File No.18-6 プロ用オーディオとは、何か?(6) -アンプ-

プロ用アンプの音と民生用アンプの音

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プロ用アンプの音と民生用アンプの音

民生用アンプの音

録音された音では何処まで表現できているか分かりませんが、全体の音がプロ用アンプよりダイナミックに聴こえます。 音の輪郭もシャープで全体にクッキリして密度があり、ボーカルが前面に抜けてリアルに再生され楽器などの高音の上の音も、引っ込まずに再生されるので、楽器の音が前面に抜け音色が良く出ます。

プロ仕様のアンプの音

プロ仕様のアンプの音のクオリティは悪くありませんが、密度が薄く少し荒い感じがします。

周波数特性がカマボコ型の特徴で、ボーカルの声が後ろに引っ込んだ感じがします。 音が天井に付くぐらいの音ではなく、少しこじんまりした感じです。 楽器の音も少し引っ込んだ感じの音で再生され、全体に贅肉の少ないスッキリした音で再正されます。 音の輪郭が比べた民生用アンプより、シャープではありません。 (輪郭に関していえば、比べた民生用のアンプが特に輪郭がシャープに聴こえるのかも知れません。)

プロ用オーディオアンプは、音のクオリティ悪くはありませんが民生用のオーディオアンプのように高忠実再生を目的としていないのが理解できたのではないでしょうか。

プロ用のオーディオアンプと民生用オーディオアンプの音の違いを顕著に知るためには、 なるべく、3way以上のフラットのバランスのスピーカーが望ましいと思います。 一部の高級な大型ウーハーのスピーカーでは、低音を多く出すようにバランスされている ので不向きかもしれません。 上記の実験は、3way以上のフラットなバランスのスピーカーを使用しています。

プロ用アンプと民生用アンプの音の違い

私自身がプロ用のオーディオアンプと民生用オーディオアンプの音に、大きく差を感じることは

   

『音の温度感』

というものです。

音の温度感というのはたいへん説明しにくいことですが、民生用のオーディオアンプの音には音が生き生きしている感じがあります。

これはボーカルなどの声を再生した聴くと、そこに人の温度ようなものが感じられ、楽器の再生でも同様で楽器が生き生きと再生されて音自体が暖かく聴こえます。

プロ用オーディオアンプで再生された音は、クオリティは良いのですが良くも悪くも音があっさりしすぎて温度のようなものが感じにくい感じがします。 音に色気がないといったら良いのでしょうか? 音を感情的に例えると、良くも悪くも全体の音があっさりしているので、ボーカルの声の先やギターの先の部分がもう少し表現してくれれば、もっと音に気持ちが入るのにとうい感じです。

音楽を民生用のアンプ聴いたときの感動が、プロ用アンプで聴くと

   

『あれ、こんなものだったかな?』

   

『何か、違うな!』

というような感じです。

プロ用アンプを視聴すると普通に音が良く、これで十分と思えるのですが、ある一瞬の表現のところで音が薄く感じ、物足りなく感じてしまいます。

またプロ仕様のオーディオアンプには音の深さや低音の粘りが、民生用オーディオアンプより薄いように聴こえ全体の音がシャリシャリとしているように聴こえてしまいます。

プロ用アンプと民生用アンプを聴き比べたことがある人には、なんとなく理解できることではないかと思います。

スピーカーで再生される音を視聴したのと、それを録音したものをヘッドホンで再生した音とは、かなりの差があるように感じました。

ヘッドホンでは若干、雰囲気が伝わりにくいかも知れません。 また、使用した録音機(tascam DR-40)が低音域がほんの少し硬くなるようで、低音の弾力が伝わりにくいようです。

ヘッドホンで音のサンプルを再生すると、プロ用アンプの方が全体に音がスッキリしているので鮮明なように聴こえます。 実際のスピーカーでの再生した音は、全体の音がさっぱりし過ぎているように聴こえました。 何れにしても、これらのサンプルの音で上手くプロ用オーディオアンプと民生用オーディオアンプの音の違いが伝われば良いのですが・・?

プロ用オーディオアンプの誤解

最近、インターネットでプロ用のオーディオアンプを絶賛している記事を良く見かけます。

これはプロ用オーディオアンプというと、

  

『高性能、高音質』

というイメージがあるからだと思います。

これは、プロ用オーディオアンプの条件のところで掲載させていただきましたが、プロ用オーディオアンプというものに大きな誤解があると考えています。

プロ用のオーディオアンプは、

   

『決して、高音質(高忠実)を求めて製作されたものではありません。』        (プロ用アンプの一部に例外的に高音質を目指した製品が存在します。)

普通、高音質を最優先に求めていなければ、本当に納得できるような良い音のオーディオアンプできないでしょう。

このことはオーディオアンプというものを考える上で、大変重要なことです。

実験の結果で分かるように、プロ用のオーディオアンプは

   

『高忠実度再生を目的として製作されたものではありません』

しかし、プロ用のオーディオアンプが一部のオーディオファンにたいへん評価されている 現状があります。

なぜ、高忠実度再生を目的としてないプロ用のオーディオアンプが、オーディオファンに評価されるのでしょうか?

このことについて私なりに考察して見ました。

プロ用のアンプが、ネット話題になり評価された理由

まず最初に考えられることは、プロ用のオーディオアンプを使用しているスピーカー、昔のスピーカーやフルレンジ及び2wayのスピーカーなど、どちらかといえば周波数レンジが狭いナローレンジのタイプのスピーカーで聴いている可能性があります。

周波数レンジが狭いナローレンジというと音が悪いような誤解される可能性があるので説明されていただきますが、ここでいうナローレンジは、3wayスピーカー以上に比べて再生周波数レンジが狭いスピーカーを指しています。

それらのスピーカーは、細部の細かい音を再生するよりも音の雰囲気を再生する感じです。 プロ仕様のアンプと上手く組み合わせれば、かなり良い音が期待できます。

プロ仕様のアンプは、価格も安く音も良いと言うことで評価されたのではないかと考えています。

ナローレンジのスピーカーが、決してクオリティや音が悪いと言うことではありません。 あくまでも高忠実度再生を考えれば、スピーカーユニットを数個に分けて周波数レンジを広げる必要があるということです。

良い音のスピーカーの問題はたいへん難しく、単純にスピーカーユニットを多く分ければ、音のかぶりや位相の問題が発生するので音が良くなるということではありません。 ここでは、一応ワイドレンジ再生のみ考えたいと思います。

これらのスピーカーの問題については、何れFileで掲載していきたいと思います。

プロ仕様のアンプを生かす方法 つづく


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