File No.046-5 『音づくりに生きる』 - ロボットと名人芸の結晶『ダイアトーン』開発物語(5) -スピーカー-

DIATONE DS-2000とDIATONE DS-10000 Klavier について解説しています。

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File No.46 / 05

DIATONE DS-2000

DS-2000は、ダイアトーンのDS-1000番シリーズの中でも最も音のバランスがとれたでスピーカーで万人向きといえるスピーカーだといえます。 DS-1000よりも低音の再生能力が充実していて、それでかつDS-3000よりも音がシビアしぎないので大変扱いやすい性質を持っています。

比較的繋げるオーディオ機器を選ばないので、ダイアトーンの1000シリーズの高密度・高解像度・ハイスピードのサウンドの魅力を一番簡単に楽しめるスピーカーだと思います。

DAIATONE DS-2000の写真
DAIATONE DS-2000 3 way speaker system

DS-2000は、3WAYスピーカーで非常にバランスが優れており、音楽ソースを選ばずさまざまな音源を万能にこなせるスピーカーといえます。

DS-5000であればフロア型でサイズが大きくDS-5000を良い音で再生させるには広い部屋が必要で万人向けとはいえず一般のオーディオファンには向きません。

DS-3000は、4wayスピーカーの特徴で高密度や高解像度は大変優れているものの、あまりにも音がシビアすぎるので良い音を再生させるには、他のオーディオ機器にも細かく気を配る必要があり、失敗すれば他の機器の悪い部分までも再生されてしまう可能性があります。 DS-3000は、最も高密度・高解像度が高く音質も大変優れたスピーカーだと思いますが、扱うのが大変難しいスピーカーだといえるでしょう。

DS-1000は、他では得られないハイスピードで個性的なアップライトの低音を楽しめますが、音楽ソースによれば低音の不足を感じさせてしまう要素をもつので、重低音の雰囲気が必要な音楽を再生すると物足りなく感じる場合があると思います。

DS-10000は、芸術作品のようなスピーカーなので、他のDS-1000番のスピーカーと比べることは出来ないものです。

ダイアトーンの中でDS-2000というスピーカーの位置は、DS-1000番シリーズの高密度・高解像度でハイスピードの音という魅力を直ぐに味わうことが出来るので、最初にダイアトーン・スピーカーを求める方にはDS-2000が最もオススメだと思います。

DS-2000は、後継機モデルなど多数ありますが、個人的にダイアトーンの高密度・高解像度・ハイスピードの音を感じれるのは、最初期のDS-2000だと思います。

私は、最初期のダイアトーンDS-2000の音が最も好きです。

DIATONE DS-10000 Klavier

ダイアトーンのDS-10000は、技術と芸術が融合した最高の嗜好品といえる美しいピアノフィニッシュのスピーカーで、スピーカーと同じ色の仕上げた美しい専用のスピーカースタンドが用意されており、部屋のインテリアとしてマッチし大変美しいデザインをしているスピーカーです。

ダイアトーン・スピーカー技術の集大成といえるDS-10000は、海外のオーディオファンやオーディオメーカーが日本のスピーカーにもっているイメージ、日本のスピーカーの音には個性がなく面白くないというイメージを葬り去ってしまうぐらいの上品で高品質な音質が備わっている最高傑作のスピーカーだと思います。

DIATONE DS-10000 Klavierの写真
DIATONE DS-10000 Klavier 3 way speaker system

私自身が、DS-10000というスピーカーを初めて視聴したとき、高密度で高い解像度でありながら美しく滑らかさが絶妙に調和された音に感動したものです。

DS-10000とDS-1000とはサイズがほぼ同じ大きさなので、DS-1000のアップグレードモデルのように見えてしまいますが、音に対するアプローチが全く違うので同じダイアトーンでもDS-1000とは全く別物のスピーカーと考えた方が良いと思います。

DS-10000の音は、楽器などが縦に並ぶ感じで音に角がなく大変美しく上品で品位のある音質です。 低音の再生は、弾力のあるコントラストがしっかりとした低音がグイグイと前面に押し出してくる感じの魅力のある音がします。

このDS-10000の硬さと柔らかさがうまく調合された大変美しい音は絶妙で、なおかつ高密度と高解像度を保っている音は絶品です。

DS-10000の低音は、DS-1000のようなすっきりした低音とは全く異なり、非常にコントラストがしっかりした量感のある低音が、しっとりしなやかに前面に抜け出してくるような低音です。

DS-10000は、DS-1000と同じ27cmコーン型ウーハーを使用しているので最低音への伸びは期待できないので重低音の再生には向いていないと思いますが、実際のDS-10000の音を一度でも視聴すると、このスピーカーに重低音の再生などという部分的な要素を考えることが馬鹿らしくなるぐらいに思えてきます。 DS-10000のような高性能なスピーカーを時間をかけて厳密に調整されたものが、どれぐらい素晴しい音を再生されるのか驚かされることでしょう。

DS-10000を視聴するとDS-1000、DS-2000、DS-3000などの1000番シリーズとは全く違う音質が楽しめます。 ダイアトーンのスピーカーに製作のこだわりや良い音を追及の結果、1000番シリーズの音とは異なる新たな音への解答が、DS-10000の音の中に存在しているように思いました。

ダイアトーンのスピーカーは、日本国内販売がメインだったので、ほとんど海外には販売されていません。

当時の海外での日本のスピーカーは、音がハイ上がりに聴こえスペックが優れていても、音がイマイチという感じで評価されていました。

日本のスピーカーは、スペックを追求しているだけで音の感性を全く理解していないという評価で散々な言われ方をされていたようです。

恐らく当時の海外のオーディオファンが、DS-10000を一度でも視聴する機会があったなら、日本のスピーカーの評価が変わっていたのではないかと思います。

DS-10000の音に、個性や感性が足りないとは決して言えなかったでしょう。

それぐらいダイアトーンのDS-10000には、日本の音の感性を世界のオーディオファンに認められる実力をもっているスピーカーだと思います。

当時の日本のスピーカーの海外の評価への補足

当時、海外でのオーディオの評価の日本のスピーカーの個性がないといわれていたことは、本当のところは良く分からない部分があります。

日本のオーディオメーカーがダイレクトモーターのターンテーブルを発売した時代にも、コンクキングがどうのと海外のオーディオ界から批判があったようですが、実際は日本の企業しか製作できなかったことのねたみが理由だったようです。

日本のスピーカーに関しても日本のオーディオメーカーが生産を終了してから、海外のオーディオメーカーが積極的に日本のスピーカーのようなハイテク技術を積極的に使用するようになったB&W社のスピーカーなどの例があります。 したがって実際の海外のオーディオメーカーは、日本のオーディオの最新技術と高い技術力に高い評価をしていたのですが、あえて評価していなかった可能性もあると思います。

日本の高い技術を持っていたスピーカーの国内生産を終了したことは、日本のオーディオメーカー自体が自社のスピーカーの技術力や将来を最も信じていなかったともいえないこともありません。

日本のオーディオファンにとって寂しい時代になりました。

DIATONE 2S-305  つづく


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