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S社の先人が築いた100万円のスピーカー
私がこのスピーカーを見たときS社の先人の技術者が築いたスピーカー技術は、何処にいってしまったのかと思ってしまいました。
S社が以前開発したこのスピーカーを見て判断していただきたいと思います。 スピーカーで最も技術が必要なのは、4ウェイ方式のスピーカーです。

4ウェイ方式のスピーカーは、スピーカーユニットを4つ分けて高音から低音までの音を再現します。
上手く4ウェイ方式のスピーカーを製作すると、1音1音が高品質でウルトラワイドレンジで高解像度の音を実現します。
しかし、その反面スピーカーユニットが4つに分かれている故に、音が各ユニットごとにバラバラになってしまったりします。
その為4ウェイ方式のスピーカーが開発できるメーカーは少なく、スピーカーに高度なノウハウと技術力が必要になります。
4ウェイ方式のスピーカーで自然な音に仕上げるのはたいへん難しく、4ウェイ方式のスピーカー開発は、そのメーカーのスピーカー技術者の最高の技術の挑戦だといえます。 ある意味4ウェイ方式のスピーカーを開発できることは、技術者にとって最高の栄誉かも知れません。
S社の最近開発した有機ELスピーカーと過去に開発したこの4ウェイ方式のスピーカーを比べると、その開発にかけた技術者のプライドの差大きく感じてしまいます。
私は、どう見積もっても後者の4ウェイ方式のスピーカーに情熱とエネルギーを感じてしまいます。
S社に、以前のような底力を見せて欲しい
今の若い人にはS社は、ゲーム機器やエンターテイメントで有名なブランドに見えるかも知れませんが、S社が世界的なブランドになったのは、S社の技術力に裏付けられた電気機器を自社生産で販売し、それが世界に認められたからです。
S社の新しく発売される製品には必ず技術的な挑戦があり、それが他の家電メーカーには少なかったので、S社の製品にはファンが出来るほど魅力的がありました。
S社のファンは、S社の製品に性能や便利さなどの機能的なものだけを求めず新しいわくわくするような技術力を求めていました。
製品にS社の技術力を提供できなくなると、S社は製品は他に多くある家電製品の1つになってしまいます。
S社は先人に学び、もう一度
『以前のような底力を見せて欲しい』
と思います。
それが実現できれば、必ずS社は完全復活するでしょう。
おわり