File No.059-4 スピーカーの種類と選び方(4) -スピーカー-

3Wayスピーカー(3ウェイスピーカー)について解説しています。

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File No.59 / 04

3Wayスピーカー(3ウェイスピーカー)

3Wayスピーカーは、高音域をツィーター、中音域をスコーカー(ミッドレンジ)、低音域ウーハーに音を3つに分けて再生するスピーカーのことをいいます。

以前は、中音域の再生するスピーカーユニットをスコーカーといわれていたのですが、最近ではミッドレンジといわれるのが普通になっているようです。

再生音を3つのユニットに分割することでより再生レンジの拡大が望めワイドレンジ再生が可能になります。

3Wayスピーカー(3ウェイスピーカー)の写真
3Wayスピーカー(3ウェイスピーカー)

3Wayスピーカーでは、SACDのハイレゾ音源の再生周波数をほぼカバーでき、ワイドレンジ音源の魅力をより味わうことできます。

低音、中音、高音を専用のスピーカーユニットで再生できるのが特徴で、各帯域の質の高い再生音が楽しめます。

特に低音の再生は、3Wayスピーカーならではの質の高い重低音が再生することが期待できます。

ハイレゾ音源の特長を生かしたワイドレンジ再生は、3Wayスピーカーの実力を発揮します。

この点に誤解が生じる可能性があります。

SACDなどのハイレゾ音源が、フルレンジスピーカーや2Wayスピーカーでは楽しめないということをいっているのではありません。

オーディオの音質は再生レンジの広さだけで決まるというような単調に結論がでるものではなく、一応、SACDやハイレゾ音源のスペックに沿って再生レンジを拡大したスピーカーが3Wayスピーカー以上のスピーカーということになります。

3Wayスピーカーは、スピーカーユニットによって各再生帯域レンジを割る当てることで一つのユニットの再生レンジを狭く取れる為、理論的には各再生音の質が上がり高密度で高解像度の再生が可能になります。

質の高い高密度の音の3Wayスピーカーを実現するにはスピーカーを製作するオーディオメーカーが独自で開発していく努力が必要になり、開発が大変難しいスピーカーの一つといえます。

3つのスピーカーユニットを適当なキャビネットに入れただけでは優れた3Wayスピーカーは、なかなか製作することはできません。

3Wayスピーカーは、各スピーカーユニットのローパスフィルター、バンドパスフィルター、ハイカットフィルターを使用したネットワークが複雑になるのでフルレンジスピーカーや2Wayスピーカーよりも基本的に位相特性が悪くなります。

コンデンサーやコイルなどの部品点数が増えるので、素材選びや特性調整に高度なスピーカーの製作ノウハウが必要になり、大変高級な仕様のスピーカーだといえます。

自作スピーカーではユニットメーカーから販売されている各スピーカーユニットで組まなければならないので、音色の癖を統一した3Wayスピーカーを製作するには、大変な努力が必要になります。

3Wayスピーカーは、ワイドレンジ再生が可能なのですが、異なった素材で製作されている別々のスピーカーユニットの音色を合わせていく必要があり、大変な技術を必要になるのでオーディオメーカーの技術力が勝負になります。

3Wayスピーカーによる音色のを合わせるには、スピーカーユニットに使用される素材などを検討していく必要があり、実際にキャビネットに取り付けて音色を調べたりして調整していく必要があるので製作コストが大幅に上がります。

優れた3Wayスピーカーを製作するには、やはりオーディオメーカーが自社で研究開発することがベストな方法だと思います。

自社で研究開発する必要なのは、全てのスピーカー製作メーカーにいえることですが、特に3Way以上のスピーカーは、スピーカーの調整が大変シビアになってくるので自社開発が基本になります。

現在は、ほとんどのオーディオメーカーがスピーカーを自社生産していないので良質な3Wayスピーカーが入手しにくくなりました。

発売されているスピーカー全体からすると3Wayスピーカーは、少なく感じられます。

最近、アメリカの有名スピーカー・メーカーのJ社から発売されている30年前と同じよなデザインで低価格で3Wayスピーカーは、昔のJ社と全く別物で音が良くないといわれてます。

国内のオーディオ・メーカーから発売されている3Wayスピーカーも、以前に同ブランドから発売されていた3Wayスピーカーとは性能が全く違う感じがします。

手頃な3Wayスピーカーで良い製品を手に入れるのが、大変難しくなってきているようで、 これでは一般のオーディオファンに3Wayスピーカーの魅力が、なかなか理解できないだろうと思われ大変残念に思います。

以前では3Wayスピーカーは、日本のオーディオメーカーが得意としていましたが、いつの間にか生産しないようになりました。

3Wayスピーカーは、1980年代の日本のオーディオでは現在では考えられないぐらいのコストパフォーマンスの高い製品が安価で発売されていました。

かつては1本59800円(ゴーキュッパ)というスピーカーが、日本の各オーディオメーカーが競いあって製造していたので、日本では現在では考えられないぐらいの高性能な優れた3Wayスピーカーが多数存在していました。

手頃で高性能・高品質の3Wayスピーカーの写真
手頃で高性能・高品質の3Wayスピーカー

最近の日本の家電メーカーは、不況が続いています。

不況の原因は、外国製品の流入によるもの、円高不況だといわれてますが本当にそれらが原因なのか疑問があります。

日本製の1本59800円(ゴーキュッパ)というスピーカーが存在した時代は、日本の経済は活発だったからです。

そのような日本独自の高性能で魅力的な製品を製作していない現在の日本のメーカーに、本当の不況の原因ではないかと思っています。

当時の日本製の1本59800円(ゴーキュッパ)という優れたスピーカーは、現在の日本のメーカーを含め海外のどのメーカーも現在に至っても実現することは出来ていません。

世界が認めるような良い品質の製品こそが『made in Japan』であり、それを求めない限り不況など永遠に脱出することは不可能なように思います。

できることは全て国内で生産することで品質というものが保つことができ、消費者に信頼をえるのではないかと思います。

ものづくりという原点に戻り魅力的な製品を製作する努力ことが、不況から脱出する最短の近道ではないかと考えています。

もう一度、日本のメーカーは、日本製の1本59800円(ゴーキュッパ)という優れたスピーカーの時代を1から見直す時がきているのではないかと思います。

○メリット

ワイドレンジ再生が得意

高解像度、高密度再生が期待できる

重低音が充実するのでスケール感がでる

再生周波数特性が広くハイレゾ音源の再生帯域を、ほぼカバーできる

●デメリット

高価になる

バランスが良く質の高いものは、至って高価である

位相特性が良いものは構造上期待ができない

あまり良いものが発売されていない

4Wayスピーカー(4ウェイスピーカー)  つづく


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