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ハーツフィールドの秘密
ハーツフィールドというスピーカーは、前面の上部に中高音のホーンを搭載して音響レンズを使用して音を拡散しています。
低音域は、45cmの大型ウーハーから出る音を左右に折り返して回してホーンの長さを獲得したフロントローディングホーン構造になっています。
コーンウーハーは壁があるので全く見えないようになっておるのが特徴で、現在良く存在しているコーンウーハーが見えてるフロントローディングホーンとは構造が異なっています。
ウーハーからでた音はホーンだけを利用するのではなく、スピーカーのエンクロージャ ー全体を響かせて聴かせるように出来ています。
また、部屋のコーナー部分に設置するように設計されているので、壁や床など部屋全体を利用して音を聴かせるようにしています。
ハーツフィールドの中高音は、ホーンで直接放射した後に音響レンズで拡散していますが、 それだけでなく後ろに漏れた音を反転させて左右に分け前面から放射するようになっています。
ハーツフィールドは、1つのユニットからでる音を左右に分けて音を出すところに特徴があります。 低音域は、前面のホーンの左右の出口があり2つに分けられております。 中高音域は、直接ホーンからでる音とホーンの後ろから出る音を反転させて左右の2つ出口から音が抜けるようになっています。 この中高音の左右の出口は、恐らく中高音の音に厚みをつける為の補完的な要素があるのだと思います。
ハーツフィールドの秘密は、
『1つの音を左右に分けて放射させている』
というところにあると思います。
ハーツフィールドは、普通のコーン型の2Wayスピーカーで再生するより、遥かに音が左右に広がり、モノラルの音をリアルに立体的に再生さされるように設計されています。
これが、ハーツフィールドの魅力であり秘密だと思います。
ハーツフィールドの音
モノラルの音源をこのハーツフィールドで再生すると、ダイナミックで立体的に再生され、 たいへん広く再生される音場は、特に素晴らしく聴く人を圧倒させられモノラル音源とは思えないぐらいの音で再生されます。
再生された音は、スケールを感じ感動です。
『夢の究極のスピーカー』と評価され、オーディオファンを引き付けるのが理解することができます。
しかし、弱点もあります。
ハーツフィールドの音(弱点)
ハーツフィールドの音の弱点は、低音コーンから放射された音が前面の板で左右に振り分けられて折りたたみのホーンを通ってから前面の左右の開口から音が放射されるようになっています。
低音のコーン部が直接開口していないので、
『低音の量感は良く出ますが、歯切れの良い低音がでにくい』
構造になっています。
これがハーツフィールドの音の弱点になっていると思います。
現在のようなパルシブな音楽を再生すると、低音の切れが悪いように感じるかも知れません。
しかし、このハーツフィールドの時代を考えると、スピーカーの低音の量感をだすことが重要で低音が薄くなることを極力避けたかったように思います。