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真空管ギターアンプ
ブルースロック、ハードロック、ヘビーメタルなどに真空管ギターアンプが、どれほど貢献したか計り知れません。
それほどエレキギターと真空管アンプは切っても切れない存在です。
エレキギターが登場した時代には真空管ギターアンプしかなかったことも、時代の偶然の産物ともいえるでしょう。
数々の偉大な有名ギターリストを登場させたのも、真空管アンプのサウンドの存在があってのことだと思います。
もちろんジャズギターにも真空管アンプが大きく貢献していることは間違いないことなのですが、真空管アンプの音の良を最も理解しやすいのが、ハードロックに使用されるオーバードライブやディストーションのエレキーギターのひずみ系のサウンドです。
真空管アンプのひずみサウンドがあって、ハードロック・サウンドというのが成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
それぐらい真空管アンプのエレキギター・サウンドというものが、素晴らしいものです。
オーディオでは、半導体アンプの時代に移り変わっても、プロの世界での真空管アンプは全く廃れることはなく、現在までも支持され続けられています。
このプロのギターリストの世界での真空管アンプの音を支持する現象は、将来にわたっても変わることはないでしょう。

真空感ギターアンプのサウンドは、半導体アンプではなかなか得られません。
これはレコードを聴くと、簡単に音の良さを実感できるのですが、一応簡単に説明しておきたいと思います。
ハードロックやへビィメタルのような音楽を全く興味のない、あるいは知らない人からすると、ハードロックやへビィメタルのエレキギターの音は、騒がしいだけで迫力があるだけの産物と想像されるかも知れません。
全くこの世界のサウンドを知らない人からすれば、ハードロックやへビィメタルのエレキギターのディストーションやオーバードライブを使用したひずみ系サウンドは、五月蝿く迫力さえ出せば良いように思われるでしょう。
しかし、実際のハードロックやへビィメタルの有名ギターリストのギターサウンドは、全く違います。
信じられないことかも知れませんが、ハードロックやへビィメタルの有名ギターリストの奏でるギターサウンドは、大変柔らかく滑らか歪んだ音で、人の頭を刺激するような心地良さを持っています。
この心地良いひずみのギターサウンドがなけれは、ハードロックやへビィメタルが世界的に多くのファンをつくらなかったかもしれません。
そのような心地良いひずみのギターサウンドを作り出すのに欠かせないのが、真空管ギターアンプなのです。
真空管ギターアンプが作り出すサウンドは、ディストーションやオーバードライブのギター歪みサウンドの高音の部分の頭の部分を上手く自然に丸めるような感じになり、歪み音の嫌な高音が頭に突き刺さってくる感じが全くなく、むしろ歪み音が非常に心地よく感じられます。
もし、ディストーションやオーバードライブに半導体のギターアンプを使用したなら高音まで全く曖昧さがなくスッキリとひずむようになりますが、ただ単にひずんでいるだけのサウンドになります。
半導体のギターアンプでは頭に鋭いひずみ音が突き刺さってくるような感じになり、全く聴いていて心地の良いサウンドにはなりません。
あえて言葉で表すと、真空管のギターアンプがジャーーンという感じに対して、半導体アンプではギャーーンと言う感じでしょうか。
真空管のギターアンプのジャーーンと非常に心地よくひずむのに対して、半導体アンプのギャーーンは鋭く耳障りにひずみます。
この辺は、言葉で表すことが大変難しいので興味ある方は、各自でいろいろなハードロックやへビィメタルのアルバムを聴いて確認してください。
オススメとしては、
エリック・クラプトン(John Mayall & The Bluesbreakers、Cream)

初期のハードな独自サウンドが魅力的です。
リッチー・ブラックモア(Deep Purple、Rainbow)

Deep PurpleとRainbowのギターリストで、Hush、smoke on the water、 black nightなど一度聴くと頭に残ります。
マイケル・シェンカー(UFO、MSG)

UFO、MSG(マイケル・シェンカー・グループ)のギターリストで、白黒の塗られたフライングVがトレードマークで大変美しいメロディラインを弾きこなします。
UFO時代のマイケル・シェンカーが弾いている曲と他の曲を聴き比べれば、マイケル・シェンカーの偉大さが理解できると思います。
エディ・バンヘイレン(VAN HALEN)

アメリカの天才ギターターリストのエディ・バンヘイレンがつくったハードロック・グループで、初期はボーカルのディブリー・ロスの派手なショウバンドでした。
エディ・バンヘイレンは、独自のライトハンドというギター奏法を披露して世界的にライトハンド奏法というのを有名にしました。
ヨーロッパ系のハードロックバンドの重たい感じとは異なり、大変明るい感じのハードロックバンドで違いを大変楽しめます。
ランディ・ローズ(Ozzy" Osbourne)

Ozzy" Osbourneの初代のギターリストとして活躍したランディ・ローズは、ハードロックの不滅の傑作のアルバム2作を残した後に不時の飛行機事故により、この世を去ってしまった、惜しまれる天才ギターリストです。
もともとランディ・ローズ自身は、クラッシックギターの奏者だったので、ヘビーなロックとは思えないぐらい美しいメロディラインを弾きこなし、素晴らしいアルバムに仕上げてられています。
ランディ・ローズの存在がなければ、Ozzy" Osbourneの2枚の傑作はなかったものだと思います。
Ozzy" Osbournemのアルバムのジャケットを見ただけで、普通の感覚の持ち主なら、その場を去っていくことでしょう。
しかし、ジャケットから想像も出来ないような美しいギターサウンドが聴けることに大変驚かれることでしょう。
ゲーリー・ムーア

ゲーリー・ムーアといえば、ブルース・ギターリストで有名かもしれませんが、デビューはハードロッカーでした。
初期のアルバムがオススメです。
イングヴェイ・マルムスティーン(ALCATRAZZ)

グラハム・ボネット(Graham Bonnet)が、新人のギターリストのイングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie Malmsteen)
を携えて新しく結成したハードロックバンドのAlcatrazz。このAlcatrazzが、天才ギターリストのイングヴェイ・マルムスティーンを輩出したといっても過言でないぐらい、強烈なギターを披露してくれました。
ライヴのソロ演奏中にボーカルのグラハム・ボネットが、ギターアンプからイングヴェイのギターのシールドを抜くアクシデントも発生するぐらいイングヴェイのギターは炸裂していました。
ジミー・ペイジ(LED ZEPPELIN)

言わずと知れたLED ZEPPELINのギターリストで大変カッコの良いギターリフが聴けます。
上記以外にも素晴らしい作品は、数多く存在しますが、あげたらきりがなくなるので、この辺で終了にしたいと思います。
以上にあげたことから理解できると思いますが、プロのギターリストが真空管アンプを求める理由は、素晴らしい作品を制作するための大切なパートナーだからです。
今後も、プロのギターリストが、良いサウンドを求め続ける限り真空管ギターアンプは廃れることなく存在していくものだと考えられます。
ギター真空管アンプでは、真空管を保護するためにカバーに収納しなければならないことは理解出来まが、真空管ギターアンプであっても、窓をつけて真空管がのぞけるようにした方が、真空管のほのかな光を見ながら、練習や演奏する方が楽しく演奏できるように思います。
真空管のほんかな光とあたたかさが、出て来る音にも生命が宿っているような錯覚をしながら演奏をすると音楽に気持ちを入り、演奏に一層熱が入るでしょう。