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パソコンでダイレクトカッティング
パソコンを使用して、少し音質が良いCD-Rを制作する方法があります。
あくまでも普通にパソコンに録音するよりも音が良い程度で、最高の方法とはいえません。
録音ソフトウエアの中で、リアルタイムでCD-Rに直接書き込みながら録音(ダイレクトカッティング)が出来るソフトウエアがあります。
いや、今では、そのような録音ソフトウエアがあったといった方が良いかも知れません。
パソコンが発展した現在、ダイレクトカッティングができるソフトウエアは本当に見かけなくなりましたので、この方法はOSの対応の問題もあり既に現実的ではないかも知れません。
また、ダイレクトカッティングができるソフトウエアと対応しているOSを用意できたとしてもサウンドカードが対応していなかったりして、問題は沢山あります。
音質は、サウンドカードの音に諸に影響されるので、高音質のサウンドカードを用意出来なければ意味がありません。
いろいろな制約をクリアしてダイレクトカッティングでCD-Rを制作することができると、とりあえずはパソコンのHDDに録音してからCD-Rを制作するよりも音質が良いものが制作出来ます。
ダイレクトカッティングで録音しながらリアルタイムでCD-Rを制作すると、
『パソコンで録音してCD-Rを制作したよりも音質が良い。』
ただ、それだけです。
私は、ダイレクトカッティングの制作方法で、パソコンで制作した時よりも音が良いことを確認することはできましたが、音質に満足するまでには至りませんでした。
ダイレクトカッティングでCD-Rを制作すると音が良いのは間違いありませんが、100%満足できる音質ではありませんので、お勧めできません。
一応、ダイレクトカッティングの方が、音が良かったということをオーディオファンへの報告(情報)程度でお考えください。
パソコンの音は、単体CDプレーヤーに比べ音が良い?
インターネットの情報の中に、パソコンに取り込んだCDの音は、単体CDプレーヤーに比べ音が断然に良く、パソコンとオーディオカードがあれば単体のCDプレーヤーは必要ないということが普通に語られています。
単体のCDプレーヤーは必要ない理由として、CDプレーヤーはCDのスペックの16bit固定に対してパソコンではよりもハイスペックの24bit以上のハイレゾの音楽データが扱えることがあげられます。
CDをハードディスクに取り込むと、ジッターの問題が解決できるので音が良いという考えもあります。
パソコンの方が高性能だから、音質も良いという論理から成り立っているものだと思います。
しかし、オーディオの音質と言うものは、そんなに簡単に解決できるものではありません。
このようなことはハイレゾ音源は、CDよりも高スペック仕様であるから、単純に音質が良いと結論していることと同じになります。
オーディオファンの中には、『技術的にハイスペック = 高音質である』という思い込みをしてしまっている人が多くいます。
経験の少ないオーディオファンであれば、インターネットに記載されているようなことを簡単に信じてしまうかも知れませんが、長くオーディオに付き合っているオーディオファンなら、『技術的にハイスペック = 高音質である』ということが、必ずしもイコールだとは言い切れないことを少なからず経験しているものでしょう。
技術的にハイスペックというのは、高音質の可能性を秘めているのは確かですが、それだけでは十分ではありません。
これまでオーディオ製品で数々のハイスペックの製品が登場してきましたが、高音質で成功した製品もあれば、ハイスペックのうたい文句に対して音がイマイチだった駄作のような製品も多く存在します。
技術的にハイスペックと音質とのバランスがとれて、始めてハイスペックによる高音質が実現できたことになります。
パソコンの音は、単体CDプレーヤーに比べ音が良いとは必ずしもいえないことはオーディオのベテランであれば十分理解していることでしょう。