File No.64-7  音楽について考える(7) -コラム-

オーディオと音楽について解説しています。

Home >column >File No.64-7

08 / 07
column_tag
File No.64 / 07

オーディオと音楽

オーディオというのは、基本的に音楽をサポートするサブ的役割をもっているのが、オーディオ機器です。

それは、アンプであれ、スピーカーであれ、CDプレーヤーであれ、基本は同じことです。

最初に良い音楽があり、音楽を最高に引き出すのがオーディオ機器というものになります。

オーディオ機器があり、良い音楽が存在するものではありません。

これは、オーディオにとって死活問題になるぐらい重要なことだと思います。

最近では、アイフォーンやスマートフォンでダウンロードした楽曲を、ヘッドホンを使用して音楽を楽しむのが主流となっています。

だんだんと大型のオーディオ機器など、家庭にとって邪魔な機器になってきているように思われます。

アーティストの人たちは、自身の楽曲が売れると収入が増えるので、音楽を視聴する機器など関係ないと思うかも知れません。

生演奏の芸術を好むアーティストからすれば、自分の芸術はオーディオ機器などでは表現できないと考え、高級なオーディオ機器などを軽視する傾向もあるようです。

特にクラッシックの演奏家たちに、オーディオの音を軽視する人が多いように感じられます。

私は、アーティストたちに大型のオーディオ機器を積極的に自宅に導入して、自身のオーディオをファンや一般のオーディオファンに公開して欲しいと思っています。

なぜなら多くのファンたちが、好きなアーティストたちが大型オーディオ機器で音楽を楽しんでいることを知ると、大型のオーディオ機器でアーティストの作品を聴きたくなるのがファンだからです。

昔なら、ファンの人たちがより良い再生を求めて、自身のオーディオを組み立てていたので、アーティストの人たちが、ここまでファンたちに気をつかう必要などありませんでしたが、現在は、大型のオーディオで音楽を楽しむようなファンが少なくなってきているように感じられます。

大型のオーディオで音楽を楽しむようなファンを持つということは、アーティスト自身の作品をより深く求めるファンを持つということになります

作品をより深く求めるファンを持つということは、流行に左右されるファンとは違い、長く作品を愛してくれるファンになっていくでしょう。

流行に乗っているときには、多くのファンが音楽を聴いて楽しんでくれていたのに、流行が去り廃れてきると、全く聴かなくなってしまい放りぱなしにされてしまうのは、心を込めて作品を制作したアーティストには本当に寂しいことだと思います。

自身の作品を大型なオーディオ機器で楽しむファンが増えることは、自身の作品を長く愛してくれる息の長いファンを持つということになることだと思います。

音楽を簡単に気軽に楽しめるようになった現在だからこそ、アーティストたちは自身の作品をより深く楽しむように、自ら大型のオーディオ機器を使用して楽しんでいる姿を見せることで、より深く自身の作品をより深く理解してもらえるようになり、長く愛してもらえるようになるでしょう。

多くのファンの人たちに長く自身の作品が愛されることは、アーティストにとって最高の光栄なことではないかと思います。

CDの登場は、ロック、ポピュラー音楽に過酷な試練を与えた。

CDは、片面仕様で約74分記録できます。

これは、ベートーベンの第九が入るように考えられた仕様だといわれています。

このCDの登場は、ロック、ポピュラー音楽に過酷な試練を与えたかも知れません。

アナログレコードは、表裏のA面、B面があり、片面せいぜい30分しか入りません。(無論片面30も入れると、音質は相当悪くなります。)

アナログレコードではクラッシックやライヴ盤以外のアーティストの音楽作品は、約35から50分ぐらいでで、ほぼ完結しています。

アーティストは、A面とB面の構成を考え、約35から50分までに入る音楽を製作すれば良かったのに対して、CDでは連続で74分記録できるのでアナログレコードよりも長い音楽作品を製作する必要が出てきました。

別にCDに30分ぐらいの作品を入れるのはアーティストの自由ですが、最近のCDの作品で30分ぐらいしか入っていないと、一般に大変短く感じてしまいます。

このCDに入れる時間を最も考えているのは、音楽製作者のアーティストだと思います。

アナログレコードの時代では、A面、B面の曲のバランスを考えて音楽を収録すれば良かったのですが、CDでは60分以上の音楽を収録を考えなければなりません。

昔、カセットテープには46分テープがあり、最も46分テープが売れていました。

これは、アナログレコードの作品のほとんどが両面合わせて46分以内であったことから、46分テープが主流だったと考えられます。

当時は、マスターのアナログレコードの劣化をさせないためにカセットテープに録音して楽しむのが普通でした。(そういえばダブルカセットという製品も流行っていましたね。)

ダブルカセット・デッキの写真
ダブルカセット・テープ・レコーダー

たまに46分を超えるレコードがあったので私自身、46分テープで録音しながら最後まで録音できるかヒヤヒヤしながら録音していたものです。(今となれば、懐かしい思い出です。)

アナログレコードではA面、B面の曲を合わせて合計46分ぐらい作品を制作すれば良かったのに対してCDでは約60分ぐらい、あるいは60分を超える作品を製作しなければならなくなってしまいました。

作品を46分ぐらいから60分ぐらいの拡張しなければならないことは、音楽を製作するアーティストには大変なことで、かなりの試練になっているのではないかと思います。

普通に音楽を製作して一曲3分から4分で完結したとしても、CDに全体に入れる時間を考えて一曲に対して数分伸ばさなければなりません。

上手くいき素晴らしい作品になることもあると思いますが、ほとんどの作品が間延びしてしまうように思います。

アルバムに入っているものでシングルカットされるようなヒット曲は、完全な出来栄えで仕上げることが出来るかも知れませんが、その他の曲の時間を引き延ばしをすると作品全体の間延び感はぬぐえなくなるでしょう。

アルバムの収録時間が長くなったことで、アルバムとしての作品に締まりがなくなってきているように思います。

CDの時代の作品には、アナログレコードにあったようなLP全体を通して曲の構成が素晴らしいような名盤という作品が少なくなってきているように感じられます。

CDの登場は、長い音楽作品製作に時間を気にする必要がなくなったことは素晴らしいことだと思えたののですが、音楽を退屈させないでCD一枚に入れなければならないという、ロックやポピュラー音楽の製作に過酷な試練を与えたのではないかと思います。

今、考えるとアナログレコードは、ロックやポピュラー音楽にとって、作品を収納するメディアとしてA面、b面があり、音楽を飽きささなく最後まで聴くように曲を構成する容器として大変優れた記録媒体だったように思えます。

ディジタルが、音楽を変えてしまったのかも知れない つづく


column_tag
 
Site Search
 
全てのオーディオ・マスターファイルへ
▲このページのトップへ

Home >column >File No.64-7