File No.23-5 ついに日本製の光記録メディアがなくなってしまうのか!(5)  -その他-

日本企業のパイオニア精神について解説しています。

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日本の機器メーカーは、太陽誘電の光記録メディア製品の終了に危機を感じないのだろうか?

『消費者製造メーカーやDVDレコーダー機器製造メーカーは、日本製の光記録メディア製品の販売の終了をどう考えているのだろうか?』

『日本製の光記録メディア製品の販売の終了は、、自社製品の開発に大きな支障をきたすことは考えないのだろうか?』

と思います。

なぜなら良いオーディオレコーダーやDVDレコーダーを開発するには、良いメディアとの共同作業になるからです。

機器メーカーからの要求で新しい光記録メディアの開発が進んだり、新しい光記録メディアのアイデアから新しい機器の開発が進んだりします。

かつての日本の家電メーカーは、メディアメーカーとの相互の協力関係から多数の新しい市場を開拓していきました。

もし家電メーカーだけが機器用のメディアを開発しなければならなければ、機器の開発が遅れたり、機器が保守的になったりして新しい製品の開発が遅れたりします。

企業で、このような状態が普通になってくると、独自の新しい魅力的な機器の開発することがほとんどなくなり、常に海外機器メーカーの動きを追随するのが仕事になってきます。

他社の成功している機器の後追いすることは間違いではありませんが、後追いするにも常に準備が備わっていなければ、後追いから自社の独自の製品に展開していくことができません。

かつて日本の家電機器メーカーが世界一といわれたときは、最初に成功した製品の後追いで展開することが多かったと思います。 しかし、その後追いの製品の中にも企業独自のものを入れて展開していました。 後追いの製品なのに、後追いの製品の方が魅力があったりして、それがその企業の魅力にもなっていました。

また先に開発した企業は、後追い企業に負けずに独自の新しいアイデアを展開して製品を製造するので、製品が魅力的なになるという正の連鎖反応になります。

このような体制こそが、日本の家電メーカーの良いところでした。

しかし最近の日本の家電メーカーの製品は、他社の後追だけで独自性が薄く製品の魅力がありません。

このようなことの積み重ねが、日本の家電メーカーが不況になった原因だと考えられます。

日本製の光記録メディアがなくなることは、AV機器の設計や製造、発展に大きな影響を与える予想されます。 日本の大手の家電メーカーは、日本製の光記録メディアがなくなることに危機感を持たないことが不思議でなりません。

最近の日本の家電メーカーは、低価格な品質の悪い製品を製造する為に躍起になって海外に大きな投資をするわりには、国内製造のの品質の良い光記録メディアの終わることについてあまり考えているようには到底思えません。

将来のAV機器の開発などを考慮すると、

 

『このまま日本製の光記録メディアを終了させてしまっても良いのだろうか?』

 

と疑問に思ってしまう限りです。

パイオニア精神がなくなってしまったのか?

太陽誘電のCD-R/DVD-R/BR-Rなどの光記録メディア事業から撤退することを知って、驚きを隠せませんでした。

確かに光記録メディアの収益性の悪化が、撤退する要因であるのは間違いない事実だと思いますが、それでも国内生産の良質の光記録メディアは必要とされています。 その中での光記録メディア事業から撤退の決定は、たいへん残念な思いでなりません。

収益性が理由であるのは、企業であるので理解できないことではありませんが、

  

『消費者が求めているものをやめて、次に何があるというのだろうか?』

  

という疑問ができてなりません。

恐らく今後も収益性がないといって、いろいろな事業から撤退していくことでしょう。

最終的には、『製造自体に収益性がないとい』うことになり製造業をやめて商社や投資会社に成り下がってしまうのでしょうか?

光メディアの撤退が収益性がないと理由なら、収益性を上げる努力をしてきただろうか?といいたくなります。

ここ10年、日本製の光記録メディアであるいうだけで、価格が安くなったぐらいしか覚えていません。

記録媒体が半導体メモリーに移行していくなかで、光記録メディアの良さ(長期保存メディア)を消費者に訴えてきただろうか?

光記録メディアを長期保存できるメディアとして、開発してきただろうか? 光記録メディアの記録保持期間に関しては、いまだにブラックボックスの中に入った状態で半導体メモリーなどより長く持つだろうというぐらいで詳細は公表されていません。

その状態で、消費者に何を訴えてきたのだろうかと思います。

私たちは光記録メディアを選ぶとき、この光記録メディアを絶対に必要、この光記録メディアで記録したものでなくてはならないという認識はありません。

多数販売されている光記録メディアの中から、一応日本製だから大丈夫だろうぐらいの気持ちで購入しています。

お店ににいけば、多数のバルク製品光記録メディアが展示しているなか、プリンタブルやワイドマージンなど必要なものを確認した後は、

   

『価格と日本製ぐらい』

   

しか確認しません。

光記録メディアのパッケージに書いている内容を確認しても『信頼の日本製』書いてあるだけで、この光記録メディアは何が優れている(長期保存できる)とは書いてありません。

最終的には、光記録メディアのパッケージの内容を確認することすらなくなってしまいます。

もし、光記録メディアのパッケージで光記録メディアで記録すると完全に長期記録保持が出来ると認識ができていたのなら、一般の方の光記録メディアに対しての認識は大きく変わっていたと思います。 完全に長期記録保持が出来るなら、光記録メディアの価値を大幅に上げることができたと思います。

光記録メディアメーカーが、光記録メディアの必要性や光記録メディアで保存することの 大切さを前面に訴えてきたのなら異なった展開になっていた可能性があります。

本当に良い光記録メディア(完全に長期記録保持ができる)なら、人は少々プレミアム価格を支払っても購入するでよう。

プレミアム価格の光記録メディアが支持されれば、収益性は大幅に改善されるのではないでしょうか?

このような企業努力なくして収益性が悪化するのは必然で、ただを生産しているだけで売上が伸び収益が上がるほど市場は甘くありません。

収益性が悪化する前に、消費者に光記録メディアで記録する良さを訴え、本当に品質の良いものにプレミアム価格で購入してもらえる努力が必要だったのではないかと思います。

最初にカセットテープが販売されたときは会議を記録するぐらいの品質でしたが、品質向上の結果、音楽を記録する品質までになりました。

ひとつのメディアでも品質を上げることができれば、新しい市場が誕生し収益を上げることが可能になるということです。

最近の日本の企業は、プライドやパイオニア精神が少なくなってきたように思います。

消費者が求めるものを提供しなくなった企業は、必ず衰退する。 つづく


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