File No.50-2  音・音質について考える。(2) -コラム-

『美しい音』と『リアルな音』について解説しています。

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File No.50 / 02

『美しい音』とは

音として『美しい音』は、良い音に聴こえることは間違いありません。

ハイエンドオーディオの音の追求は、美しく滑らかな音・音質の追求だと思います。

美しい声や美しいバイオリンの音色、美しいピアノの音色などの美しい音で再生されることは、高級なオーディオの条件のようなものでしょう。

美しい音というものの中には、『滑らかなな音』、『やわらかい音』などが含まれます。

『滑らかなな音』や『柔らかい音』は、美しい音を形成する上で重要な役割があり、『滑らかなな音』や『柔らかい音』は、視聴上音を美しく感じさせる要因でもあります。

近年、美しい音の追及はオーディオ機器のようなハードウェアに留まらず、ソフトウエアであるハイレゾ音源や新しくリマスターされて登場したCDまでも追及されるよになっていきました。

最近発売されるCDのほとんどは、CDが発売された初期の時代に発売されたCDよりも、音が柔らかく美しくなっているように感じられます。

ハイレゾ音源やリマスター音源のCDは、高スペック的な要因以上に美しく滑らかな音質を重視して製作されたものだと推測します。

『リアルな音』とは

実際のところ『美しい音』と『リアルな音』の違いを表現することは、たいへん難しいものです。

なぜならば、『リアルな音』で『美しい音』も存在し、『美しい音』のものでも『リアルな音』が存在するからです。

『美しい音』と『リアルな音』は、オーディオの音として分かりやすく捉えるために便宜上、2種類の音に分別して考えていくことにしています。

音には、高級オーディオにあるような『美しい音』以外に、自然界にあるような『美しい音』とは関係ない、ただ普通に聞こえてくる音があります。

自然にある音でも『美しい音』はありますが、普通の日常生活の中の音では美しい音だけでなく人が嫌うような炸裂音なども存在します。

リアルな音というのは、美しい音と関係なく、自然界から聞こえてくる全ての音を普通に感じることをいいます。

オーディオで『リアルな音』とは、ただ自然に聞こえてくる音と間違うような音のことをいいます。

『リアルな音』とはどのようなものか

例えば蒸気機関車の汽笛の音や車輪が動き出す音を近くで聞くと、汽笛のピーという音は耳を耳をつんざくような音で聴こえ、車輪が動き出す音は、金属の擦れ合う非常に重量感のある音が聴こえます。

汽笛の音は、耳をつんざくような音なのですが、大変透き通った音で自然界に溶けていくよう感じで、一種の美しさすら感じさせてしまいます。

車輪が動き出す音は、蒸気の音といい大迫力で聞くことができますが、音が乾いているようにのも聴こえます。

これらの蒸気機関車の音を録音された映画のシーンで聴くと、汽笛の音や動き出す音は大迫力で聴こえるのですが、どこか音にプレゼンスがかかったような感じで、少し湿ったような音に感じます。

湿ったような感じの音・音質というのは、柔らかく滑らかでで美しく響き、耳をつんざくようなことが全くない音です。

実際のフィールドでは、音が乾いたように聴こえるのですが、ハイレゾ音源などをオーディオで再生するとい美しくしっとりと潤いのある湿ったような音に聴こえます。

『リアルな音』とは、オーディオ的に美しい音に聞こえるというのではなく、実際のフィールドの音と同じように感じれる音のことをいいます。

オーディオでは音を変換する必要があるので完全な自然音の再現は不可能ですが、自然音と間違えるような音の再現は可能だと思います。

自然音と間違えるような音を『リアルな音』ということにします。

オーディオではリアルな音は存在しないのか? つづく


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