File No.60-4  音・音質の判断の難しさ(4) -コラム-

オーディオで良い音についての考え方について解説しています。

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File No.60 / 04

オーディオで良い音についての考え方

オーディオには様々なタイプのオーディオ機器があります。

フルレンジ・スピーカーと4Wayスピーカーとでは音が全く違い、半導体アンプと真空管アンプなども音・音質が全く違うキャラクタであるのが普通です。

オーディオファンが推薦する良い音のオーディオというものを調べていくと、能率の高いフルレンジ・スピーカーが最高という人もいれば、大型の4Wayスピーカーやホーン・スピーカーの音、またはコンデンサー型スピーカーが最高であると言う人がおり様々です。

全く異なるスピーカーの良い音を考える説明の写真
全く異なるスピーカーの良い音を考える

オーディオで良いとを考えるときに、これが絶対良い音・音質であるという考えは捨てて、様々な人が好む音を考え理解することが良いと思います。

例えば真空管アンプの音を好む人がいたとして、その人のオーディオの音が

  

『中高音が濃厚で暖かい音』

  

であったとすると、この人は『中高音が濃厚で暖かい音』が好きなんだと考えることです。

その真空管アンプの音の魅力を理解することが良いと思います。

自身の好みでない音の魅力を観察する説明の写真
自身の好みでない音の魅力を観察する

他のオーディオファンの好む音を無理やり自分自身を合わせるのでなく、人が好む音を理解することで自分のオーディオの音に対する感性がより広がります。

他の人が好む音の良いものは自分の中に受け入れて、良くないと思う部分は遠ざけることが重要だと思います。

私のオーディオの良い音・音質についての考え

多くのオーディオ機器がある中で、この機器が絶対に『音が良い』など言うつもりも毛頭考えていません。

そのようなことは、各自のオーディオファンの感性によってなんとでも変わるからです。

しかし、オーディオについて掲載してきたので、私自身の良い音についての考えも述べていきたいと考えています。

別に私の音のついての感性が絶対であるといっているのではなく、読者が私自身の好む音を知ることで掲載された記事が理解しやすくなるのではないかと思うからです。

私がオーディオに興味を持ったのは、新しくオーディオにCDが登場した1980年半ばの時代です。

その時代は、国内のオーディオが最も盛んな時期でもありました。

ソフトがアナログレコードからディジタルオーディオのCDになったことにより、再生周波数レンジがフラットに再生することが容易になった時代です。

特に低音の再生の改善は素晴らしく、アナログレコードでは実現は難しかったフラットな低音の再生を意図も簡単にCDでは実現が可能になりました。

オーディオにCDが登場したことにより、オーディオでの再生周波数帯域をこれまで以上に拡大することが余儀なくされ、CDの規格や開発の指導権をもっていた日本のオーディオ・メーカーは、CDの音質を最大限に発揮するために、新しい素材を利用してスピーカーを製作しすることで再生レンジを広げたり、オーディオアンプの電源部を更なる強化をして低音の再生強化へと進んでいきました。

そのような日本のオーディオ・メーカーの努力も甲斐があって、当時の日本のオーディオは世界最高の性能とコストパフォーマンスを誇っていたと思います。

今、当時を考えると、そのときの日本は大変豊かでオーディオに恵まれていたことを大変懐かしく思います。

多くの優れた日本製のオーディオが存在しただけでなく、日本のオーディオは大変真面目に良い音への追求している真剣さが感じられました。

当時の海外のオーディオ・メーカーの姿勢は伝統を守る感じがあり、日本のオーディオ・メーカーはCDの再生を考慮した最先端のオーディオを目指した感じで、音については海外メーカーの伝統の優れたサウンドには、まだ日本のメーカーに足りない部分もあったよう思います。

しかし、日本のオーディオ・メーカーのオーディオ製作への真面目な姿勢は、何れ海外のオーディオ・メーカーの音に追いつき超えていく予想ができるぐらい魅力的でした。

私自身のオーディオでの良い音の考えは、当時の日本のオーディオの良い音へ追求への真面目な姿勢に大きく影響受けていると思います。

当時の日本のオーディオは、CDの中に入っている情報を全て再生することを目標とされており、以前のオーディオのクオリティの徹底的な見直しが余儀なくされ、新しいハイクオリティの時代に突入になっています。

イコライザー回路による音の劣化を考慮してCDダイレクトスイッチが考えられたのも、この時代です。 (日本代表する高級オーディオアンプ・メーカーのA社に至っては、当時、CDが発売される以前から各入力による音の劣化を防ぐために考えられたロジックリレーが、既に採用されていたことに感動しましたね。)

高密度・高解像度再生を目指したオーディオの写真
高密度・高解像度再生を目指したオーディオ

当時、最先端を進んでいた日本のオーディオは、CDに入っている情報を全て再生するために、音のキャラクターや趣味性をなるべく廃して低音から高音までの周波数レンジの拡大して再生周波数レンジを限りなくフラットに再生、高密度、高解像度を目指し真面目に取り組んでいたようです。 (現実には上記のような性能を求めると、それ自体が音のキャラクターになって出てくるのですが、思想的に不要な音のキャラクターを排除しようと懸命になることは良いことだと思います。)

ディジタル音源であるCDは、アナログレコードでは難しかった歪みのないフラットな低音を簡単に実現しました。

これは、ディジタル音源であるCD音源の最も優れた性能であり特徴といえます。

CDの特徴から日本の各オーディオ・メーカーは、これまでの量感のある雰囲気で補っていた低音からクリアーで分解能のある明快な低音を求めるようになっていきました。

私自身、日本のオーディオが世界一、音・音質に真面目に追求していた時代にオーディオに触れ、育ったこともあり、そのときの日本のオーディオの思想が自分自身にこびりついているように思います。

そのような時代的な背景があり、私自身のオーディオに求める音は、広い周波数レンジを限りなくフラットで、高密度、高解像度の音での再生することに加えてクリアーで明快な低音を自然に求める傾向があります。

しかし、私自身が求める良い音とは全く違う良い音の考えであっても、良い部分があれば素直に認め、自身の考えを補いながらオーディオを楽しむようにしています。

良い音について考える つづく


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