File No.32-4  Technics(テク二クス)の復活について(4) -コラム-

Technicsの最初に復活したオーディオ(1)について解説しています。

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Technicsの最初に復活したオーディオ

P社のオーディオブランドが復活したとき、最初に驚かされたのが、そのオーディオの価格でした。

スピーカーとアンプ、ネットワークプレーヤーをセットにすると、総計で500万円を超える超高級オーディオだったことです。

これではTechnicsのオーディオが復活しても、一般庶民には手の届かない高級製品です。

ハイエンド・オーディオとしてのイメージリーダー的な存在のオーディオでのTechnicsの復活でした。

これらのTechnicsの超高級オーディオについて、考えていきたいと思います。

Technicsの超高級オーディオについて考える(1)

いきなりオーディオブランドのTechnicsが復活して、いきなり庶民には手の届かない500万円以上するオーディオなど想像も出来ませんでした。

最高級のハイエンド・オーディオは、地道なオーディオの研究・開発の成果で初めて誕生できるものです。

いきなり最高級で登場したTechnicsのオーディオは、どれだけの実力があるのかがオーディオファンにはたいへん気になるところです。

そこで、完全な私のオーディオの考えになりますが、Technicsの最高級のオーディオを見ていきたいと思います。

定価150万円を超えるTechnicsの最高級パワーアンプ

このパワーアンプの特徴は、スイッチング回路で信号を増幅するディジタルアンプということです。

ディジタルアンプは、増幅の効率が良いので将来のオーディオアンプとして注目されており、この辺は大手の家電機器メーカーらしさがでているように思います。

Technicsの最高級オーディオプアンプの写真
Technicsの最高級オーディオプアンプ

このパワーアンプは、従来の電力を増幅するパワーFET代わりとして注目されているGaN-FET Driverという使用して、信号を増幅していることに特徴があります。

このGaN-FET Driver自体ディジタルアンプなので、ドライヴユニットが集積化されているのでドライヴ段は、たいへんコンパクトに仕上がっています。

この巨大な固体のほとんどの部分が、GaN-FET Driverに奇麗な直流電源を送るための定電圧回路になっており、その部分のトランスなどで全体が巨大になっています。

巨大な電源に対して、アンプのドライヴ部分がコンパクトなのが、このTechnicsのパワーアンプ特徴です。

Technicsのパワーアンプは、ディジタルアンプという現在の最先端の技術を導入したオーディオアンプであることは間違いないと思います。

ここから私個人の見解になります。

このパワーアンプが定価150万円の価値があるかどうかついて考えてみたいと思います。

電源部分は、かなりの贅沢な造りで相当な価値があると思いますが、気になるのはオーディオ信号のドライヴの部分です。

このアンプのドライヴ部分には、GaN-FET Driverという素子が使用されています。 GaN-FET Driverが使用されるのは、高級なディジタルアンプでは当たり前といえますが、その部分がたいへん気になります。

Technicsの最高級オーディオプアンプの内部の写真
ディジタルアンプとアナログアンプのドライヴ段の比較

GaN-FET Driverは、ICパッケージ化されているので、従来のコンプリメンタリのサイズ大きなFETをディスクリートして製作するパワーアンプに比べ音質をコントロール部分がほとんどありません。

ということは、GaN-FET Driverの音質が完璧であるという必要があります。

このGaN-FET Driverは、恐らくTechnicsがオーディオ仕様に独自開発したものではなく、ICメーカーのTI社のオーディオ汎用部品のひとつではないかと思います。

つまりTechnicsが、このオーディオアンプの音質をコントロールしていないということになります。

これはTechnicsのオーディオを製作する技術者にとって、たいへん寂しいことではないかと思います。

このことは私の完全な間違いで、妄想であることを望みます。 GaN-FET Driverが、Technicsがオーディオの開発の為に完全オリジナルのオーディオ部品であることを望んでいます。 昔のTechnicsであれば、それぐらいのことは簡単に実現できたからです。 (今のところGaN-FET Driverの部分が、Technicsの完全なオリジナルかどうか判断できません。)

このGaN-FET Driverの部分の信頼性や音質は、まだ未知の領域であると私は考えています。

このパワーアンプの価格を考えるとき、GaN-FET Driverの音質が従来の最高といわれる純A級動作のパワーアンプより音質的に優れているかを最低限調べておく必要があると思います。

ディジタルアンプというドライヴ方式が全く違うので関係ないという言い訳は、オーディオを真剣に追求するオーディオファンにとっては全く通用しません。

これは、オーディオアンプの低歪率や変換効率の良さなどのスペック上の優劣をいっているのではありません。

実際にスピーカーに繋いで音を再生し、視聴して耳で判断したときの音質のことをいっています。

いろいろなオーディオアンプの高音質な信号増幅方法を追求に追求することで、初めてハイエンドのオーディオが誕生できると考えています。

今回のTechnicsのパワーアンプは、価格が150万円を超える一般庶民には無縁の最高級のオーディオ機器だったので、かなり厳しく評価させていただきました。 これは、あくまでも私個人のオーディオについての見解です。

ディジタルアンプは、増幅段がパッケージ(集積回路の中に入っている)になっているので、基本的な音質はパッケージの性能に左右します。

その音質を良くするには、大まかですが奇麗な直流電源をパッケージに送り出すことぐらいです。

このドライブ段のディジタルパワーICは、P社のオリジナルのディジタルパワーICでなければ音質をコントロールできるのは、ディジタルパワーICを製作した企業だけになります。

価格が150万円のする超高級品なのに、音質を左右するドライヴ段にTechnicsの優秀な技術者が直接メスをいれることができければ寂しい限りです。

ディジタルアンプであれば、以前のようなオーディオアンプを造るノウハウは必要ないかもしれませんが、これが日本で最高の電気技術者のいるP社の復活したオーディオブランドのTechnicsから登場したことが私は残念でなりません。

本物のTechnicsのオーディオの実力を見てみたいと心から思います。

Technicsの高級ネットワークオーディオプレーヤー

Technicsの復活で最初に登場した1つにネットワークオーディオプレーヤーがあります。

これは基本的にはコントロールアンプにネットワーク機能を搭載した最近のオーディオの流行のオーディオ機器です。

ネットワークオーディオプレーヤーは、一応コントロールアンプなのですが、どちらかというとコントロールアンプというよりADDA相互変換できるディジタルセレクターあるいはディジタルパッチベイに近い感じがあります。

このネットワークオーディオプレーヤーには、Technics Digital Linkという独自伝送方式が備わっていて、Technics Digital Linkの付いているのパワーアンプと一緒に使うがメインになっているようです。

このTechnicsのネットワークオーディオプレーヤーは、価格が80万円を超える超高級オーディオなので、徹底的に低ノイズ化や左右の音の干渉を徹底的に排除するために左右独立に信号が流れるように工夫されています。

Technicsのネットワークオーディオプレーヤーの写真
現在最高の位置のネットワークオーディオプレーヤー

ネットワークオーディオプレーヤーの中で最高の位置にあるものだと思います。

ここから私個人の見解になります。

Technicsの復活は、完全ピュアではなく、ネットワークを利用できるディジタルコントロールアンプできたかという感じです。

ネットワークとディジタルコントロールアンプは、今後のオーディオで主流になっていく存在だと予想されます。

ネットワークオーディオプレーヤーに使用されているディジタルというものが、ある意味高級オーディオでは、たいへん厄介な存在になります。

なぜならディジタルの製品は、最初はたいへん高額な製品で展開されるのですが、すぐにICに集約化されてきて低価格な製品が登場してしまいます。

現在、ディジタル機器で100万円価値があっても、数年すれば価値は大幅に下がってしまう運命にあるからです。

アナログの技術の結晶のコントロールアンプであれば、ディジタルのような価値の低下はありません。 アナログ機器は古くなると価値が低下しますが、ディジタルでは新しく解像度などが上がると、古いものは全く価値がなくなってしまうからです。

ディジタルカメラのボディを見れば理解できると思います。 レンズは価値が低下しませんが、ボディは素子の解像度で大きく低下します。

オーディオでのディジタルカメラにおきたようなことが、起こりつつあります。

復活したTechnicsは、ディジタル技術で頂点を目指すより、アナログの最高傑作のようなもので復活して欲しかったように思います。

Technicsの超高級オーディオについて考える(2) つづく


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