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ハーツフィールド(Hartzfield)を考える
私は、ハーツフィールドとスピーカーを見ると
『良い音のスピーカー』
『究極のスピーカーを製作したい』
『生演奏のようなリアルなが再現したい』
という製作者の気持ちが伝わってきます。
当時モノラル音源しかなかったので、1つの音源では音場の再生が難しく生演奏のようなリアルな音を再生できませんでした。
そこで、考え出されたのがJBLハーツフィールドあるいはクリップシュ・ホーンというものだったと思います。
現在のオーディオは、ステレオなどの立体的な音で再生することは難しくなくなりましたが、当時の技術者たちの
『音に対して真剣さ、こだわり』
は、決して無視できるものではありません。
これはハーツフィールドの音が、現在のステレオには向いていないからというレベル評価できるものではありません。
『その時代は、その時代に考えられることを最大に努力したことに評価する。』
ことが大切だと思います。
私は、ハーツフィールドの音の好き嫌いは別にして
『ハーツフィールド』
という
『人間の努力の結晶』
といえる思いが好きです。

JBLのハーツフィールドが発売されてから、50年以上がたった今でもオーディオファンに愛され続けてきました。
オリジナルはなかなか手に入らないということで、何度もレプリカされたり、最近ではクリプッシュホーンが再発されたりしています。
故障しても何度の修理をして再生され復活してく、永久に存在し続ける不死鳥のようなスピーカー、たいへん夢があります。
これほどオーディオファンに愛されロマンを与えてくれるスピーカーは、なかなか存在しません。
これらのスピーカーを製作した人は、本当に幸せだと思います。
私は、このハーツフィールド(Hartzfield)を考えると、オーディオのあり方をというものを深く考えさせられます。
現在のオーディオは、耐久消費財というもので年数がたてば修理が不能になり、気に入っていていたものも処分しなければならなくなってしまいます。
当たり前といえばそれまでですが、長く愛される製品を世の中に出すことは人に幸せを与えるということで重要かもしれません。
現在のオーディオ製品及ぶ家電製品で長く愛される製品は、ほとんど存在しません。 愛したくても修理不能などで、味気なく最後をむかえてしまいます。
オーディオメーカーは、健在の状況に流されるのではなく、JBLのハーツフィールドのような製品を製作することにチャレンジして欲しいと思います。
長く愛される製品を製作することが、日本のオーディオの復活の鍵だと信じています。
おわり