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ディジタル・レコーディングの音質管理について
レコーディングがアナログからディジタルに移り変わり、高音質での録音が簡単になることで、音質の管理がアナログテープなどに比べ遥かに簡単になったと言われています。
なぜなら、ディジタル・レコーディングでは、一度ディジタルにすれば理論的に劣化のないコピーが行われ、様々な記録メディアで保存することが可能になったからです。
アナログからディジタルになり劣化が少ないディジタル・データは、以前に比べ保存して管理することが難しくなくなったたと考えられています。
本当に音楽のディジタルデータは、保存・管理が良くなったのでしょうか。
しかし、パソコン等で音楽を編集をしていると、一般世間で考えられている以上に音楽のディジタルデータの保存・管理は難しいように思えてきます。
ディジタルデータの保存・管理が、完全だと考えられている音楽業界に対して、少し疑問を持たざるえません。
オーディオの世間一般で考えられていることに常に疑問をもって考えようにしている、このオーディオ・マスターファイルのサイトでは、今回、ディジタルデータの保存・管理が難しいことについて考えていきたいと思います。
現在のレコーディング
現在のレコーディングは、マイクからのアナログ信号を指定のディジタル変換をしてミキシングコンソールから、レコーディング機材まで全てディジタル信号で扱うのが普通になりました。
かつてのアナログコンソールなどを使用したレコーディングでは、ミキシングコンソール内をアナログ信号が流れるので、抵抗などによるノイズが加わり、SN比が低下していくことは免れませんでした。
レコーディングが、ディジタルになったことでミキシングコンソールのクオリティによるSN比の低下や歪みが増えていくようなことを気にする必要がなくなりました。
最近では、24bitなどのアップビット録音が可能になったので、アナログレコーディングのようにあったシビアなレベル管理もなくなり、アナログ信号のクオリティを落さずようにしてシビアなレベル調整をしながら録音するような指南の技も必要なくなってきています。
アーティストもディジタル・レコーディングを受けいるようになり、実際には時代の変化により受け入れざる得なくなったのが本当のところだと思いますが、メジャーなレコーディング方法は、ほぼ全てがディジタル・レコーディングへと移行しています。
パソコンで簡単に高音質録音が出来るのは本当か?
インターネットの情報を見るとパソコンを使用して高音質で録音できるようなことが、当たり前のようにプロの音楽製作者やオーディオファンを問わず多くの人の記事が掲載されています。
そのような記事には、録音などの仕方などの程度の差はあるのですが、概ねパソコンで録音して音楽を制作することに全く不満をもっていなく、音質に十分満足しているように思われます。
また、パソコンを使用してCD以上の高いビットで録音が可能なことから、パソコンの音質はCDなどに比べ遥かに優れているというような記事も多く見かけます。
私の経験上、このような記事を見ると本当に高音質で録音することが可能なのかと疑いたくなります。
私が考えるパソコンで高音質で録音するということは、ただ綺麗な音をノイズのない音で録音できるというのではなく、再生した視聴上での音を言っています。
パソコンで様々な方法を、編集ソフトが10万円以上する時代だった、かなり以前から試行錯誤してきましたが未だにこれで完全である方法を見つけることは出来ていません。
パソコンでは音楽のデータ上では完全で異常があるようなものは、ほぼ存在しないのですが、同一のコピーされた音楽データを扱っても、出てくる音は違ってきます。
パソコンを使用して録音した音以前に、市販のCDと同じ音のものをCD-Rなどに焼けるかどうかをテストしてみることから始めてみると良いと思います。