File No.64-8  音楽について考える(8) -コラム-

ディジタルが、音楽を変えてしまったのかも知れないことについて解説しています。

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AIによって、人は退化する

AIの利便性を追求することが、人類にとって幸福であるかどうかは分かりません。

AIに繋がっている人体にインプラントされたマイクロチップから、様々な情報を簡単に入手できるようになることは、一見素晴らしいように思えるかも知れませんが、これは人の進化を停止させて退化させる要因になりかねません。

なぜなら人は、自身の頭と体を駆使し苦労しながら、いろいろなことを学んで生活しています。

これは人類が原始時代から行われてきた、あまりにも当たり前のことだったので、AIが登場してマイクロチップで繋げるという考えができるまでは深く考える必要もありませんでした。

それが、AIによって人体にマイクロチップを通じて様々な情報が与えてくれるようになってくると、これまで様々な情報を手に入れる苦労が必要なくなってしまいます。

もし、AIによって人が何もせずに様々な情報を入手できるようになれば、人はいろいろなことに努力する必要がなくなり、気力などが失われてしまう可能性があります。

人に気力がなくなってしまうと廃人になったと同じだと思います。

AIを、ただのコンピュータの延長線上として利用するのと、人体にマイクロチップを入れてAIを使用することは全く意味が異なってきます。

Aiを優れたコンピュータとして使用するなら、利便性が向上するだけですみますが、マイクロチップによってAIと交信するようになってしまうと、人類そのものの進化にも影響しかねません。

外見的は、完全に見えても、人がAIと繋がってしまったことで、これまで普通にできていたことができなくなったり、AIがなければ何もできない生物に成り下がってしまう可能性もあります。

これは、AIによって人類が進化したというより、退化してしまったという方が良いかも知れません。

AIの進化が、人類を退化させてしまうという皮肉なことだと思います。

つまり

『猿の頭にマイクロチップを埋め込んで、人間の言葉をしゃべるようになった』としても、それがはたして進化したと言っても良いのだろうか?

ということです。

人は、AIによって進化してはならないと深く考えざるえないと思います。

人は、AIによって進化してはならない

もし、この世に神が存在するなら、神はAIによる人の進化を望むだろうかと考えさせられます。

神は、人に完全な状態で進化することを望むのではないだろうかと思います。

神から与えられた体は、完全なものと考えるとマイクロチップなどで傷をつけてはならないということがいえます。 (ここでは、ペースメーカーや人工透析患者は、どうなんだと言うような極論は避けます。)

神から与えられた完全な生身の体を、何もしないで進化することが、人類にとって本当の進化したことだと言えるのではないでしょうか。

AI(マイクロチップをインプラント)によって人類の頭脳が進化したとしても、常にAIの補助が必要となり、本質的に人類は進化したといえないのではないかと思います。

神から与えて頂いた生身の体を進化させることこそが、本当の意味で人類が進化したといえます。

また、神に関係なく、人類は生身の体を進化させる方が良いと思います。

AIと人の頭脳を連動させてしまうと、人類はAIを決して超えることができなくなってしまうからです。

人類は、進化によってAIを超える完全な状態に近づくことことが、人類が神に近づいたことになるのではないかと考えます。

生身の状態で人類が進化していく過程は、何千年という長い歳月がかかるかも知れません。

それでも人の体は、AIの補助に頼らす進化する道のりをたどることが使命ではないかと思います。

人は、決してAIによって進化してはならないと断言できるでしょう。

AIとオーディオのまとめ

今回、AIとオーディオのことについて掲載させていただきましたが、オーディオのついての記事が大変少なく申し訳なく思っています。

なぜこのような記事になってしまったのかと申しますと、今後のオーディオについて考えているとAIの進化を無視できないように思えてきたからです。

オーディオのソースである音楽が、インターネットによるダウンロードが普通になってきており、CDなどのパッケージメディアが下火になりつつあります。

古い世代の人たちは、インターネットによるダウンロードで音楽を楽しむことは素っ気無く感じてしまいますが、新しい世代からすれば生まれた時から音楽はインターネットからダウンロードによって楽しむことが普通に行われていることなので、CDなどのパッケージメディアを購入して楽しむことが珍しいことだと感じてしまうかも知れません。

オーディオのような趣味性の高い娯楽にまでAIというのが浸透してくるのは時間の問題で、直ぐにオーディオがAI化が進んでいくとは思いませんが、未来はAIによってオーディオが統合されていくことは間違いないことだと思います。

若い世代の人が、オーディオとAIが統合されていくことに全く違和感を感じることはないでしょう。

AIとオーディオの統合は、人類にこれまでない利便性を保証してくれるのも事実であると思われます。

考えるだけで欲しいものが手に入り、これ以上求める物はないという時代が繰るかも知れません。

しかし、AIによって便利になることが

   

『人類にとって、本当の意味で幸せなのだろうか?』

   

と考えさせられます。

現在、オーディオでアナログレコードを良い音で再生するには、大変な苦悩が必要になります。

最初に音の良いアナログレコードを探しだし、丁寧に扱って良いオーディオ機材を使用して、やっと良い音で楽しむことができるようになります。

アナログレコードで良い音を実現するには、いろいろなアナログレコードや多数のオーディオ機器を試したりして、無駄に多くの時間の費やすことが余儀なくされることが普通です。

様々な面倒なことや多くの時間を消費して、そこで、やっとのことで良い音にたどりつくことができ、真にアナログレコードを楽しむことが可能になります。

そこに辿り着くには、偶然やラッキーなどの不確定の要素を多く含み、非効率極まりありません。

その無駄な時間と非効率の先に出会う良い音に、心を揺さぶられ感動してしまいます。

もし、そのような非効率な行動もなく、AIによって簡単に良い音が手に入る時代がきてしまうと、何れ音楽に感動することすら忘れてしまい、音楽を聴く楽しみすらなくなってしまうかも知れません。

オーディオの未来を考えると、AIによって便利になることが、最終的には人類の楽しみが薄れ、その先には思考も必要ない廃人のようになってしまうのではないかと危惧してなりません。

多くの回り道をしていろいろAIについて掲載して来ましたが、今回の『AIとオーディオ』高効率、利便性の究極の追求のAIは、何れ人類を飲み込み廃人にしかねない危惧を伝えたかったこともあり掲載させていただきました。

また、現在ではローテク扱いのオーディオは、先進性の世界から無視される存在ですが、このような古典的なオーディオの追求からでも、最先端といえるAIについて考えることができるということも知っていただきたかったこともあります。

基本は、今も昔も、未来も何も変わらないのかも知れません。

多くの人たちは、AIの利便性を最大に受け入れることで、最大の幸福を得ることができると考えていると思いますが、いつの間にか人類の為にAIが存在するのでなく、AIの存在の為に人類が生かされることに逆転することになるでしょう。

オーディオのようなローテクと思われるような過去の技術を眺めているだけでも、最先端技術のAIの未来が見えてくるのが不思議なところです。

私は、マイクロチップを人体に埋め込んで便利に生きる人生よりも、原始人と言われても生身の状態で人生を送ることができることを望んでいます。

                          おわり

                         

日本で初めて作られたロボットといわれる『學天則』
日本で初めて作られたロボットといわれる『學天則』


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