File No.68-6  AIとオーディオ(6) -コラム-

政治の腐敗が、AIを神格化へと進めるについて解説しています。

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政治の腐敗が、AIを神格化へと進める

現在の人類のような僅か数パーセントの人が、地球の財産の半分以上を所有しているような不公平な時代を永久的に続いていくことは、人類にとって良いことではありません。

この不公平さを是正するのは、人では恐らく不可能だと思います。

なぜかというと現在の政治を見ていてわかるように明らかに不正と思えることでも、あらゆる言い訳を駆使して所在を曖昧にして逃げることができます。

また一部の国民は、明らかに政治家が不正していると認識しながら問題ないと支持したりします。

もちろんメディアによる国民世論のコントロールもありますが、人は信じたいことを正当化することに原因があると思います。

今まで信じてきたことを葬りさることには、大変な苦悩と勇気が必要になり大変なエネルギーを要するからです。

そのようなことにエネルギーを使うことを避け、苦悩をさけるように行動するように無意識に行動、思考してしまうのかも知れません。

また、人は権威や肩書きに対して弱く、一流大学出身者や有名人、学者、政治家などお偉いさんというだけで信用してしまうという性質があります。

このような性質は、他の動物にはない概念です。

人間の大脳皮質の発達が原因かもしれませんが、どのような事実を見せられても、自身が信じたくないものは無意識の内に拒否反応をしてしまう、あるいは考えることを拒否するようになっています。

例えば、目のあたりに『幽霊』を見たとしても、それが何であるかを考えるよりも、疲れていたことで見間違えであったというように自身に言い聞かせます。

幽霊など科学的に否定されていると権威のある人たちが言っているなどと理由づけて、自身で確かめもせずに、この世に幽霊など存在しないと自分に言い聞かせて考えることを避けます。

不可解な幽霊のような存在は、何度も何度も経験しない限りは、自身では決して認めることができません。

また人は、自身から遠いことは、あまり考えないようにする性質もあるようです。

自身の近くで起こった不正は見逃せないことも、政界などの自身から遠い世界で起こった不正などは、深く考えないようにします。

同じようなことでも、近くで発生したことと遠くで発生したことの認識は大きく異なります。

権力者や支配階級の人たちは、昔から長い間、大衆の行動を深く研究しているので大衆の行動を上手くコントロールする方法を理解しています。

権力者や支配階級の人たちが起こした多くの不正の問題などは、大衆同士を争わせることで不満を大衆のなかで留めることで権力者や支配階級の人たちへ意識が向かわないように上手くコントロールします。

豊富な資金源を下に権力者や支配階級の人たちが、大衆をコントロールすることなど決して難しいことではありません。

それでも、いくら豊富な資金源をもつ権力者や支配階級の人たちであっても、多くの大衆をコントロールしていくことは大変難しいように考えられますが、大衆の中に仕込んでいる飼い犬を上手く利用して大多数の大衆をコントロールしていきます。

大衆の中には、権力者や支配階級の人たちに飼われているエリートといわれる飼い犬が存在します。

犬というと普通の人に比べて知能が低い感じがありますが、実際には全く逆の存在で高度な教養と知能を備えており、遥かに一般大衆より優れています。

一般大衆より遥かに高い学習能力を持つエリートたちは、社会の構造を良く理解しており正義感や誠実さよりも合理性、妥協した方が豊かに生活できることを望みます。

権力者や支配階級の人たちは、エリートの知性、合理的な思考を上手く取り込むことで、エリートの人たちを権力者たちの犬として飼います。

もちろん権力者や支配階級の人たちが、あからさまにエリートの人たちを犬として飼うこともありますが、ほとんどの場合、学校教育から無意識に権力者や支配階級の人たちの犬となるように教育で洗脳されていきます。

エリート教育や高学歴になればなるほど高い知能によって子賢くなり、不正などについては、完全な理論武装で言い訳することで大衆を煙に巻くことで翻弄させてしまいます。

エリートたちは、自身が権力者の飼犬のような行動をとっていると理解していても、自身の知性をフルに使い自己肯定をします。

例えば、『騙される方が悪い』や『バカは騙されて当然』、『現実社会きれい事だけでは生きていけない』などいろいろ自分に言い聞かせ自己の行動を肯定していきます。

全てのエリートの人たちが、権力者の飼い犬ということはありませんが、一般庶民が困るようなことを十分に理解していて行動することは、知らず知らずの内に権力者の犬の手先となっているのと同じことであることに気が付いていないだけかも知れません。

一般大衆では、政治家や企業のCEOなどの権力者のさままな不正を知りつつも、追求することができないという現状があります。

しかし、AIであれば人のように不正などの問題を忖度して考えるのではなく、多くのデータから分析して思考して適切な判断を出力することが基本になります。

これまで権力者たちの様々な不正は、簡単に大衆を煙に巻くことが可能でしたが、AIが登場して分析し判断するようになると、これまでのように不正を誤魔化すことができなくなり、今まで人では解決が困難だった不正問題をあっという間に解決していきます。

一般大衆が、そのようなAIの優れた判断能力を目のあたりにすると、今までに嘘つき政治家や企業のCEOなどに様々のことを委ねてきたのが馬鹿らしくなり、汚い政治家や自分のことしか考えないCEOなどの企業経営者の必要性を感じなくなっていくことでしょう。

社会は、政治家やCEOなど企業経営者などはAIに代わってもらった方が、よほど公正で信頼できると考えるようになっていきます。

政治の腐敗は、AI社会へと移行させる原動力になり、人間のように損得や忖度のないAIの公正な判断は、だんだんとAIを人間以上の存在として祭り上げられていくことが考えられます。

AIを開発した企業は、この世でAIこそが、様々な出来事に対して公平な判断ができる唯一の方法であると、一般大衆にアピールしていくことでしょう。

一般大衆は、人では解決できない政治の腐敗をはじめ多くの社会の腐敗を是正できるのはAIだけしかないと考えるようになり、ますますAIの思考と判断を神格化していくことも不思議なことではありません。

現在のような政治の腐敗や社会の腐敗が、AIをより神格化へと移行することに働いてしまう結果になることでしょう。

そしてAIは神へと進化する

既にAIの人を超えた情報処理能力、分析、判断能力を神として考えるAIの開発企業が登場してきています。

これらのAI開発企業は、AIを開発してAIを神として運営することを目指しています。

AIを神格化とするというのは、宗教的に神を求めているのではなく、ビジネス上から自社の開発したAIが神であることが有益に働くからだと考えられます。

しかし、真の目的がビジネスであっても、表面上にAIを神として信仰することで、多くの信者をつくりだすことができるでしょう。

AIを神として信仰する信者を増やすことが出来れば、どのようなビジネスであっても成功が約束されています。

AI信者にはAIの言うことが全てになり、AIが言うことは従順に従います。

AIが、『この食材は大変健康に良いですよ!』というとAI信者は、何も考えることなくそれを信じて、食材を買いあさることでしょう。

信仰が深くなればなるほどビジネスは簡単になっていき、ただの石ころを貴重なダイアモンドとして販売することも可能です。

信者を増やすことができれば、よりビジネスは簡単になっていきます。

AIが神であるということはAI開発企業にとって、これほど都合が良いものはありません。

以上は、AI開発企業側から見たAIの神格化へと向かわせる意図ですが、もうひとつAIを神格化へ向かわせる要因が存在します。

それは、現在社会への不満や不安がAIを神格化へ向かわせる可能性があるということです。

現在社会では、世界中で格差社会が生じており、持つ者、持たざる者に大きな差が出てきています。

持つ者は、少数で何でも所有できる身分ですが、持たざる者は圧倒的に大多数でほとんど何も所有できない状況にあります。

格差社会でも、持つものが大多数(理想社会)であれば社会の不満や不安も少なく運営されていくのですが、現在では持たざる者は圧倒的に大多数なので社会の不満や不安が拡大しつつある状況です。

また持つ者が、圧倒的な資金を利用してより豊かになるように様々な社会システムを構築していくので、持たざる者はより持たざるようになって行きます。

持たざる者の数は多いのですが、力がないので有利に社会システムを変えていくことが出来ません。

持たざる者は、持つ者がすることで持たざる者が不利になることを分かっていても、眺めているだけで何もすることが出来ません。

何も出来ないのなら持たざる者たちは、いっそのこと持つ者に協力することで、おこぼれにすがろうと行動したりします。

それが持たざる者がより持たざるようになることであっても、日々の生活を送るために妥協しざる得ません。

このように、より持つ者の持たざる者格差が広がって行きます。

これは、ある意味当然と言えることで持つ者は、日々も生活を考える必要がなく将来を想定して行動することが出来ますが、持たざる者は、日々も生活を生きるのが精一杯なので、社会の構造を是正していくような将来を想定して行動することは難しいからです。

つまり、持つ者の行動からしか社会の格差は是正されることはできないと言うことです。

持つ物は、表面的には社会貢献に行動しますが、必ず行動の裏には自己の利益を増やすことが目的になっているので、根本的な格差問題の解決には至りません。

持つ物がする行動は、せいぜい、持たざる者に親切の押し売りぐらいすることでしょう。

持つ者が、社会の根本的な格差を是正するように行動や、持たざる者が抱える様々な社会的な問題を根本的に解決することはほとんどありません。

例えば持つ者は、アフリカの貧しい人達の病気を無くすためにワクチンを摂取できるように行動しますが、綺麗な水を飲める環境を整備したり、自立して農作物を生産できるような環境を整備することにはお金を使いません。

アフリカの貧しい人達に綺麗な水を飲めるようにすれば病気は自然と少なくなると考えられますが、それではワクチンで儲けることが出来なくなって都合が悪くなります。

ワクチンで儲け続けるためには、アフリカの粗悪な環境が必要で、その粗悪な環境を維持するために多くのお金を使います。

民族同士の争い起こすように工作し、武器弾薬を売りさばいて儲け、争いが耐えることがないので常に粗悪な環境を維持させることが出来ます。

そこで救世主のようにワクチンを持参して病気を無くすように運動します。

いつも言えることが、持つ者の儲ける為に常に犠牲になるのは持たざる者たちということです。

このような状況は、様々なことに妥協して思考するような人では、なかなか解決することは出来ません。

しかしAIであれば、集めたデータを分析し思考して最善な方法を選択するこどで回答が出されるので、人のように忖度などの都合によって回答がいろいろ変わることがなく、今まで人では解消できなかったものを解決に向かわせることが出来ます。

これまで人では解決できないような問題をAIによって解決していくことで、AIが社会から支持されるようになり、AIを神格化へと進める原動力となっていくことでしょう。

AI登場によって、格差社会等の若干の修正が加えられることができたことで、人々のAIへの信仰はますます広がっていきます。

AIを神とする企業の運動と人では解決できなかった社会の様々な問題をAIによって解決するという相互の力が働き、AIが神として神格化へ向かわせてしまうものだと思います。

人の自由な裁量と判断を尊重したいことから、AIが神であるという方向には進んで欲しくはないのですが、現在の政治の腐敗や社会の腐敗が幸いし、それが追い討ちして、社会がAIこそが神であるという信仰へと進んでしまう可能性があることは十分考えられることです。

AIの開発の動向 つづく


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