File No.34-4 サラウンド再生は、2チャンネルステレオにはかなわない(4) -ディジタル-

理想的なサラウンド再生を達成出来たとしても、2チャンネルステレオを越えられない壁について解説しています。

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理想的なサラウンド再生を達成しても

サラウンドで完璧に近いクオリティの再生が実現できたとしても、メインのスピーカーからでる音と他のスピーカーからでる音の被りが発生するので、音が濁ってしまいます。

これは、どのようにサラウンドをコントロールしても避けられません。

2チャンネルオーディオでは音質のクオリティが大切で、サラウンド再生では2チャンネル以上の音質クオリティを追求出来ないのがネックになります。

サラウンド再生では、音場再生に優れていたとしても、自然な音像定位で得にくいのもピュアなオーディオの再生が期待することは大変難しいと思います。

理想的なサラウンド再生の説明図
理想的なサラウンド再生

サラウンド再生では、最高級のアンプやスピーカーを使用するなど、どのように高音質の再生環境を実現しても、サラウンドという構造上、2チャンネルステレオ・オーディオに 比べ、音質のクオリティと自然ば音像定位が劣ってしまいます。

この音質のクオリティと自然ば音像定位が実現ができないのが、サラウンド再生の最大のデメリットだといえます。

サラウンド再生は、ピュアなオーディオには向かないというデメリットを紹介させていただきましたが、私自身はかつてサラウンド再生というものに大変期待していた時期がありました。

昔は、サラウンド再生に期待していました。

私は昔、音場再生(サラウンド再生)に憧れていた時がありました。

その当時は、自分が実際にサラウンド再生というものを試したのではなく、あるオーディオ雑誌の記事を書いているオーディオ評論家の方が音場再生というもの熱心だったからです。

そのオーディオ雑誌は、確か『SOUND TOPS』というオーディオ雑誌だったと思います。

オーディオ雑誌『SOUND TOPS』の写真
オーディオ雑誌『SOUND TOPS』

この雑誌に掲載しているオーディオ評論家のオーディオ評論の内容が、結構私のオーディオの考えに似ているところがあり大変参考になったので個人的に気に入っていました。

『SOUND TOPS』というオーディオ雑誌の内容は、T誠先生とF誠先生というオーディオ評論家が、新しく発売されたさまざまなオーディオ機器を視聴して評価するというものでした。

オーディオ評論家のT誠先生とF誠先生は、オーディオの世界では二人の誠と敬称され、新しく発売されたオーディオ製品を比較的辛口に評価していました。

この二人の誠先生のオーディオ評論記事を評価が好きで私は、『SOUND TOPS』というオーディオ雑誌をよく購入したものです。

二人の誠先生のオーディオ評価は、オーディオ機器を良し悪しをきっちり評価していたので、現在のオーディオ雑誌の記事よりも面白かったように思います。

この二人の誠の先生たちが評価したオーディオ機器を、実際にお店に行って聴いてみると、かなり評価の信憑性の高いように思いました。

また二人の誠の先生たちが、どうしてもメーカーの絡みで100%評価できない記事は、自分たちの書いている記事の内容から読み取って欲しいとも語っており、良心的だったように思います。

その二人の誠の先生たちのT誠先生の方が、オーディオの音場再生というものにたいへん拘っていました。 T誠先生は、趣味としてのオーディオに向ける情熱は半端でなく、住宅ローンを利用してオーディオを購入したぐらいオーディオマニアで、趣味な対するT誠の半端でない無茶苦茶なオーディオに向ける情熱が私はたいへん好きで、T誠先生の趣味のオーディオに向ける情熱は、ある意味尊敬にあたいするものでした。

そのようなことがあり好きなT誠先生求める音場再生というものが、どれだけ凄いものだろうかと想像していたので、オーディオにサラウンド再生の可能性というものに期待していました。

しかし私自身がオーディオというものを長く経験していくうちに、T誠先生の考えに反して、だんだんとオーディオでサラウンド再生には無理があるように思うようになりました。

現在のT誠先生の考えは、残念なから若くしてこの世を去られてしまったので評論を聞くことは出来ませんが、ディジタル技術が発達した現在ではT誠先生のサラウンド再生が実現できるようになったと思います。

私はT誠先生が求めた情熱のサラウンド再生に期待していたのですが、現在のように理想的なサラウンド再生が実現できるようになっているの状況であっても、オーディオでサラウンド再生には限界があるように考えるようになりました。

サラウンド再生の問題点

5.1チャンネルや7.1チャンネルという方式に規格にかかわらずサラウンド再生は、ピュアで高音質を求めるオーディオでは無理があるように思います。

サラウンド再生は、擬似的に広い音場感ができるので音場に爽快感があり楽しいのは理解できるのですが、それが返って再生音を不自然にしている感じがしてなりません。

オーディオでは自然な音を再現することがたいへん重要なテーマですが、サラウンド再生は自然な音を再現するということがたいへん難しいといわざるえません。

なぜならば、人が自然に音を感じれるのは前面からの出る音だからです。 音楽を聴くときに、サラウンド再生のように後方からの音を感じると頭の中に無意識に不安ができ、気持ちが音に集中できなくなりので心が落ち着かなくなります。

人は、無意識の内に前方からの音に対して安心感を求めてしまう本能があるからです。

自然界からでる音は、音源の方向を実際に確認することが出来るので、上下左右や後方からの音に不安を感じることは少ないですが、部屋ような閉鎖的な場所でオーディオを再生して聴く場合は、音を自然に前方に求めてしまいます。

サラウンド再生の音の不自然さを解消することは、スピーカーの角度を上手く調整しても出来ません。

また、スピーカーを2つ以上増やして音楽を再生すると、2つのスピーカーから再生される音よりも音の被りが発生し音を濁らしてしまいますので、音のクオリティを低下させてしまうデメリットも発生します。

多くのスピーカーを配置している映画館やコンサートホールでは、音の不自然さを感じなくても、自宅でオーディオで多くのスピーカーを配置するとどうしても音が不自然に聴こえてしまいます。

これは人の心理的なことで、多くの人たちが集まる映画館やホールなどの周りが騒がしい場所では、細かい音の変化に気づかないので、さほど音が不自然に感じることはありません。

しかし、静かな環境で聴く自宅のオーディオ再生では、僅かな音の変化も読み取れるようになるので多くのスピーカーを配置による再生音の不自然さを感じやすくなります。 このことは映画館やホールでも、全く周りが動かない状態で音楽を再生させることが出来れば、音の定位や反響など多くの不自然さを感じることができると思います。

オーディオショウなどでスピーカーやアンプの音の違いが理解できるのも、音楽を再生中に周り人が静かにしているからであり、周りがざわざわしていると音の違いがわからなくなってしまいます。

サラウンド再生の最大の問題点は、複数のスピーカーをコントロールすることが再生音の不自然さに繋がり、また複数のスピーカーによる音が前後でぶつかりあってしまうので、音の被りが発生す音を濁してしまうことです。

これらのことがサラウンド再生が、2チャンネルステレオを超えられない壁になっているものだと思います。

サラウンドの音の不自然になる理由は、製作する側にもある。 つづく


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