File No.53 / 08
MDR-CD900STの少し気になるところ(不安)
MDR-CD900STが登場した当初は、マグネットにサマリウムコバルトが使用されていましたが、時代にそってネオジウムに変更させています。
マグネットの変更は、割合早期ののモデルから変更されているのでMDR-CD900STの品質に問題はないと思います。
最近発売されているMDR-CD900STの品質に、少し気になる不安のレビューを見かけることがありました。
インターネットで現在発売されているMDR-CD900STのレビューを見ていると、MDR-CD900STを購入した当初から音がぶれたり、片方の音が出ないとい症状があることが書かれていました。
このようなMDR-CD900STに対する不安になるレビューが書かれているのを、1つだけならたいした問題は感じなかったのですが、別の販売されているサイトでも何個か見かけので、 少し不安になりました。
20年前の日本の製品のMDR-CD900STでは、このような初歩的な不良が発生することなど考えられないことです。
かつての日本企業で不良が発生すると直ぐに原因を調べて対策するのが普通で、初歩的な不良を放置することなどありませんでした。
昔の日本であれば製品を製作している下請けの企業は、不良が発生すれば製品全数を回収して不良を調べ対策をしなければならなかったので、下請け企業の社長は不良が発生することを非常に警戒していたので、製品の品質には厳しくチェックして製品を出荷していたものです。
そのような製品の品質厳チェックの積み重ね努力が、日本の工業製品の品質を世界一に押し上げ信頼を得ていました。
現在の時点ではMDR-CD900STは、『made in Japan』ですが、少しずつ海外生産に切り替えていかれないとも限りません。
もしかすると既に各パーツ類は、既に海外生産に移行している可能性もあります。
そのような状況でMDR-CD900STを初期に発売した製品のように高品質を保つことができるのだろうか?という不安があります。
現在販売されているMDR-CD900STに初歩的な不良が発生している状況を考えれば、現在のMDR-CD900STに何らかの問題が発生していると考えられます。
今後のMDR-CD900STの品質を維持をすることができるのかが大変不安の要素で気になるところです。

MDR-CD900STは、今後も残るだとうか?
かつてのS社であったら、MDR-CD900STの将来を心配する必要はなかったと思います。
しかし現在のS社は、本格的なオーディオを知っているオーディオファンたちが求めてないものを販売しているように思われます。
昔のS社のオーディオの実力を知らないオーディオファンは、現在のS社のオーディオ製品で十分満足しているかも知れませんが、オーディオに常に夢をあたえてきたかつてのS社を知っているオーディオファンには現在のS社のオーディオ製品は、満足できるようなものではありません。
日本の企業は、いつの間にか海外の企業と同じように誠実性がなくなり、ついに音の良いメモリーカードなど際どいことを平気で販売するようになってしまいました。
現在の日本の企業は、サービスセンターをほとんど配置しなくなったり、コールセンターを第三者企業に丸投げしたり、修理の見積りにお金がかかったり、修理に高額な技術料をとったり、不良製品を隠したりと誠実性がなくなったということは数えればきりがありません。
日本企業の工場の大部分を海外移転によるグローバル化により、株主優先、お金を最優先する企業体質が、企業の良心や電気機器メーカーとしてのプライドというものをいつの間にか捨て去ってしまったように思われます。
現在のS社には、かつてのS社ようにDATや高級SACDプレーヤーを製作する実力はないように思われます。
国内の生産設備を処分したことや、オーディオ製造専門の子会社を売却していることを考えれば、間違いなく、かつてのような生産する実力はないでしょう。
S社は、すでに家電機器メーカーのパイオニアではなくなってしまっています。
MDR-CD900STというプロユースのヘッドホンが、現在まで残ったのはプロユースの要望があったから、奇跡的の残ったものだと思います。
今後、S社のMDR-CD900STが存在していくとは限りません。
『made in Japan』のMDR-CD900STを、誰も望まないのに海外生産に切り替えるという姑息な手段にでるかも知れません。
S社ディジタル一眼レフカメラなどは、同機種で日本製と海外製が存在したので油断することは出来ません。
現在のMDR-CD900STは、『made in Japan』かも知れませんが、少しずつ海外生産に摩り替えていくかもしれません。
もしかすると、既に『made in Japan』ではなくなってしまっているかもしれません。
『made in Japan』としてのMDR-CD900STは、今後も残るかどうか心配しています。
後継機が発売されても現在のS社では、海外生産になることは間違いないことでしょう。
海外生産になれば、MDR-CD900STのような品質を維持することは出来ないと思います。
また、MDR-CD900STを製作したときのオーディオ精神や製品本来の目的もなくなってしまうことでしょう。
S社には、MDR-CD900STを製作したような魂をもったオーディオ製品の設計・生産を『made in Japan』で是非挑戦して欲しいと心から望んでいます。
おわり
