File No.64-3  音楽について考える(3) -コラム-

好きなアーティストのアンダーグラウンドまで求めたことについて解説しています。

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File No.64 / 03

好きなアーティストにはアンダーグラウンドまで求めた。

あるアーティストの音楽を好きになってしまうと、アンダーグラウンドまで求めてしまうことがあります。

ビートルズ(The Beatles)などの音楽が好きになってくると、ビートルズの未発表の作品まで求めて聴きたくなってしまいます。

レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)などは、アルバム以上にライヴ音源の方が興味が涌いてきたりするものです。

昔からビックアーティストには、アンダーグラウンドの世界のものが存在しました。

初期のアンダーグラウンドのものは、ただ正規盤のレコードを複製した粗悪なものが多かったのですが、アンダーグラウンドの世界にも進化と発展があり、アーティストの未発表ライヴ音源やアルバム未発表音源など多彩な方向に進んでいきました。

そのアンダーグラウンドの世界で、本当に感動するようなものが存在しました。

それは、ビートルズの幻のアルバムといわれいた『GET BACK』です。

ビートルズのラストアルバムは、『LET IT BE』ですが、実際のラストレコーディングは『ABBEY ROAD』で、『LET IT BE』の時代のアルバムの『GET BACK』はお蔵入りしたアルバムでリリースされていませんでした。

『GET BACK』は、後期のビートルズのレコーディングなどが複雑になっていったのを、もう一度原点の『Please Please Me』の時代の原点も戻ろうということでコンセプトされたアルバムでしたが、当時、メンバーの関係が悪化したためにアルバム『GET BACK』はリリースされることなく没になってしまいました。

PRESE PLEASE ME  &  GET BACKの写真
PRESE PLEASE ME & GET BACK

そのためアルバム『GET BACK』は、幻のビートルズのアルバムとして、多くのビートルズファンが捜し求めていたものです。

アンダーグランドとはいえ幻のビートルズのアルバムの『GET BACK』が、聴けることは本当に嬉しいことでした。

Beatles  -  GET BACKの写真
Beatles - GET BACK

この『GET BACK』の音源内容とジャケットセンスにしても、最高のものだったと思います。

私は、このアルバムのジャケットを見たとき本当に感動しました。

その他、ビートルズ、デビュー前の幻の音源

Beatles - THE DECCA AUDITION TAPESの写真
Beatles - THE DECCA AUDITION TAPES

ビートルズがデビュ前ににDeccaレコードのオーディションをして、落ちたという伝説の音源ですが、本当の所の真相は不明です。

ビートルズが『Badfinger』に提供した曲『Come And Get It』の未発表曲のビートルズ・バージョンのオープニングには度肝を抜かしました。

全体的に音が歪んでいたのですが、気にならないぐらいの内容です。

Beatles  -  SESSIONSの写真
Beatles - SESSIONS

この『SESSIONS』アンダーグランドとはいえ、公式盤以上に美しいジャケット・センスには驚愕でした。

ビートルズのアンダーグランドは、大変歴史があり、本当に楽しい世界でもあります。

LED ZEPPELINのアンダーグラウンドは、CDになってから開花した感じがあり、ありとあらゆるライヴ音源が登場しました。

LED ZEPPELIN  -  Live On Blueberry Hillの写真
LED ZEPPELIN - Live On Blueberry HillP

1970年9月4日ロサンゼルス公演を収録したもの。

1970年のLed Zeppelinのライヴが聴けることは、Led Zeppelinファンにとって夢のようなアイテムでした。

LED ZEPPELIN  -  BBC ZEPの写真
LED ZEPPELIN - BBC ZEP

1971年のBBCライヴ音源、ジャケットイラストが大変ユニークで、人気のあるジャケットでした。 現在では、オフィシャルリリースされているのでで、音源的には全く価値がないかも知れませんが、低音に迫力のある音質は魅力がありました。

現在では、アンダーグラウンドものを探さなくても、オフィシャルで音質の良い未発表音源が普通に発売される時代になりました。

これはアンダーグラウンドの世界が、かなり影響したものだと思います。

また、youtuubeなどの動画サイトで珍しい音源などを聴くことができるようになっているので、かつてのようにアンダーグラウンドのものを探す必要も薄くなってきていると思います。

昔のアーティストの音楽は、アンダーグラウンドのものまでも求めていたのですが、最近のアーティストの音楽で、そこまで求めることはほとんどありません。

オフィシャルで普通に発売しているものを購入すれば、音もよく十分に満足でき、わざわざ音の悪いアンダーグラウンドのものを聴きたいとも思わないのだろうと思います。

今回、アンダーグラウンドのものを紹介したのは、決してアンダーグランドのものをオススメしているのではなく、好きなアーティストの正式に発売されたもの以外の未発表曲やライヴ音源などのアンダーグランドものまで求めてしまう情熱が、かつてのアーティストの音楽には存在していたということを言いたかったからです。

かつてのアーティストの音楽には、ファンにより深い興味と追求を求める欲求があったと思います。

アーティストへの深い欲求がなければ、アンダーグラウンドの世界など存在しえなかったでしょう。

このようなアンダーグラウンドものまでも求めてしまうようなアーティストは、現在どれぐらいいるでしょうか。

恐らく、ほとんどいないのではないかと思います。

現在のアーティストの音楽を好む人たちの アーティストへの欲求が変わってきているように思います。

好きなアーティストの音楽であってもヒット曲だけしか必要なく、残念なことですがアルバム作品の全体を聴きたいとは思わないのかも知れません。

一応、音楽について語る上で必要な経路だと思いアンダーグラウンドの物まで紹介してしまいました。

もう一度改めて申しておきますが、決してアンダーグラウンドのものをオススメしているのではございませんので、ご理解お願いいたします。

高度な音楽だけが、素晴らしいのではない。 つづく


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