File No.046-4 『音づくりに生きる』 - ロボットと名人芸の結晶『ダイアトーン』開発物語(4) -スピーカー-

DIATONE DS-3000について解説しています。

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File No.46 / 04

DIATONE DS-3000

ダイアトーンのDS-3000は、本格的なディジタルオーディオ対応の為にCDに入っている音をすべて再生することを目的に開発されたスピーカーです。 スピーカーのキャラクターというものを徹底的に排除することを求め、スピーカーの表現力(高密度・高解像度)というものを頑固なぐらい真面目に追及して製作されたスピーカーです。

高密度・高解像度スピーカーといえばDS-3000の右に出れるものはないぐらい圧倒的な高密度・高解像度再生するスピーカーです。

DS-3000は、スピーカーユニット素材にハイテク素材を多く利用して1からスピーカーのあり方を徹底的に見直して製作されたダイアトーンの技術力が誇る超高密度・超高解像度の決定版といえる高級マルチウエイ・スピーカーです。

DS-3000は、ディジタル時代の再生に向けてスピーカーというのもを徹底的な見直され製作されているので、スピーカーユニットすべてに渡っての見直され、エンクロージャーの高剛性の追求だけでなく音の響きの良さまで求めてシベリア松のチップを固めたパーチクルボードを使用するなど圧倒的なワイドレンジ再生の4WAY仕様の最高級スピーカーといえる内容です。

DS-3000から再生される音は、DS-1000では実現できなかった中低域の再生を大幅に拡大されており、音の響きの良さやスケール感が大幅にアップされています。

DS-3000の音は、高解像度とシャープな音を突き詰めたような音質で、音の隅々まで見通してしまうスピーカーであり、DS-3000の前ではどのような曖昧さも一切許さず妥協しない張り詰めた感じの音質だと思います。

DAIATONE DS-3000の写真
DAIATONE DS-3000 4 way speaker system

このような曖昧さを許さない切り詰めたような音が好きか嫌いかは好みに分かれるとは思いますが、ダイアトーンDS-3000は日本のスピーカーメーカーが真面目に音を追求した究極のひとつの形だと思います。

オーディオファンの間ではDS-3000の音の評価は、賛否両論があり評価が分かれているようです。

DS-3000というスピーカーは、素晴らしい音質を持つスピーカーなのですが、あまりにも音がシビアなので、CDなのでソフトウエアを含めアンプやCDプレーヤーの音質の粗が前面に出してしまう性質があるので、選定するソフトやオーディオ機器によってはその粗が際立って目立ってしまうので良い音質に聞こえない場合があります。

音優れたバランスのシャープで音が良いアンプなどを使用すればDS-3000の能力を最大限に発揮でますが、音の密度が薄い部分のあるような癖のあるアンプを使用するとその癖が大きく目立ち音が悪く感じてしまう可能性があります。

CDなどのソフトウエアの再生でも、CDに入っている情報をそままに再生される感じがあり、柔らかく滑らかで綺麗な音などの自分好みの音で再生することを決して許してくれません。

優れた録音のソフトは、素晴らしい音で再生されますが、悪い録音のソフトは、悪い部分を隠すことなく、そのまま再生されてしまうので音質を悪く感じさせてしまいます。

そのような部分をDS-3000というスピーカーは持っており、オーディオファンの間でDS-3000というスピーカーの評価が分かれるところなのかも知れません。

ダイアトーンのDS-3000は、歴代のダイアトーンスピーカーの中でそれほど話題になったスピーカーではないかも知れませんが、私個人的にはスピーカー技術の集大成という出来栄えや音の出方や音のバランス的にもダイアトーンスピーカーの傑作ではないかと考えています。

私自身は、このDS-3000を実に日本的な考えの音として良い意味で非常に高い評価をしており、DS-3000の音質を含めスピーカーに対して追求するポリシーが本当に好きでした。

日本のスピーカー製作メーカーは、ダイアトーンのDS-3000のような音への追求をして欲しかったのですが、現在では日本国内でこのようなコンセプトのスピーカーを製作しているオーディオメーカーはなく残念な想いでいっぱいです。

DS-3000は、当時、定価1本26万円で販売されており、そのとき

  

『こんな高価なスピーカーがあるものだ!』

  

と思っていました。

今を思い返せば、このような製作に力が入った高級スピーカーの定価26万円という設定は、大変安価であったのかも知れないと感じています。

恐らく現在では、物価上昇も考慮して1本定価35万円の設定をしたとしても、世界中どこを探してもDS-3000ような本格的なス高級スピーカー製作できるオーディオメーカーは存在しないと思います。

海外のどのオーディオメーカーでも製作できない製品を製作できる実力こそが、日本のメーカーの強さだったのではないかと考えられます。

現在の日本の家電メーカーを含め日本のオーディオメーカーには、当時のような実力は存在しないのが残念です。

DIATONE DS-2000  つづく


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