File No.34-1(全6ページ) サラウンド再生は、2チャンネルステレオにはかなわない(1) -ディジタル-

サラウンド再生は、2チャンネルステレオにはかなわないことについて解説しています。

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サラウンド再生は、2チャンネルステレオを超えられるか!

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サラウンド再生の経緯

オーディオとして音場再生(サラウンド)考えられるようになったのは、昔のオーディオで一時的に流行った4チャンネルステレオだと考えられます。

その4チャンネル・オーディオが廃れた後に、オーディオがCD時代に突入してからDSP技術を駆使したサラウンド再生がオーディオで復活しました。

このDSP技術を駆使したサラウンド再生は、SVHSビデオやレーザーディスクなどの映像技術が向上した時代に進められていました。 しかしDSP技術を駆使したサラウンドは、普及にはいたらなかったようです。

このときのDSP技術を駆使したサラウンド再生は、廃れてしてしまったのですが、その後にハイレゾ音源の時代に突入して、またサラウンド再生が復活してきました。

サラウンド再生が復活したのは、コンピュータの高速化とディジタルのDSP技術が発展したからだと予想されます。

サラウンド再生の歴史

■モノラル時代の複数スピーカーの設置

■ステレオ時代の無指向性スピーカー

■4チャンネルステレオ

■DSP(digital signal processor)によるサラウンド

■ハイレゾ時代の5.1や7.1chサラウンド

■モノラル時代の複数スピーカーの設置

モノラル時代で複数スピーカーの設置して広い音場空間を再生する方法は実験的に行われた可能性があります。 しかし、この時代のオーディオ機器は非常に高価で、企業や大学の研究などがほとんどだったと思います。

■ステレオ時代の無指向性スピーカー

オーディオがモノラルからステレオになってから、多数の無指向性型のスピーカーが発売されるようになりました。

オーディオの一部に無指向性型のスピーカーを求めた理由は、自然な空間に広がりのある音場を実現したかったものだと思います。

しかし、無指向性のスピーカーで自然な広がりは確保できるものの、その音が空間に広がることが音の輪郭がボケてしまうというデメリットにもなります。

この無指向性スピーカーのデメリットが、今ひとつオーディオでは普及しない理由だと考えられます。

■4チャンネルステレオ

4チャンネルステレオは、もともとも海外のオーディオのアイデアによって登場したもので、マトリックス方式、XY方式、CD-4方式SQ方式などがあります。

このらの4チャンネルステレオは、日本のオーディオメーカーが各社が熱心に研究して多数の4チャンネルステレオの方法を登場させてきました。

この4チャンネルステレオの登場は、今では対したアイデアではないと感じるかも知れませんが、当時のオーディオ状況からすると画期的なものでした。

当時のオーディオファンが、初めて4チャンネルステレオを聴いたとき、その音場感(サラウンド再生)の立体サウンドに衝撃を受けたように思います。

当時のオーディオは、2チャンネルステレオのオーディオの音が、現在のオーディオのように完成されていなかったことが考えられます。

当時でも一部の最高級のオーディオのでは、現在のオーディオに近い音質を持っていた可能性がありますが、一般のオーディオ市場では、まだまだ本格的なオーディオに至っていなかったのが正直なところだと思います。

4チャンネルステレオ・オーディオの説明図
4チャンネルステレオ・オーディオ

1970年代のオーディオアンプなどを検証していくと、イコライザー(バス、ミドル、トレブル)やラウドネス(小音量の時の低音と高音の不足を補正する機能)が重視されていることがわかります。 このことから当時のオーディオファンが、ピュアな音質で2チャンネルオーディオを楽しむよりも、積極的に再生音をコントロールしてオーディオを楽しんでいたことか理解できるでしょう。

その時代に登場してきた4チャンネルステレオの音場感のある音が、オーディオファンが多くが頭を撃たれたような衝撃だったのを容易に想像できると思います。

現在でも4チャンネルステレオを、こよなく愛しているオーディオファンが存在することを考えると、当時の4チャンネルステレオの音が心の中に深く残っているものだと思います。

4チャンネルステレオが普及しなかったのは、各メーカーの規格の統一が上手くいかなかった理由もありますが、最もな理由は4チャンネルステレオは、2チャンネルステレオに比べ音が大きく劣化してしまうからです。

当時のレコード盤から劣化なしに4チャンネル音源を取り出すことは原理的に出来なかったことも、普及しなかった原因でもあります。

日本の各メーカーは、いろいとと音が良くなるように研究していましたが、最終的に音の劣化を防ぐことが出来なく、4チャンネルステレオは失敗に終わりオーディオで忘れられる存在になりました。

現在のようにサラウンド(音場再生)がオーディオで一般的になってきたことについて、、アナログ時代に存在したスピーカーを4本使用したオーディオの4チャンネル・ステレオ などを考えていく必要があると思います。

■DSP(digital signal processor)によるサラウンド

1980年になってオーディオにCDという画期的なものが登場して、ディジタルオーディオというものが一般に普及してきたときにDSP(digital signal processor)によるサラウンド再生を実現することが登場してきました。

ちょうどこの時の日本の家電の状況は、SVHSビデオやレーザーディスクなどの高画質な映像が一般に普及してきた時期で、オーディオとビジュアルが一緒に重視されていく時代でした。 (もちろんS社のEDベータビデオも、高画質な映像に貢献した重要な機器でした。)

映像が本格的な高画質時代に突入したことで、その映像に対応した音の高音質化を求めるようになってきました。

音楽では音と映像が一体になったミュージックビデオが、普及し始めた時期でもあります。

自宅でも、映画館のような臨場感のある映画鑑賞ができるように、DSPによるサラウンド再生が登場し導入されてるようになりました。

基本的なDSPでのサラウンド再生する方法は、後ろのスピーカーの音の時間を少し遅らすことで音場を擬似的に創造することで、映画館や広いホールの中で音を聴いているような効果をえることができます。

DSPで簡単に音場感ができて臨場感を上げることが出来るので、映画を膨大なスケールで楽しめます。

サラウンド再生は、映画では臨場感がでて十分楽しめますが、音楽だけを聴く場合には、後からのスピーカー音がかぶってしまうので再生音が不自然に聴こえ、ピュアなオーディオには向かないように思います。

このDSPでのサラウンド再生は、オーディオビジュアルである程度は普及したのですが、前のスピーカーと後のスピーカーの品質の差による音の違いもできるので、ピュアなオーディオでは普及することはありませんでした。

私は映画でもサラウンド再生するよりも、普通のオーディオと同じ前面に2つのスピーカーだけの音の方が高音質なので良いと考えています。

■ハイレゾ時代の5.1や7.1chサラウンド

ハイレゾ時代になりディジタル技術は、以前のDSPより遥かに高速で高度になり大きく発達しました。

そのDSP技術の発達により音データを完全に4チャンネル以上のシュミレートが可能になったので、再びオーディオでサラウンド再生が注目されるようになりました。

この5.1や7.1chサラウンドの多数スピーカーで音を再生するのに魅力を感じた方は、オーディオに興味を持ちはじめたオーディオ初心者に多く、私自身もオーディオ初心者の時、多くのスピーカーを配置するオーディオにたいへん興味をもっていました。

しかし、長くオーディオを追求していくうちにサラウンド再生の必要性について疑問をもつようになりました。

ハイレゾ時代の5.1チャンネルサラウンドは、かなり高度に音を4チャンネル以上に分解してサラウンド再生していますが、スピーカーを2本以上を使用する音場感は不自然になってしまうと思います。

5.1chサラウンドあるいは7.1chサラウンドとは つづく



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