File No.69-6  CD(コンパクトディスク)が登場した時のこと(6) -コラム-

ディジタル録音の歴史について(1)解説しています。

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File No.69 / 06

ディジタル録音の歴史について(1)

ディジタル録音の歴史は古く、かなり以前から考案されていましたが、当時のICの性能のからディジタルオーディオ機器の製造までは至りませんでした。

ディジタルオーディオ機器の発展を促したのは、NHKの研究や日本企業の功績は非常に高いものになります。

まさにディジタルオーディオの登場は、日本の技術力なくしてありえなかったものだと言えます。

その点でディジタルオーディオの開発への貢献は、日本企業が世界を一歩以上リードしていたものは、誰も否定することはできないでしょう。

しかし、残念なことに日本企業が努力してきたディジタルオーディオの研究・開発について、一部の表面的な情報以外は、今でも企業の中にあり、当時のディジタルオーディオの研究・開発について、当時開発に携わった技術者以外は、詳しいことを知ることができなく、そのほとんどが現在に至ってもほとんど公開されていません。

これからディジタルオーディオを学ぶ者にとっては、様々な日本の企業が行ったディジタルオーディオの研究・開発の日本企業の努力は、大変参考になることが多く、様々な機器の開発する為のアイデアやモチベーションアップにもつながるので、まとめて公開して欲しいものです。

日本には、レーザーディスクやVHD(記録媒体ではMOなども)など、日本の技術が中心に開発され、世界をリードしてきた製品が多くありますが、その技術的なものは、表面的なこと以外は、現在ほとんど知ることができません。

日本にアナログ記録のレーザーディスクがあったから、ディジタル記録のCDの開発がスムーズに進んだともいえます。

今では、廃れたといえるレーザーディスクやVHD、MOなどの技術といえども、次の新しい製品へのアイデアの発見ができる可能性を多く持っていると考えられます。

このような情報を公開していくことが、将来の日本の技術向上に繋がっていくのではないかと思います。

日本政府が、クールジャパンなどいって日本に何も貢献しない私的な企業に投資(支援)することよりも、かつての日本の技術、既に特許が切れた製品の情報を詳細に公開することに支援することで、次の世代の人たちに公開情報を役立ててもらうことこそ、日本産業の発展につながるのではないかと考えます。

かつての日本リードしてきた技術、既に特許が切れた製品の情報を詳細に公開することに支援してこそ、本当の意味でクールジャパンといえるのではないかと思います。

ディジタル録音の歴史について、かなり脱線してしまいました。

ディジタル録音の歴史について、ここでは詳細なことは他に譲るとして、オーディオファンから見たディジタル録音の歴史を述べていきたいと考えていきます。

私の記憶から、ディジタル録音の歴史についてを掲載していますので、実際と異なることがあると思いますが、資料的になるより良いと考えて、あえて掲載させて頂いています。

▼世界で最初に完成したディジタル録音機

世界で最初にディジタル録音機を完成させたのは、NHK(日本放送協会)だと言われています。

現在ののNHKには国民を騙して受信料を徴収しにくる何かあくどいような組織のイメージがありますが、かつてのNHKは、NHK内で研究・開発を行い先行して日本の多くの技術を支えてきました。

NHKは、ラジオ・テレビ、音質の良いスピーカーの研究・開発を始め、衛星放送、ハイビジョン放送など様々な日本の最先端の技術に貢献してきました。

様々なNHKの技術貢献の1つに、ディジタル録音機があります。

CDの開発の父ともいえる中島平太郎氏が、当時、NHK(日本放送協会)にいたことも、開発成功に大きく貢献したものだと考えられます。

1965年、中島平太郎氏が、NHK技術研究所音響研究部部長就任から、1968年に世界初のデジタル録音機を公開しました。

(この1968年のデジタル録音機の内容の詳細は、ほとんど分かりませんが、1969に完成したデジタル録音機に内容的にほとんど同じだったのではないかと想像します。)

1969年、NHK放送技術研究所が、世界で初めて『2チャンネルPCM録音機の試作品』を完成しました。

世界初のディジタル録音機の試作機の写真
世界初のディジタル録音機の試作機

NHK放送技術研究所の技術者たちが、様々な困難を克服して完成までこぎつけたディジタル録音機は、世界に衝撃を与えるものだったと思います。

しかし世界初の2チャンネルPCM録音機は、一般に知られない存在だったので、あまりオーディオファンには話題にされることはありませんでした。

世界初のデジタル録音機の試作品の完成品は、回転ヘッドを使用した2チャンネルステレオ・ディジタル録音機でサンプリング周波数が30kHz、量子化12ビット5折線という中途半端な規格ですが、初期の手探り状態での技術でディジタル録音機を完成した意味は大変大きかったと思います。

一度、どのような規格でもディジタル録音機を完成させることができれば、後は性能の追及へ進みと規格の標準化が進んでいくものです。

その意味で、この世界で初めて『2チャンネルPCM録音機の試作品』を完成の意味は大きく、ディジタル録音という分野を開いた革新的な製品だったと思います。

NHKという組織は、日本の技術向上に非常に貢献してきたと思います。

現在でもNHKには技術部があり、かつての名残が残っており新しい技術の開発を継続して進めています。

しかし今後のNHKは、日本の技術向上の貢献には繋がっていかないように考えられます。

なぜなら現在のNHKの放送は、なにか政治思想色が強く日本のアンダー部分を誇張して放送したり、捏造してまで過去の日本を悪く描こうとして放送しています。

恐らくNHKの技術部は、技術を日本の技術向上に活かしたいと考えているだろうと思いますが、政治色の強い経営体制から、独自で開発した技術を国内で採用するよりも海外に移転を望むのではないかと思います。

そのようなNHKの現状から考えると、残念ながらかつてのようにNHKの技術を国内産業の発展には役立てることはほとんどないだろうと考えられます。

ディジタル録音の歴史について(2) つづく


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