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Technicsの超高級オーディオについて考える(2)
Technicsの最高級スピーカー
オーディオで最も追求していくことが面白く楽しいのは、恐らくスピーカーだと思います。
私は、オーディオでスピーカーが最も好きです。
Technicsに復活の製品にスピーカーが登場したことに、たいへん嬉しく思いました。
この新しいTechnicsのスピーカーは、平面のミットレンジ(コーン型のにツィーターを同軸配置をしている同軸型のユニットで中高音の再生して低音の再生に16cmのウーハーユニットを4個配置した贅沢でユニークなスピーカーです。
同軸型(COAXIAL) のユニットを使用することで、中高音の点音源という理想的な再生を目指したスピーカーです。
Technicsに復活の初っ端に、未来志向型のたいへん難しいスピーカーを用意した感じです。
このスピーカーは、理論的に優秀であると思いますが、同軸型(COAXIAL) のユニットにプラス複数のウーハーが配置されているので、スピーカーの構造上複雑になるというデメリットがあります。
理想を求めてスピーカーが構造的に複雑になると、良い部分もあるますが、必ず問題が発生します。
このTechnicsに採用されている同軸型(COAXIAL)の中高音ユニットは、点音源というメリットがあります。
点音源は音の定位が良いことから、昔のスタジオモニターに多くに採用されていました。
しかし現在では、分割振動の問題や後のユニットの振動が前のユニットに影響など、同軸型特有の癖があるので、スタジオモニターに使用されることは少なくなってしまいました。
それらのことから考えると、この復活したTechnicsのスピーカーが、かなりの特殊であることが理解できるのでないかと思います。
このTechnicsのスピーカーの価格は、1本130万円以上もする超高級ハイエンド・スピーカーです。

Technicsのスピーカーの私の個人的の見解は、私がオーディオで最も好きな分野のスピーカーなので、厳しく評価したいと思います。
まず、このTechnicsのスピーカーは、1本130万円という超高級品でハイエンドのオーディオを目指したものであるということです。
このスピーカーの価値について考えたいと思います。
スピーカーというものは、ユニットの大きさが大きくなるほどアッセンブリーの物量が必要となり製造っする為のコストが上がります。 特にウーハーにかかるコストは、ユニットの大きさに対して顕著にでてきます。
復活したTechnicsのスピーカーは、同軸型中高音ユニットを1本と16cmのウーハーユニットを4本配置したスピーカーです。
ここで単純にこのTechnicsのスピーカーの製造コストについて考えてみたいと思います。
単純に考えて
同軸型ユニット(特殊) 10万円 × 1
ウーハー(16cm) 2万円 × 4
とすると、このTechnicsのスピーカーのスピーカーユニットに対すてかかったコストは、約20万円ということになります。
ということは残りの価格の100万円は、キャビネットとネットワークの価格ということになります。
それらを総合して考えると、このスピーカーの価格が妥当かどうか理解できるのではないかと思います。
オーディオというものは、音を再生する機器なので
『音が良ければ価格は関係ない』
という意見もあると思いますが、私はそのような考えには賛同することはできません。
オーディオが音が良いだけで良いなら、オーディオの価格などの基準は存在しなくなります。
下手をすればオーディオは、高価であればあるほど良いということになりかねません。
それではオーディオ製作するメーカーは、真剣にオーディオを製作する努力を怠りかねません。 良い製品をつくるよりも、良い音のイメージをいかに演出するかが勝負になってしまうからです。
これではオーディオというものの、今後の発展は期待することは出来ません。
今回の復活したTechnicsのスピーカーのアイデアやユニークな発想などは、ある程度は理解できますが、総合的に考えると少し残念な感じがしてしまいます。
Technicsのスピーカーについて評価は、私が最も好きなオーディオの分野なのでたいへん厳しく評価させていただいております。
異論も多くあると思いますが、これが私のTechnicsのスピーカーに対しての正直な考えです。