File No.65-9 ディジタル・レコーディングの音質管理は難しい(9)  -ディジタル-

アナログレコードの音をCD-Rに録音する最良の方法について解説しています。

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アナログレコードの音をCD-Rに録音する最良の方法

アナログレコードの音をCD-Rに録音する方法として、現在考えられる最良の方法を考えていきたいと思います。

パソコンで多数のソフトウエアやサウンカードを試して、いろいろ録音をしてCD-Rを製作をしてみましたが、音が痩せてしまったりして上手くいきませんでした。

パソコンで録音実験すると納得するような音・音質で制作することが、如何に難しいかを痛感させられます。

アナログレコードの音の雰囲気を、そのままCD-Rにして楽しむことはなかなかできそうにありません。

アナログレコードの最適にCD-Rを製作する方法を、一度パソコンを使用しない方法に戻って考えてるみることが良いかも知れません。

パソコンを利用しないでCD-Rに録音する方法として、単体のCDレコーダーというものを利用する方法があります。

単体のCDレコーダーというオーディオ機器は、オーディオでCD-Rに録音する初期の方法です。

なにそれ、と思われたことだと思います。

パソコンが登場してから単体のCDレコーダーの存在は、オーディオでも影の薄い存在になりつつあります。

単体のCDレコーダーは、徐々に市場から消えていっており、最近では新しく発売される機種も少なくなりました。

単体のCDレコーダーの存在が薄くなりつつなる原因は、パソコンで簡単に品質の良いCD-Rが制作できるようになったからです。

ここで少し矛盾を生じるかも知れませんが『パソコンで品質の良いCD-Rが制作できる』ということと『音質の良いCD-Rを制作できる』ことは、全く異なります。 データ上でエラーのない高品質なCD-Rが制作できるという意味です。

また、単体のCDレコーダーを一度でも使用した経験のある人には理解できると思いますが、単体のCDレコーダーのパソコンに比べて大変不便です。

アナログレコードを再生しながらCD-Rを焼かなければならなく、失敗は許されません。

リアルタイムでアナログレコードの曲間CDのトラックマーカーを打たなければならないのですが、必ずといって良いほど早すぎたり、遅すぎたりして失敗します。

上手く録音が成功したとしても、最後のファイナライズの時に不安定になったりして、何時間もかけて制作したCD-Rを一瞬でダメにしてしまいます。

編集になればパソコンの方が、圧倒的に使いやすく自由度も比べることもできないぐらいパソコンが優れています。

単体のCDレコーダーというのは、パソコンを扱ってアナログレコードをCD-Rを製作したことのある人にとって、本当に扱いづらいオーディオ機器だと思うでしょう。

しかし私は、非常に扱いづらい単体のCDレコーダーを使用して、アナログレコードをCD-Rに製作する方法をオススメします。

ここで、一つ考えなければならないことがあります。

あなたが、『アナログレコードをCD-Rに製作することに何を求めているか』で単体のCDレコーダーを使用することに向いているか向いていないかが分かれます。

アナログレコードにある音の雰囲気だけCD-Rで実現することが全てであり、アナログレコードの音源を編集してノイズ除去や正確なCDのトラックマーカーが打たれたCD-Rは必要なく、アナログレコードそのままに近い音・音質を求めるオーディオファンであれば、間違いなく単体のCDレコーダーは最高の満足を与えてくれるオーディオ機器になるでしょう。

しかし、アナログレコードに入っているスクラッチノイズやヒスノイズを消去して、CDのようなノイズの少ない音を楽しみたいオーディオファンには、単体のCDレコーダーは向いていません。

私自身がアナログレコードをCD-Rに製作する理由は、アナログレコードの良い音をCDで楽しみたいからです。

一度CD-Rにすれば、貴重なアナログレコードを何度も再生して痛めてしまうことがありません。

アナログレコードをCD-Rに製作するのに、音さえ良ければ、その他のノイズ除去や曲間のトラックマーカーの位置が少々ずれていても、私は諦めることができます。

どんなにノイズ除去や正確にトラックマーカーを打った完璧なCD-Rを制作できたとしても肝心な音が気にいらなければ、聴くことがなくなりゴミを製造したことになります。

かつてアナログレコードをテープに録音していたことを考えると、CD-Rに録音できただけで有難く思い、編集によって音が悪くなるぐらいなら編集などしなくても良いと考えています。

私の考えに賛同する必要はありません。オーディオファンとしての1つの考えてとして捕らえてください。

レコードプレーヤー、カートリッジ、フォノイコライザーアンプあるいはオーディオアンプが揃い、自信の最高のアナログサウンドのアナログ信号が出力できる状態で進めていきます。

アンログ信号を最高の音でCD-Rにするには、アナログ信号をディジタル信号に変換する良質のADコンバータが必要になります。

単体のCDレコーダーに搭載しているADコンバータの音が、もうひとつである場合も考えられます。

単体のCDレコーダーに搭載しているADコンバータの音が、もうひとつである場合は、別に単体のADコンバータを用意する必要があります。

しかし良質の単体のADコンバータは大変高価であり、高価であっても音質が好みであるかは購入しないと分かりません。

そこで安価で良質の単体のADコンバータを手に入れる方法を教えます。

あくまでも私自信が良いと思う方法なので万人が良い方法とはいえないかも知れません。

中古の単体のDATレコーダー購入します。

必ずディジタル出力のある単体のDATレコーダーを選んでください。

ディジタル出力がなければ意味がありません。

また、単体のCDレコーダーはディジタル入力のある機器を選んでください。

DAT部のメカニズムが故障している中古機器は、結構安価で購入できるかも知れません。

この際、良質のADコンバータ部分が必要なので、DATの録音できるかどうかは無視しても良いと思います。

ここで注意しなければならないのは、単体のDATレコーダーのADコンバータだけを利用するのにDATテープが必要な機種があります。

それらのDATレコーダーは、ADコンバータを使用するには別にDATテープを用意しなければなりません。

私が音質が良いと思うDATは、かつて大手のオーディオメーカーだったS社のDATレコーダーですが、音質は好みなので自信が好きな音のDATレコーダーを利用してください。

何れにしてもDATレコーダーと単体のCDレコーダーが、ディジタル信号で繋げるようにしていていておいてください。

ここからアナログレコードのCD-R製作方法を説明していきます。

レコードプレーヤー、カートリッジ、フォノイコライザーアンプあるいはフォノ入力付きのオーディオアンプが揃い、レコードプレーヤーをフォノイコライザーアンプに繋ぎオーディオアンプの入力に入れます。

オーディオアンプからのテープRECアウトのアナログ信号をDATレコーダーに繋いでアナログ信号をディジタルへAD変換の準備をします。 (DATテープを挿入しなければ、レベルメータを調整してディジタル信号を出力できない機種も存在します。)

この時点で、レコードプレーヤー ⇒ フォノイコライザーアンプ OR フォノ入力付きオーディオアンプ ⇒ DATレコーダー ⇒ CDレコーダーが繋がっている状態です。

DATレコーダーをモニターモードしてアナログレコードの針を落してDATレコーダーのレベルメータを調整します。

この時、オーディオアンプからのアナログ信号がディジタル変換されています。

アナログレコードのレベル調整が終われば、DATレコーダーのディジタル信号を出力状態にして待機します。

CDレコーダーに未使用のCD-Rをセットして、録音待機状態にします。

アナログレコードの針を落しレコードを再生して、CDレコーダーの録音待機状態を再生ボタンを押し解除して録音を始めます。

アナログレコードの曲間が着たらトラックマーカーを打ちます。

ヘッドホンでモニターしながら録音すると曲間のトラックマーカーを打つのに失敗が少なくなるかも知れません。

アナログレコードのA面の再生が終わりかけると、録音状態をポーズにして再び録音待機状態にします。

アナログレコードのB面に針を落して、再生ボタンを押し録音待機状態を解除して録音を再開します。

最後まで録音が終わると停止を押して完全に停止します。

停止した後に、ファイナライズをして完成です。

アナログレコードの音をCD-Rに録音する最良の方法の写真
アナログレコードの音をCD-Rに録音する最良の方法

単体のCDレコーダーやDATレコーダーの機種の中には、SBM-スーパービットマッピング(Super Bit Mapping)やUV22などの高音質技術の使えるものもありますが、ここでは使わないようにしています。

これらの高音質技術を好むオーディオファンも多いと思いますが、若干音が不自然になるので私は好みません。

このように面倒である単体のCDレコーダーでアナログレコードをCD-RにしたCD-Rは、パソコンで制作したものと比べ音質が良いのです。

ここで音質が良いというのは、ディジタルデータの上で美しいを言っているのではありません。

ディジタルデータだけを考えるとパソコンで制作したCD-Rの方が、エラーが少なく美しいかも知れません。

しかし、視聴上の音では単体のCDレコーダーが全くと言って良いほど良いのです。

もちろん単体のCDレコーダーでCD-Rを制作しても、完全100%の音質では制作はできませんが、パソコンを利用して制作したCD-Rよりも遥かに音質は優れています。

音質が優れているといのは、高音が良いとか低音が良いとか言うのではなく、アナログレコードの音の鮮度を失わずに雰囲気を上手くCD-Rで再現できているかで判断しています。

パソコンを使用してアナログレコードをCD-Rにすることは、一見簡単のように見えますが実際に納得のできるものを制作することは大変難しいものです。

そのようなことを考えると逆に最初から単体のCDレコーダーを使用した方が、逆に楽ではないだろうかと思います。

実際、私自身は、パソコンを利用していろいろな方法でアナログレコードをCD-Rに録音する実験をした結果、少しは良くなったものが出来上がったのですが、単体のCDレコーダーで制作したような音質は得ることができませんでした。

パソコンで、そこまでしても全く結果が得られないなら、最初から音の良いCDレコーダーでCD-Rを制作すれば、時間の節約にも、満足度を得られるので良いと考えるようなりました。

それから、アナログレコードのCD-Rを制作するのは全て単体のCDレコーダーで制作するようになっています。

注意)単体のフォノイコライザーアンプの出力がDATに入力に直接つなげるかどうかを、必ず説明書で確認してから繋いでください。

アナログレコードのCD-Rを制作することについて考える つづく


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