File No.50-3  音・音質について考える。(3) -コラム-

音・音質について考えることについて解説しています。

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File No.50 / 03

オーディオではリアルな音は存在しないのか?

オーディオで『リアルな音』の追求は、大変難しいといわれています。

現時点ではオーディオ機器は『リアルな音』の再生は、不完全な部分もありますが、オーディオのハードウエアであるオーディオ機器の部分は、リアルな音・音質の追求をしていることは間違いありません。

『リアルな音』の追求の問題は、CDなどのソフトウエアの部分にもあります。

芸術を記録するレコードの初期の録音では演奏をマイク1本で自然の演奏音を収録する感じでしたが、録音というものが進化していくと多数のマイクで演奏をマルチトラックで収録してミックスダウンして積極的に作品を製作していくようになりました。

芸術家は、記録された音楽作品を積極的に製作するようになり、仮想的な良い音で作品を録音するように心がけるようになりました。

それらのことから最近のアーティストは、演奏されたものをそのままリアルに録音するよりも、仮想的な空間に再現される芸術を積極的に作品にするというようになっています。

そのような理由から音楽に『リアルな音』など存在しないといわれています。

音楽の作品の中には『リアルな音』の追求は、実質的には存在しないのかも知れませんが、仮想的であっても、実際にその場で演奏しているようなリアルな音を再現しようと努力して作品の製作にあたっていることは間違いないと思います。

音楽作品に臨場感のあるリアル感のある音を求めて製作していることを考えると、仮想的な空間にある音楽の中でも、一応『リアルな音』は存在するということになります。

ちらの音を求めるか

オーディオの音・音質考えるとき『美しい音』を求めるか、『リアルな音』を求めるかがたいへん重要になってきます。

もちろん美しい音でありながら、リアル感のある音も考えられますが、オーディオの音を分かりやすく捉えるために『美しい音』と『リアルな音』の2種類の音に絞って考えています。

人の感性は、『美しい音』に惹かれる傾向があるように思います。

ピアノやバイオリン、歌手の声など美しく甘い音に大変魅力があり、心から癒されることでしょう。

オーディオの再生で、ピアノやバイオリンなどを現実の以上に美しく魅力的な音で視聴して楽しむ方法も否定できるものではありません。

特に最近のボーカルがメインの作品にはオーディオ的に美しい音になる効果を積極的に利用して、歌手自身の声を実際の声以上に美しく太く響かせるように見せかけて作品を製作しているような傾向があります。

また、高級なオーディオ製品になってくると『美しい音』を求めている傾向が、ますます大きくなってているように思われます。

美しい音の傾向が強い高級なオーディオ機器であれば録音の良くないソースでも、それなりに綺麗な音にまとめ上げて再生してくれるので、どのような音楽ソースも安心して聴くことが出来ます。

一方『リアルな音』は、そのままの音を感じさせる音で『美しい音』は美しい音で再生され、録音の悪いものはノイジーに聴こえたり悪い音の部分が目立つので大変気になります。

しかし、リアルな音のするオーディオ機器で録音の良いソースを再生すると、臨場感のある生々しい素晴らし音で視聴することができます。

『リアルな音』を再生するオーディオは、良いものは良く、悪いものは悪く再生する特徴があり、最高の録音のものを再生すると最高に再現される特徴があります。

『リアルな音』を再生するオーディオで最高の録音のものを再生した時の音は、『美しい音』を再生するオーディオより臨場感や緊張感を大きく上回ります。

恐らく、この臨場感や緊張感を体験すると、美しい音のオーディオを好むオーディオファンでも、『リアルな音』の魅力を理解できると思います。

オーディオに『美しい音』の『リアルな音』のどちらの音を求めるかは、オーディオを楽しむ上で音の好みの問題で自由だと思います。

美しい音と果実の甘み つづく


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