピュータを使用すれば、どのような編集操作も可能ですが、コンピュータの画面の映し出されるミキサーをマウスで操作する面倒さや多くの処理をすることでのフリーズなどの状態になり全てのデータを飛ばしてしまう恐怖も発生します。

このようなことからデータを失ってしまうようなミスが絶対に許されないプロの世界では、専用のコンソールやDSP処理するオーディオ機器を別途にして安定度を向上させていく方向に向かっていきました。

プロオーディオの動向は、コンソール操作やDSP処理は専用のコンソール機材でコントロールしてデータを作成し、専用のデータバンクに保存するか、コンピュータに保存できるようになっており、以前のようにコンピュータのフリーズによるトラブルを起こさないように改良されています。

最近のプロオーディオは、単品のプロ専用の機器を使用するのが普通になってきているように感じました。

ディジタル伝送する標準規格

現在プロオーディオの現状は、ディジタル信号を送る規格で競いあっているように感じます。

ディジタルオーディオになってから、多くの信号を同時に送ることができるようになりました。

そのディジタル伝送する標準規格の競い合いが、去年に開催されたサウンドフェスタにもみられ、今年も引き続いているように思いました。

この分野は、オーディオ技術というよりもディジタル通信技術が主体となっており、通信系の技術をもった企業が主導権を握っているようです。

何れプロオーディオの業界のディジタル伝送する標準規格が決まると思いますが、業界標準にならなかった規格のオーディオ機器は、無価値なっていくのだろうかと考えてしまいます。

プロオーディオの難しさ

プロオーディオにディジタルオーディオが登場してから、さまざまなソフトウエアやサウンドカード、ディジタルオーディオ機器やコンソール機器が登場してきました。

それらのプロ仕様の機器の性能の向上は、目を見張るほどのものがあります。

しかし、素晴らしい性能のプロ仕様のオーディオ機器でも、パソコンのオーぺレーションシステムが新しくなったり、新しいデータ転送方式が登場すれば使用することが出来なくなってしまうことがあります。

ソフトウエアとしての性能が新しい時代に通用しなくなったのではなく、ただ単にオーぺレーションシステムが対応しなくなったことで、今まで使用していたソフトウエアやサウンドカードが全く使用できなくなってしまいます。

また、機能や性能に全く問題のないコンソール機器でもプロ使用の伝送規格などの変更などにより、使いことが出来なくなってしまうことがあります。

そのようなことがあるので、大変高価なプロ仕様のオーディオ機器を導入しても、数年もすればプロの世界では全く通用しないものになってしまっている可能性があるので、高価なプロ仕様の機材を勢い良く導入していくことが難しくなっていると思います。

このあたりが、プロ仕様のディジタルオーディオ機器の問題で選択を難しくしているのではないかと思います。

おわりに

サウンドフェスタは、プロオーディオがメインになっているのでコンシューマーのオーディオ本来のクオリティの高い音質で再生するなどの要素が少ないように思います。

しかし、プロのオーディオの動向などからコンシューマー・オーディオの傾向が理解できるチャンスでもあると思います。

また、プロオーディオからコンシューマーオーディオのアイデアも見つかる可能性もあり、いつも期待してサウンドフェスタを楽しんでいます。

業者・一般、誰でもサウンドフェスタに入場が可能なのでオーディオファンの方は、一度サウンドフェスタに足を運んでみることをオススメします。 サウンドフェスタの中で新たなオーディオの可能性を見つけることが出来るものだと思います。

サウンドフェスタ2016の展示ブースのの様子の写真(17)
サウンドフェスタ2016の展示ブースのの様子

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