File No.32-7  Technics(テク二クス)の復活について(7) -コラム-

オーディオというものは、簡単ではないことについて解説しています。

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File No.32 / 07

オーディオは、簡単ではない。

昔からのことですが、オーディオブームになったときに、大手の家電機器メーカーが突如として、高級オーディオに参入してきます。

今回のTechnicsの復活も、かつてのオーディオブームの時と同じような感じがします。

私は、このような大手の家電機器メーカー突如のオーディオの参入を何度か見てきました。

必ずといって良いほど大手の家電機器メーカーが製作するオーディオは、大手の企業しかできないハイテクの技術が入っています。

それがかつてないような低歪率であったり、ユニークな素材を使用したりして、他社のできないことを頻繁にアピールしてきます。

オーディオファンは、大手家電メーカーのオーディオに使用する新しいハイテクの技術やオーディオ理論などにたいへん興味を持ちます。

私もオーディオで新しい考えに興味があり、大手の家電機器メーカーの新しいオーディオが発表されるたびに、いろいろと視聴してきました。

そこで、ある結論にたどり着くことになりました。

良いオーディオの製作は、

   

『一朝一夕にはいかない』

   

という結論です。

どのような優れたオーディオ理論もハイテク素材も低歪率であっても、製品そのものを長く研究していかないと本当に良いものを製作することはできません。

このことは、急に参入してきた大手の家電機器メーカーのオーディオ機器を何度も視聴して、その音の物足りなさを感じて理解できるようになりました。

オーディオは、最新鋭のハイテク技術を導入したりすることは、たいへん魅力的で大切なことだと理解できますが、それ以上に大切なのは、日々の良い音への追求と研究を継続することが大切です。

大手の家電機器メーカーの新しいオーディオ機器は、いつも素晴らしい技術力を披露して楽しませてくれるのですが、それが音になるとまだまだ赤ん坊のような感じがあります。

オーディオ老舗のメーカーと大手の家電機器メーカーの新しいオーディオ機器を比べると、 大手の家電機器メーカーの新しいオーディオ機器には、音全体のバランスや主張する音の個性のようなものが欠けているように思います。

家電機器メーカーの新しいオーディオ機器を視聴すると、いつもそのことを感じます。

もちろん大手の家電機器メーカーが、真剣にオーディオ機器の研究・開発を継続していけば、常識を覆すくらいの素晴らしいオーディオが誕生することは間違いないでしょう。

復活したTechnicsのオーディオは、まだ始まったばかりだと考えた方が良さそうです。

今後のTechnicsのオーディオの展開に期待していきたいと思います。

本当に人を感動させる良いオーディオの製作は、

   

『一朝一夕にはいかなく』

   

研究・開発を継続していくことが一番大切なことだと思います。

オールド・テクニクスの写真
オーディオは、研究・開発を継続していくこと大切です。

オーディオファンの一人として、復活した『Technics』に大きく期待していきたいと思います。

オーディオブランド『Technics(テク二クス)』から家電製品の高品質化へ

『Technics(テク二クス)』はP社のオーディオブランドですが、かつてのP社前M社が世界一の品質を誇っていたことについてお話したいと思います。

かつてP社(M社)が他社の日本の家電機器メーカーと違い、品質が一歩先に進んでいた理由は、P社の電化機器に使用される全ての部品を自社生産することができたからです。

部品の自社生産には関係会社など中小、零細工場も含まれます。 品質管理も非常に厳しく、P社の自社生産した部品の性能はたいへん優れていました。

そのために、かつてのP社の家電製品の品質は、故障などがほとんどなく世界一だったのです。 たとえ故障してもスピーディに対応し、対策を怠ることはありませんでした。

これらの部品の自社生産の理念は、P社の創業者のM氏が求めた経営理念でした。 またM氏は、自社生産した部品を同業他社にも供給することを惜しみませんでした。

P社の部品は、他社の家電製品の品質の向上ににも貢献しました。

P社(旧M社)が、他の大手の家電機器メーカーよりも遥かに信用を獲得していたのも、創業者M氏のこの経営哲学によるものだと思います。

もちろん旧M社は、町の電気屋さんやサービスセンターなどもたいへん重視していたのもたいへん有名なお話です。

それぐらい製品の品質を重視していたM社でしたが、1990年以降の創業者のM氏の引退などもあり、P社に新しく名義を変更してグローバル化を推進するようになりました。

最初P社は、低価格の製品を製造を海外で生産するとしていましたが、すぐに方向転換してほとんど全ての製造を海外でするようになりました。

グローバル化の為に、これまで自社で生産していた部品を取りやめて、海外で部品を調達するように切り替えていきました。

部品を自社で生産しなくなったことが原因で、P社の製品の品質は大幅に低下し、かつてのような世界一の品質の製品ではなくなってしまいました。

このまま進んでいくと、日本の家電製品の品質で世界一になることはなくなってしまいまい、何れ日本製品の信用は低下してしまうでしょう。

今回のTechnicsの復活において、もう一度、旧M社が求めた世界一の品質を取り戻して欲しいと心より願う限りです。

オーディオは、人の感性を扱う特殊な製品なので、家電機器製品以上に品質が重要になってきます。

良い音のオーディオを製作するには、高品質な部品が必然となってくるでしょう。 音質を追求していけば、自社生産の部品も多く必要になってくるのは間違いありません。

このTechnicsの復活の機会にP社の家電製品も高品質化を目指して、かつてのような世界一の品質の製品を販売することを切実に望みます。

復活したTechnicsへの切実な希望 つづく


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