File No.49-5  新しく発売されたレコードプレーヤーについて考える。(5) -アナログ-

DJ仕様のターンテーブルとしてSL-1200GAEを考える。

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File No.49 / 05

DJ仕様のターンテーブルとしてのSL-1200GAEを考える

SL-1200GAEは、高級オーディオ仕様のレコードプレイヤーとしては上々の出来で、素晴らしいパフォーマンスをもつ製品だと思いますが、DJ仕様のターンテーブルにしてのSL-1200GAEは、プラッターが少し重いように思います。

オーディオ仕様としてプラッターが重いということは、回転をスムーズにさせる意味で良いことが多いのですが、DJ仕様のターンテーブルとしては、プラッターが重ければ回転の慣性が強く働くので手動で止めたり逆回転をさせるときに負担が大きくなります。

プラッターが重ければ定回転したときに安定するのですが、静止させるときに慣性がかかるので、プラッターが重ければ重いほど静止させるまでに時間がかかってしまうということです。

DJの方がレコードを静止させてから逆回転させるときSL-1200GAEは、以前のSL-1200シリーズに比べて大きな負担がかかってしまうのではないかと思います。

また、DJの方がSL-1200GAEを以前のSL-1200シリーズと同じように使用すると僅かながら静止のポイントがずれてしまう可能性もあります。

何れにしてもレコードプレーヤーを過酷に使用するDJの方からしてSL-1200GAEは、DJ仕様のターンテーブルにしては高級すぎるように思います。

DJの方が、一台33万円もするSL-1200GAEをDJ仕様のターンテーブルとして使用する場合、よほどのDJの方以外は壊さないように気をつかってしまうのは間違いありません。

ターンテーブルを壊れるのを気をつかいながらDJなどすると、大胆な音楽表現が出来なくなることでしょう。 これでは、DJにとって致命傷になりかねません。

DJ御用達のターンテーブルSL-1200の写真(3)
DJ御用達のターンテーブルは、リーズナブルの方が良い

レコードプレイヤーSL-1200GAEは、DJ仕様のターンテーブルとして機能は有しているものの、オーディオ専用のレコードプレーヤーと考えた方が良いでしょう。

DJの方は、よほどSL-1200GAEに拘りがない限り、DJ仕様としてリーズナブルで使用しやすいSL-1200シリーズが登場するのを待っていた方が得策ではないかと思います。

発売されたばかりのSL-1200GAEに既にプレミア価格が付いている

高級レコードプレーヤーのSL-1200GAEが世界1200台(国内300台)が、発売されてからほぼ予約で直ぐに完売したそうです。

あまりにも早期に完売したのでSL-1200GAEをオーディオショップで自分の目で確認してから購入したいというオーディオファンは、購入することが出来ない状況です。

一般のオーディオファンが高級レコードプレーヤーのSL-1200GAEを購入したくても、完売しているので購入できないという状況から、一部の通販ショップなかで新品で約55万円という高額なプレミアムが付けられて販売されています。

私自身からすると、

  

『良くこんなものにプレミア価格が付くものだな!』

  

という思いでいっぱいです。

SL-1200GAEが、オーディオ製品のレコードプレーヤーとして性能が良くなく価値がないといっているのではありません。

どちらかというと現在の国内のオーディオ状況の中でTブランドが、本格的なダイレクトドライブ方式のレコードプレーヤーが登場させたことは、オーディオファンにとって大歓迎の素晴らしいオーディオ製品だと思います。

しかし、高級レコードプレーヤーのSL-1200GAEは、新しく産声をあげたばかりのオーディオ製品であるということを考えて欲しいと思います。

SL-1200GAEは高級レコードプレーヤーとしての性能は、現時点において未知数であるということ考慮しておく必要があります。

SL-1200GAEがP社のTブランドの長年培ったオーディオの技術を引き継いだ上でオーディオ技術の結晶として製作された高級レコードプレーヤーではなく、復活したTブランドが新しく設計・製作したものです。

かつてのオーディオのTブランドは、P社には必要なくなったために一度全てのアナログオーディオの技術的なノウハウを消失しているという事実があります。

SL-1200GAEは、かつてのP社のOBの協力をえて製作されたといわれますが、それが意味することはP社の中の技術者だけでいは、新しくレコードプレーヤーを製作することは不可能だったということです。

また、P社がTブランドを復活するにあたり、わざわざ既にP社を退職しいる人を呼ぶ込んでしか復活できなかったことを考えると、P社の中の技術者が単独でTブランドを復活させることは出来なかったということになります。

P社ぐらいの大きな企業であれば多くの優秀な技術者を抱えているので、オーディオのTブランドを復活させることなど、自社の技術者だけで復活できるのが普通です。

P社の技術者が単独でTブランドの復活することが不可能だったことを考えると、かつてのP社のTブランドの優秀なオーディオ技術者は他に散らばっていきP社の中には存在しなかったといえます。

もし、かつてのTブランドの優秀なオーディオ技術者がP社に多く残っていて、それで単独でTブランドを復活できなかったとすると、Tブランドのオーディオ技術者にはプライドというものがないということになります。

Tブランドのオーディオ技術者にオーディオ技術者としてのプライドがなければ、優秀なオーディオ製品など製作できるものではありません。

プライドがないなどということは、あまり現実的に考えられませんので、かつてのTブランドの優秀なオーディオ技術者は、P社にはいなかったと結論が自然ではないかと思います。

これらのことはTブランドのオーディオ技術者に対していっているのではなく、P社の企業体制について、オーディオファンからの不満を述べた限りです。

P社は、創業者を失ってから、かつての従業員や消費者を大切にして社会全体の利益を与える企業ではなくなり、企業の利益を最大にする為ににはどのよう手段もいとわない外国の企業体制のように大きく変貌してしまいました。

かつてのTブランドの優秀なオーディオ技術者たちは、どちらかというと創業者のいないP社の企業方針によって犠牲になった被害者だと考えております。

お話をSL-1200GAEについているプレミアにお戻しいたしますが、発売されたばかりのSL-1200GAEに破格のプレミアム価格で売買されているようですが、私個人的な考えでは少し大袈裟すぎるように思います。

そもそもSL-1200GAEは、レコードプレーヤーとしては定価33万円もする超高級オーディオ製品で一般のオーディオファンには手の届かない産物で、元々、高価なSL-1200GAEにプレミア価格など考えられないという想いです。

SL-1200GAEは、レコードプレーヤーとして産声をあげたばかりの音質や性能的には未知数なので、優秀なレコードプレーヤーとして確定したものでもありません。 SL-1200GAEを長く使用していくうちに、いろいろなことが分かってくるものだと思います。

一度も実際に視聴したことのない高級レコードプレーヤーSL-1200GAEをプレミア付きで購入することが、どれだけ無謀が理解できるのではないでしょうか。

くじ引きで当たりを引くようなもので、当たれば納得できますが、もしSL-1200GAEが自分のオーディオの考えに会わなければ全く無駄とは思いませんが、大きなお金を損失したことになってしまいます。

SL-1200GAEが既に完売ているということから、ほとんど人が視聴する機会がないので、さまざまな都市伝説的ような

『SL-1200GAEで再生したアナログレコードは、これまでどのレコードプレーヤーよりも音が良かった。』

などというな噂が多くあります。

しかし、そのような噂は、実際にご自身の耳で確認しない限り信憑性はたいへん乏しいものといえます。

私自身もかつて伝説のオーディオ評論家のN氏が絶賛したレコードプレーヤーを、実際に視聴したとき、オーディオ評論家のN氏の絶賛するほどよく感じませんでした。

もちろんオーディオ評論家のN氏良い部分を理解出来ないことはなかったのですが、決して他を製品を押しのけて優れているという感じではありませんでした。

そのような理由もあり、自分自身が知らない状態でSL-1200GAEをプレミアム付き価格で購入することをオススメいたしません。

SL-1200GAEをプレミアム付き価格で購入することをオススメしない、もうひとつの理由としては、P社の企業体制です。

P社は、将来の見通しとして高級オーディオの生産を終了して、一度Tブランドを解体しました。 日本大手家電機器メーカーが、いっせいに高級オーディオを生産を終了してから、その後に海外の企業群が高級オーディオを上手に販売して大きな利益を得ることに成功しました。

P社が将来を見通して大きな利益を期待した携帯電話事業やプラズマディスプレイ事業などは、ことごとく失敗に終わり大きな損失を生み出しました。

その横で将来利益の期待できないと考えたローテクのオーディオが、大きな利益を獲得しているのを見て、P社はTブランドの復活を試みたものだと考えられます。

創業者の失ってからP社の経営陣は利益しか頭に存在しないので、高級オーディオが利益が上がると分かれば、次々とオーディオ製品リリースしてくるものだと思います。

今後、アナログ高級オーディオが利益になるとなれば、P社に限らず高級オーディオを生産を止めた日本の大手の家電メーカーも続々と参入してくるのは時間の問題だと思われます。

これからは、高級レコードプレーヤーが各社か次々とリリースされるのが予想されるので、今プレミア価格で購入する必要など必要はないと考えています。

また、レコードプレーヤーが売れるとなると、音質や性能の優れたリーズナブルな価格帯の製品が登場するのは、そんな先のことではないでしょう。

一般のオーディオファンは、性能の良いリーズナブルなレコードプレーヤーの登場を待ってから購入しても決して遅くはないように思います。

わざわざプレミア付きのレコードプレーヤーを購入することは、どうしても企業の手のひらで踊らされている感じがして好きにはなれません。

私は、もっと性能が良く納得のできる価格のレコードプレーヤーが登場するまで待とうと決めています。

復活したTブランドに望むもの  つづく

                       


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