File No.44-5 20年前の日本製おもちゃのスピーカーの実力を検証する! -スピーカー-

20年前のグローバル志向主義がオーディオの品質・音質を悪くしたことについて解説しています。

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File No.44 / 05

グローバル志向主義がオーディオの品質・音質を悪くした。

1990年前半までの日本のオーディオは、工業製品として品質・音質などを含め世界一でした。

しかし、1990年ぐらいからオーディオの生産を、海外の人件費の安い地域にシフトしてから、今までオーディオで養ってきた技術的なノウハウを全て放棄してしまいました。

いわゆるグローバルスタンダードというものです。

日本の大手の家電メーカーは、これまでのように各メーカーで品質を競い合うような生産体制をとるのでなく、海外で安価に製作した製品を、これまで国内生産で築いてきた価格に刷り合わせることで、利益を最大になる方法をとるようになりました。

そのために今まで日本の家電メーカーが培ってきたような日本製品は高品質という信頼性を大きく低下させていきました。

日本企業がグロバール化することで、長い間に築き上げた日本製品の信頼性を失ってしまいました。

日本のオーディオもグロバール化は、国内で長い間の研究開発・生産によって築きあげた成果を一斉に放棄したので、品質を大きく低下させてしまいました。

1980年に世界をリードしていた日本のオーディオの技術やノウハウをやめてしまい、振り出しに戻した感じです。

それが原因となり、日本のオーディオの音質を大きく低下させてしまいました。

グローバル志向主義がオーディオの品質・音質を大場に悪くしたことは、間違いありません。

20年前のミニコンポ用スピーカー Victor DC-5500の前面と背面の写真
20年前のミニコンポ用スピーカーの前面と背面

平成生まれの人は、本当のオーディオの楽しさを知らない

平成生まれの人は、本当のオーディオの楽しさを知らないというと反感があるかも知れませんが、これは平成生まれの人の感性を批判しているのではありません。

1980年代の日本は、企業・個人ともにオーディオの音を真面目に真剣に考えいたので、優れたオーディオ製品というものが多く存在していました。

スピーカーでいえば、スピーカーユニットやコーンの素材、エンクロージャーに使用される木材など真面目に良い音質を目指して研究した結果にオーディオ製品が登場しました。

そのようなことがあり1980年代は、物量を投入した大変贅沢なつくりのオーディオ製品が多かったように思います。

しかし、1989年にバブルが崩壊してから、企業は海外に生産拠点を求めるようになっていきます。

1990年以降のオーディオは、品質の追求よりも低コストの生産を求めており、そのことで今までより品質が下がっても仕方がないと考えたのだ思います。

1990年以降は徐々に、日本のオーディオの品質や音質を大きく低下させていきました。 これはオーディオ製品に限らず全ての家電製品にもいえることです。

このようんに日本国内でオーディオを生産されなくなることで製品の品質が低下して、低下した品質の製品が長い間続いていくと、その低下した品質が普通に馴染んできてしまいます。

そのために平成に生まれた人たちは、今、日本で売られてるオーディオの品質しか知らず、それが普通だと思っているので、0年前の日本のオーディオがどれだけ高品質であったかわからないと思います。

現在では、1980年代のオーディオ製品の状況ではありなかった低品質の製品でも平気でお店に並んでいます。

また、20年前では大手のオーディオメーカーが販売することなど考えられなかったようなオカルトオーディオ製品が、平気で販売されるようになりました。

たとえば、20年以上前にオーディオのお店に見に行きスピーカーを見ているとスピーカーのユニットカットモデルを見せられて、どれだけ優秀であるかとわかるよう説明をうけることが出来ましたが、現在では20万円以上のするパイプ椅子と同じような素材で製作されたスピーカースタンドが、どれだけオーディオの音を良くするかかなどの説明を受けなけばならなくなりました。

このような現状のなか、平成生まれの若いオーディオファンの方が本当にオーディオを楽しめるよう状況にはなっていないように思います。

ここ20年の日本のオーディオ製品や家電製品の状況が大きく変わってしまいました。

このことは本当に残念で、平成生まれのオーディオファンの方が本当のオーディオを楽しさを知らないのが可哀想に感じてしまいます。

おもちゃのスピーカーで考えさせられたこと。

今回、調査した小型スピーカーは、1980年代のオーディオのレベルとしては最も低レベルのおもちゃのレベルのスピーカーぐらいといえます。

この小型スピーカーは単品のオーディオ製品でなく、ミニコンポという製品に付属のスピーカーです。

1980年の単品オーディオが贅沢な物量を投入して争っているなか、このスピーカーに使用されているコンポは、中身のスカスカの軽量の張りぼてのオーディオ製品といえます。

もちろん今回視聴したミニコンポのスピーカーも例外でなく、軽量で中身がスカスカで安物を強調したようなスピーカーであることは間違いありません。

しかし、この20年も以前に製作された中身のスカスカのおもちゃレベルのスピーカーから再生される音は、現在の小型スピーカーの音を遥かに圧倒する音で再生されました。

  

『ここ20年間日本のオーディオは、何をしてきたのだろうか?』

と本当に考えさせられてしまいます。

おもちゃのスピーカーを、現在に換算するとどれぐらいの価値があるだろうか?  つづく


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